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「プリンセスチュチュ」ファンページ

Windspiel(後編)

2010-06-17 23:39:01 | 二次小咄
「わーい、ありがとう!なになに?キモノ?ニンジャ?」
「お前ニンジャを何だと...いいから開けてみろ」
「うん...わー!キレイ!!」
「壊れてなかったか。良かった」
「これ、なあに?ガラスのベル?あっ、ベルにアヒルの絵が描いてある!下に紙がぶら下がってるよ。何か文字が書いてある...これを持って鳴らすのかな?」
「貸してみろ」
「はい。えっ、ふぁきあ、どこ行くの?...窓際に飾るの?」
「...どうだ?」
「あ、風で揺れて音がする...へぇ、自動的に鳴るんだ...」
「『風鈴』っていうらしい」
「ふうん。風の音楽だね」
「風の音楽、か。そうだな」
「これを聴けたのもふぁきあのおかげだね!ありがと!」
「おおげさなヤツだな。みやげ物を買ってきたくらいで」
「そうじゃなくて。ふぁきあがあの物語を終わらせてくれたから、あたし達は外の世界に出ることができて、外の世界にはこんな珍しいものやステキなものがいっぱいある、って知ることができて良かった、ってこと」
「良かった...か...」
「なに?」
「いや...ああ、そうだな、だが俺だけの力じゃない。それに壁を壊したのは、お前と、みゅうとだ。お前達が気づき、決断したから、壁は壊れた」
「でもそれだってふぁきあがいてくれたおかげだよ」
「みんな、だな。俺やお前だけじゃなく、あの時あの場にいて俺達と関わっていたみんな、一つ一つの関わり、一つ一つの出来事が重なって、物語を終わらせることができた。だからあれは、一種の奇跡みたいなものだったんだ。...そう思うようになった」
「うん、そう!あたしもそう思ってた!...うれしいな、ふぁきあと同じコト考えてたなんて」
「そ、そうか」
「うん。ねえ、この風鈴、みゅうとやるうちゃん達にも見せてあげたいなぁ。あっちの世界にも有ると思う?」
「さあ」
「もう、ふぁきあってば、素っ気ないんだから」
「あっちにはあっちで、俺達が見たことのないものがたくさん有るさ。さあ、気が済んだらしまっとけよ。鳥達が音で驚いて来なくなるぞ」
「あ、それは大丈夫。ちゃんと話しとくから」
「そうなのか?」
「うん、じゃあ、デザート食べよ!揚げリンゴがあるんでしょ?帰ってきた時、匂いがしてたよ!」
「よく食うな、お前...」

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ごちそうさまでした(笑)

Spargel シュパーゲル(ホワイトアスパラガス)の季節はもうそろそろ終わりですが...
「ラビオリ」と言ってるのはMaultaschen マウルタッシェンのことです。普通は中身は挽き肉ですが、あひるちゃん用にチーズにしてみました。
揚げリンゴは素揚げじゃなく、フリッターみたいな皮がついてるのです。

日本熱帯説は実話(笑)
まあ、ヨーロッパに比べれば、緯度が低いですからね...

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