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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

いってみたいな ここの国

2006-06-16 16:45:27 | 好きな絵本
 たしか、小学校の4年か5年の時だと思うのですが。

 近所の本屋兼文房具屋さんに、新しい日記帳を買いに行きました。下見はしてあって、
それが500円だったことを知っていたので、図書券1枚(500円分)を持って家を出ました。
 ああ、これこれ。とその日記帳と、500円分の図書券をレジで出した私。そこに居た
お兄さんは、日記帳を見て、一瞬あれっていう顔をしたようでしたが(後から考えると、
あれは、あるはずもない「売上カード」を探していたのですね)、私全体から、「この図書券で
これを買う!」というオーラが出ていたのと、表紙に、まるで本の題名のように「MY
 SWEET MEMORY」(こんなような英文字)と書いてあったので、「そっか、これは本なんだ、
だから図書券でいいんだ」と思い、売ってくれたのでしょう。

 しばらくたってから、日記帳は文房具→本ではない→だから図書券は使えない、
の図が私の頭の中で成立しました。

 よくあのお兄さん、売ってくれたなあ。今でもそのお店の前を通ると、時折思い出します。


 何も書いていない、真っ白な日記帳。
 それは、なんにもかかれていない まっしろいほん! と言うこともできます。

 ルフランが、今度のひっこしの途中、強い風に巻き込まれて着いたのは、
本のあいだのくに なんです。

ルフランルフラン (2)

『ルフラン ルフラン2』

 荒井良二 作







 ルフランは、もちろん『ルフラン ルフラン』のルフランです。
 この2作目には「本のあいだのくにへ」というサブタイトルがついています。
本の間の国ですよ。「本の国」ではなくって、「あいだ」なんです。もうこのひとことで、
わあぁと自分の気持ちが盛り上がるのがわかります。

 そのくにには、ふたごの ナンニモと ナンデモ がいます。その二人も他のみんなも、
本を読んでいるのに、その本は なんにもかかれていない まっしろいほん! なんです。

 
 ルフランは しろいほんのことを きいてみました
 ナンニモは そう! なんにもかいてないわ というと
 ナンデモは なんにもかいてないけれど
 なんでもつまってるわ!
 とこたえて クスクス わらいました  

 
 
本のあいだのくににある、まっしろい本は、見た目は何にも書かれていない本だけど、
よーく心の目で読んでみると、そこにはありとあらゆる、あなただけの物語が何でも
つまっている本なんです。

 図書券で、私に日記帳を売ってくれたお兄さん。もしや「本のあいだのくに」からやって
きた人ではありませんでしたか?10歳ぐらいの私が書いていた、日記帳という
(MY SWEET MEMORYかも)名前の本、どこにいってしまったのでしょう。

 ルフラン ルフラン2は、とっても素敵です。私と、私の娘の間では、これはどっちの持ち物か
(所有権はどっちにあるのか)とすでに言い争いが起こるほど。
 原画を見る機会にも恵まれましたが。その原画と、印刷された絵本との、ギャップを
ほとんど感じることはありません。(ルフランのピンバッジ、やっぱり買っておくべきだった
かなあと思うくらいです)
コメント (10)
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