1/1夜にNHK Eテレで生中継されましたが、みなさま御覧になられたでしょうか?
いつもは何週間か前に曲目が発表されるのに、今年は全然サイト(ウィーン・フィルの)に出なくて、どうなってるんだろう?と思ってたんですが、なかなか面白いプログラムで楽しかったです。
会場に飾られた花の今年のテーマ・カラーは、赤と白のオーストリア色。
曲の方も愛国的というか、オーストリアに関わるものを中心に(所詮メインはシュトラウス・ファミリーなんで、どれもそうだと言えばそうなんですが)、EUの議長国になったデンマークと、指揮者のヤンソンスと関係の深いロシア(番組ではヤンソンスの出身地と言ってましたが、ヤンソンスはラトヴィアの出身です)絡みのものも少々。
チュチュ・ファンにはお馴染みの「眠りの森の美女」(「パノラマ」:→3Akt、「ワルツ」:→6Akt)はニュー・イヤー・コンサート初登場で、正直言ってびっくりでした(全然曲のカラーが違うので)。
あと、過去の人気曲のメロディーを使った『二次創作』ものが幾つもあったのが印象的でしたね。
ヤンソンスらしい、表情豊かな演奏で、私の中では、92年のカルロス・クライバーに並ぶ名演だったかな?(そういえば選曲も被ってる...)
久々にニュー・イヤー・コンサートに登場したウィーン少年合唱団の歌声(「トリッチ・トラッチ・ポルカ」、「鍛冶屋のポルカ」)も素晴らしく、これならCDを買ってもいいかな、と思える演奏でした(笑)
バレエに関してですが、今年もウイーン国立歌劇場バレエが、第2部~アンコールで3曲(ワルツ「人生を楽しめ」、ポルカ「燃える恋」、それからお約束のワルツ「美しく青きドナウ」)を踊ってましたね。
踊ってた場所はウィーン市内のベルヴェデーレ宮殿(の上宮)で、美術館として有名なとこなんで、行かれた方も多いのでは。
1曲目で絵画の部屋を周ってた時、クリムトの「接吻」が出てこなかったので、有名過ぎるせいか?と思ってたら、2曲目は思いっきりそれをモチーフにした振付でしたね...
つーか、そっち(クリムトの絵の方)を元にした選曲だったのか?
振付はダヴィデ・ボンバナという人だそうで、私は知らないんですが、昨シーズンにウイーン国立歌劇場バレエの新作カルメンを振付けた人らしいです(と、ルグリ先生がインタビューの中で言ってました)。
ルグリ先生は(クラシック・バレエとは違う)コンテンポラリー・バレエの”現代的な趣”というのを強調してましたが、動きとしてはそんなに新奇な感じはしなかったですね。
まあ、以前ノイマイヤーが大不評を買ったので、あんまり冒険はしなかった、てことかもしれませんが...
ちょっと踊り込みが足りないかな、というところはありましたが(時間的にしょうがない)、衣装を含め、全体的にウィーンらしい上品かつ洒落た感じで良かったと思いました。
御興味のある方は、再放送があるようですので、ぜひ御覧になってみて下さい。
2012/1/7(土)15:30-17:30 NHK 総合 (第2部中心に抜粋)
1/9(月) 9:00-11:30 NHK BSプレミアム
一応、プログラムを下記に載せておきます。
Das Programm
Johann und Joseph Strauß: „Vaterländischer Marsch“ (「祖国行進曲」)
Johann Strauß: „Rathausball-Tänze“, Walzer, op. 438 (ワルツ「市庁舎舞踏会でのダンス」)
Johann Strauß: „Entweder – oder!“, Polka schnell op. 403 (ポルカ・シュネル「あれか、これか」)
Johann Strauß: „Tritsch-Tratsch“, Polka, op. 214 (ポルカ「トリッチ・トラッチ」)
Carl Michael Ziehrer: „Wiener Bürger“, Walzer, op. 419 (ワルツ「ウィーンの市民」)
Johann Strauß: „Albion Polka“, op. 102 (「アルビオン・ポルカ」)
Joseph Strauß: „Jokey Polka“, Polka schnell, op. 278 (ポルカ・シュネル「騎手ポルカ」)
- Pause -
Joseph Hellmesberger d.J.: Danse Diabolique (「悪魔の踊り」)
Joseph Strauß: „Künstler-Gruß“, Polka française, op. 274 (ポルカ・フランセーズ「芸術家のあいさつ」)
Johann Strauß: „Freuet euch des Lebens“, Walzer, op. 340 (ワルツ「人生を楽しめ」)
Johann Strauß Vater: „Sperl Galopp“, op. 42 (「シュペール・ギャロップ」)
Hans Christian Lumbye: „Kopenhagener Eisenbahn Dampf Galopp“ (「コペンハーゲン蒸気機関車のギャロップ」)
Joseph Strauß: „Feuerfest“, Polka française, op. 269 (ポルカ・フランセーズ「鍛冶屋のポルカ」) ←原題は”耐火性の”という意味
Eduard Strauß: „Carmen-Quadrille“, op. 134 (「カルメン・カドリーユ」)
Peter I. Tschaikowsky: „Panorama“ aus dem Ballet „Dornröschen“, op. 66 (バレエ“眠りの森の美女”から「パノラマ」)
Peter I. Tschaikowsky: „Walzer“ aus dem Ballet „Dornröschen“, op. 66 (バレエ“眠りの森の美女”から「ワルツ」)
Johann und Joseph Strauß: „Pizzicato Polka“ (「ピチカート・ポルカ」)
Johann Strauß: „Persischer Marsch“, op. 289 (「ペルシャ行進曲」)
Joseph Strauß: „Brennende Liebe“, Polka Mazur, op. 129 (ポルカ・マズルカ「燃える恋」)
Joseph Strauß: „Delirien“, Walzer, op. 212 (ワルツ「うわごと」)
Johann Strauß: „Unter Donner und Blitz“, Polka schnell, op. 324 (ポルカ・シュネル「雷鳴と電光」)
Johann Strauß: „Tik-Tak“, Polka schnell, op. 365 (ポルカ・シュネル「チック・タック」)
Johann Strauß: „An der schönen blauen Donau“, Walzer, op. 314 (ワルツ「美しく青きドナウ」)
Johann Strauß Vater: „Radetzky-Marsch“, op. 228 (「ラデツキー行進曲」)