御参考までに。
たぶん、「愛の死」の歌詞の日本語字幕は出るだろうと思いますが、全部は放送しないかもしれませんし、それにここを御覧の皆様はドイツ語をお聴きになりたいでしょうから(笑)、一応、下記に歌詞を載せておきますね。
Lop Norによる便宜的ドイツ語発音表記(実際の発音とは微妙に違います。さらに、歌う時のドイツ語と普段しゃべる時のドイツ語では、特にrの発音が違います)と、怪しい日本語訳(文学的表現より、忠実な訳を重視しました 笑)付き。
原文では韻が踏まれてることに御注意下さい。
ちなみにこの部分の歌詞には「Liebestod 愛の死」(←”性的興奮の絶頂”を表す隠語らしいです)という言葉は出てきません。
それが出てくるのは第2幕のトリスタンとイゾルデの2重唱の方です。
(過去ログ「映画「トリスタンとイゾルデ」感想」を御参照下さい)
Mild und leise ミルト ウント ライゼ
wie er laechelt, (ae=aウムラウト) ヴィー エル レ(ッ)ヒェルト
穏やかにかすかに彼がほほえむのが
wie das Auge ヴィー ダス アオゲ
hold er oeffnet, (oe=oウムラウト) ホルト エル エフネ(ッ)ト
彼がその瞳を優しく開くのが
seht ihr's, Freunde, ゼーェト イールス、フロインデ
見えるでしょう、ねぇ(みんな)、
seht ihr's nicht? (ae=aウムラウト) ゼーェト イールス ニヒト?
見えないの?
Immer lichter イマル リヒタル
wie er leuchtet, ヴィー エル ロイヒテ(ッ)ト
ますます明るく彼が輝くのが
sternumstrahlet シュテルンウムシュトラーレ(ッ)ト
hoch sich hebt? ホ(ッ)ホ ジ(ッ)ヒ ヘプト?
天高く星の光に取り巻かれているのが?
Seht ihr's nicht? ゼーェト イールス ニヒト?
あなたたちには見えないの?
Wie das Herz ihm ヴィー ダス ヘルツ イーム
mutig schwillt, ムーティ(ッ)ヒ シュヴィルト
彼の心臓が勇ましくふくらみ
voll und hehr フォル ウント ヘーァ
im Busen ihm quillt? イム ブーゼン イーム クヴィルト?
はちきれんばかりに気高く彼の懐に湧き出でるのが?
Wie den Lippen, ヴィー デン リ(ッ)ペン
wonnig mild, ヴォーニ(ッ)ヒ ミルト
その唇が、喜ばしく穏やかに
suesser Atem sanft entweht. (ue=uウムラウト) ジューサー アーテム ザンフト エントヴェーェト
さらに甘美な呼吸を柔らかく息吹かせるのを。
Freunde! Seht! フロインデ! ゼーェト!
ねぇ(みんな)! 見て!
Fuehlt und seht ihr's nicht? (ue=uウムラウト) フュールト ウント ゼーェト イールス ニヒト?
それを感じ、見ることができない?
Hoere ich nur diese Weise, (oe=oウムラウト) ヘーレ イ(ッ)ヒ ヌール ディーゼ ヴァイゼ
私だけがこの調べを聴いているの?
die so wundervoll und leise, ディー ゾー ヴンダーフォル ウント ライゼ
とても素晴らしくそしてかすかな、
Wonne klagend, ヴォーネ クラーゲント
喜びが嘆かれ
Alles sagend, アレス ザーゲント
全てが語られ
mild versoehnend (oe=oウムラウト) ミルト フェルゼーネント
穏やかに融和され
aus ihm toenend, (oe=oウムラウト) アオス イーム テ-ネント
彼から響いて
in mich dringet, イン ミ(ッ)ヒ ドリンゲ(ッ)ト
私の中に突き通り
auf sich schwinget, アオフ ジ(ッ)ヒ シュヴィンゲ(ッ)ト
上へと翻って
hold erhallend ホールト エルハレント
優しく鳴り渡り
um mich klinget? ウム ミ(ッ)ヒ クリンゲ(ッ)ト
私を包んで響く(この調べを)?
Heller schallend, ヘラル シャレント
さらに朗々と鳴り響き
mich umwallend, ミ(ッ)ヒ ウムヴァレント?
私を囲んで沸き立つ
sind es Wellen sanfter Luefte? (ue=uウムラウト) ジント エス ヴェレン ザンフタル リュフテ?
それは柔らかなそよ風のうねり?
Sind es Wogen wonniger Duefte? (ue=uウムラウト) ジント エス ヴォーゲン ヴォニガル デュフテ?
それは喜びの香気の大波?
Wie sie schwellen, ヴィー ジー シュヴェレン
それらがふくらんで
mich umrauschen, ミ(ッ)ヒ ウムラオシェン
私を囲んでざわめくのを
soll ich atmen? ゾル イ(ッ)ヒ アトメン?
私は呼吸するべき?
soll ich lauschen? ゾル イ(ッ)ヒ ラオシェン
私はそっと耳を澄ますべき?
Soll ich schluerfen, (ue=uウムラウト) ゾル イ(ッ)ヒ シュリュルフェン
私はゆっくりと飲むべき?
untertauchen, ウンタルタオヘン
沈み込むべき?
suess in Dueften (ue=uウムラウト) ジュース イン デュフテン
mich verhauchen? (ue=uウムラウト) ミ(ッ)ヒ フェルハオヘン
芳しい香気の中に甘く息を放ち切って?
In dem wogenden Schwall, イン デム ヴォーゲンデン シュヴァル
うねる高波の中へ
in dem toenendem Schall, (oe=oウムラウト) イン デム テーネンデム シャル
響き渡る音の中へ
in des Welt-Atems wehendem All イン デス ヴェルト-アテムス ヴェーエンデム アル
宇宙に行き渡る世界の呼吸の中へ
ertrinken, エルトリンケン
おぼれ
versinken, フェルジンケン
沈み
unbewusst, ウンベヴ(ッ)スト
無意識になる
hoechste Lust! (oe=oウムラウト) ヘヒステ ルスト!
至高の悦楽!