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「プリンセスチュチュ」ファンページ

ローエングリン

2007-08-24 23:58:14 | その他
えーと、なにやらワーグナー・ブログになっちゃってますが...
8/26(日)深夜、NHK BS2で歌劇『ローエングリン』やります(再放送)。
2005年バーデン・バーデン祝祭劇場での公演です。

8/27(月) 00:55 - 04:30
第1部 : 00時55分 - 02時00分
第2部 : 02時02分 - 03時23分
第3部 : 03時24分 - 04時30分

舞台を中世ではなく、近世(たぶん19世紀)ドイツにした演出なので、色々と新鮮でした。
初めてローエングリンの歌を聴いた時はかなり衝撃でしたが(聴かれたことのない方、聴けばわかります)、
このクラウス・フロリアン・フォークトのローエングリンは一層衝撃的。(聴けばわかります 笑)
ローエングリンはもともと浮世離れした、常人には度し難い人物なんですが、それが強調されちゃってる気がします。
いずれにしても、皆様のローエングリンのイメージとはかなり違うかもしれません。ふぁきあよりみゅうと(というか、心を失くす前の王子)に近いかな?
考えてみたらローエングリンって、せっかく結婚したのに初夜も無しだったんですね...(たぶん事後じゃないはず...)かわいそーに(笑)

私のオススメの聴き所は、やはりワルトラウト・マイアの壮絶なオルトルート(敵役)。
あと、第1幕への前奏曲(拙作 'die alte Geschichte' 16話「再会」のテーマ曲にしてました)とか。(これがオススメの演奏というわけではありませんが)
目を閉じて(舞台を見ずに 笑)、月明かりに照らされた金冠学園の裏庭を思い浮かべながら聴いてみていただけると嬉しいです。

13Akt

2007-08-13 23:51:37 | チュチュ感想文
まず前半、『ローエングリン』’第3幕への前奏曲’。ヘタレ騎士の汚名返上を賭けて切りまくるふぁきあ、「俺だって主役だ!」という叫びが聞こえてきそうです。眠れる森の王子どころか白鳥姫も食う勢い(笑)
ワーグナーの曲は、構成が縦も横も複雑で、下手すると空中分解の危険があり、スリル満点ですが(楽しみ方が間違っている...)、この曲は比較的初期の作品ということもあって、わりと解りすく、演奏もしやすいです。
ふぁきあ突撃シーンでは、最初のド派手な主題提示部が使われ、中間の緩徐部(かの有名な結婚行進曲を想起させる部分)から後半の反復部までがすぱっと落とされて、曲の最後に繋がってましたが、あまりに自然なので「えっ、いつのまに?!」てカンジでした。
カラス軍団もさらっと片付いてましたしね。ま、かなり取りこぼしてましたど...
オペラではこの後、結婚行進曲(婚礼の合唱)へと続くんですが、哀れふぁきあは...
ついでに言うとこの↑曲は、実は結婚式の行進曲ではなく、”初夜の部屋”へと二人をいざなう歌です(←オイ)

それから後半、『白鳥の湖』’第2幕の情景’のはまりっぷりの見事さは、改めて指摘する必要もないですね。
製作者様が意図されてたかどうかは分かりませんが、実はこの音楽は、『ローエングリン』つながり。
と言うのも、この超有名なメロディーは、『ローエングリン』の”禁問の動機”の変形なので。
(↑ローエングリンがエルザに「助けてあげるけど、名前も素性もどこから来たかも尋ねてはならない」とのたまう時のメロディー。白馬の騎士ならぬ白鳥の騎士のくせに、窮地に陥ってる相手の足許をみるようなセコいやり方です)
もっとも、かなり曲の雰囲気が違うので、ちょっと聴いただけでは同じモチーフだとは気づきにくいかも?
クラシックではこういうふうに過去の(別の作曲家の)曲のメロディーをアレンジして作られた名曲がたくさんありますね。
ある意味二次創作。


それにしてもあの地下の舞台で、彼らの周りに落ちてくる光の射し込み方の素晴らしいこと!
『チュチュ』は光と水がすごくキレイですが、ここは最も美しいシーンの一つじゃないでしょうか。
(光がどっから来てるのか、ものすごく疑問ですが。照明係のカラスがいたのか? 笑)
特にふぁきあ突撃前の会話の辺り、それぞれの決意を静かに照らし出す光の筋があまりにも清らかで、心に沁みます。


さて、おいてけぼり事件もかなり問題アリですが、私が気になったのはむしろ、全治1週間以上の重傷のふぁきあを放ったらかして、優雅に「いつまでも」踊り続けてた二人。
エデルさんの最期の望みとはいえ、あんまりなのでは?(笑)
あの後ふぁきあが1週間も学校を休む羽目になったのは、手当てが遅れたせいもあったに違いない...