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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

シンプルはねちゃん

2007-06-03 18:15:27 | 思い出の絵本
 日曜日の午後、久しぶりに娘と駅近くの本屋さんへ行きました。彼女のお目当ては、
児童書のコーナーにあるのですが、ふたりで、絵本の「特集」のコーナーから、順に見ていきます。

 そこでの特集その1は、リサとガスパール。いつか絵本展でストラップを買ったことはあるけれど、
本は1冊も持っていません。流行り始めた頃と娘の成長が、ちょっと合わなかったみたいです。

 特集その2は、いしいももこさんの本。特集その3は、雨降りの絵本でした。


 
 そんな中、私が気になったのは、赤ちゃん絵本のコーナーにあったこの本です。

   はねはねはねちゃん(福音館書店)
  『はねはね はねちゃん』
 なかがわりえこ 文 やまわきゆりこ 絵


 表紙の子、はねちゃんが着ているオーバーオールの水色がなんとも涼しげで、
今の季節にぴったり、と思いながら、あえて手に取らず、眺めるだけで帰ってきました。
「こどものとも0,1,2」版のものを持っているからなんです。
 
 本棚の奥からひっぱり出してみたら、1995年12月号、0,1,2の通巻9号と裏表紙に
記されていました。
 娘は1996年の8月生まれで、0,1,2の購読を始めたのが97年の4月号からだったので、
毎月の号の間に、バックナンバーを見つけて買ったもののうちの1冊だということを、
発行年月を見て、思い出しました。


 ぐりぐらコンビの作品が、赤ちゃん絵本でも出ていることに、当時の私が驚いたことは
言うまでもありません。

 
 はねちゃんという名の子が、登場してくる動物と一緒に、体操(らしきもの)をするという
お話なのですが。

 はねちゃんは男の子かなあと思った後に、でもやっぱり女の子にも見える、というところが
とっても良いところです。
 山脇百合子さんは、どちらにでも見える子どもを、最初から意識して描いてくれたんだろうなあ
と思います。名前も「はねちゃん」と決まってはいますが、もちろん、そこにはそのおうちの
赤ちゃんの名前が入りますよね。

 今日、とっても久しぶりにこの絵本を開いてみて、もうひとつ思ったのは、色がとっても抑えて
使われている点です。はねちゃんが来ている服は水色ですが、それ以外は、ほとんど茶系の
色なんです。

 キリンの茶色、くまの茶色、がちょうの羽の茶色、カメの甲羅の茶色。

 あと色といえば、うさぎの白に、うさぎの鼻の頭と耳の中の薄いピンクと、はねちゃんの
ほっぺの赤味だけ。バックもすべて白色…。

 きれいな色が画面からあふれんばかりの絵本も楽しいですが、これだけシンプルな絵本
(しかも赤ちゃん向け)があるって、とってもいいなあと思います。


   うさぎが ぴょんと とんできて
   うさぎの たいそう
   ぴょん ぴょん ぴょん

   はねちゃんも ぴょん
   はね はね はねて

   しりもち ついて
   はい おわり


 テキストだって、こんな口馴染みがよくって、楽しいし。


 読んでもらっていたことを、当の赤ちゃんは、「覚えているよ、知ってる知ってる」とは
言ってくれないけれど、一緒に楽しんだ思い出を、周りの大人たちは赤ちゃんから
貰っていたので、それで十分なのかなあと思っています。

 PCの横に置いてあるこの本を見て、うちの娘が、なにこれ?こんなのあったっけ?と
たとえ言ったとしても…です。




 
コメント (4)
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