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「プリンセスチュチュ」ファンページ

12Akt-2

2010-04-27 01:46:18 | チュチュ感想文
謎の地下迷宮での夫婦漫才(違)の後、二人がカラスに追われて貯水池?に落ちる時のこと。
よく見ると、ふぁきあ君は一応、落ちるあひるちゃんを掴んで、縁の上に投げ上げようとしてるんですね。
(ヘタレ騎士のくせに、彼はいつも気概だけは立派ですよね。物理法則というものは考えてないようですが 笑)
一方あひるちゃんは、必死に手をバタつかせて羽ばたきする(本能? 笑)も空しく、ふぁきあ君の上に(←たぶん)落下。
いっそ、そん時に鳥になっちゃった方が、(下敷きになるふぁきあ君にとっても)ダメージが少なかったんじゃないかなぁ...
ああ、でも、水に落ちた時点で人間に戻っちゃうのか。
しかも(6Aktの落下シーンから察するに)服は途中で脱げる。
ということは、水の中でふぁきあ君の上に乗っかっているのは...
うん、それはそれで良かったかも(笑)


さて、12Aktタイトル曲の『シェエラザード』(リムスキー―=コルサコフ作曲、4曲構成の「交響”組”曲」)ですが、これに関しては14Aktや24Aktの感想文でも書きましたので、ここではもう一言だけ...

冒頭、「みゅうととふぁきあのお部屋v」から「クレールのお部屋vv(?)」のシーンにかけて流れる、「シェエラザードの主題」~「海の主題」と言われているメロディー。
これは、この回頻出する『カランダール王子の物語』(第2曲)じゃなく、『海とシンドバッドの船』(第1曲)からの引用ですね。1曲目とっぱなの「海の動機」の強奏(←これを「シャリアール王のライトモチーフ」としてる解説もありますが、そうではないと作曲者本人が言ってます)の直後、木管の静かな和音の中から、ソロ・ヴァイオリンの奏でる美しい旋律が、ハープの装飾をまとって立ち上がってくるところです(と思います)。
実はこれと同じ形での「シェエラザードの主題」の再現が、第1曲の終わりから第2曲の始めにかけてと、最終曲の『バグダッドの祭り~海~船は青銅の騎士を戴く岩で難破~終曲』のエンディングで出てくるんですよね。
第2曲の方ではそのまま「カランダール王子(修行僧≒"Fakir"らしい)の主題(←地下洞窟のBGM)」に続きますが、エンディングの方は、その後、まるで物語の主人公が波の彼方に去っていくように(あるいは波間に沈んでいくように)音が消えていくので、なかなか幻想的というか、物寂しい印象を残します。(でもロマンチックとも言える?)
で、これをお話の冒頭に持ってくるってのは、なかなか意味深だなぁ、と思っちゃいました。
次回沈んじゃう人もいるし(笑)



ということで、だらだら書いてた感想文シリーズ(5年越しになってしまいました... 笑)も、やっとこれにて一応終了~
長々とお付き合いいただき、まことに有難うございました。<O>

12Akt

2010-04-04 21:18:01 | チュチュ感想文
名場面・名セリフが盛り沢山の12AKt。
混浴カラス羽根風呂(クレールは服着てるけど)とか、跳ね毛で釣れる猫先生とか、色々小ネタもありますけど、何と言っても極めつけは、役立たずの騎士&アヒルのプリンセスチュチュのみゅうと探索凸凹珍道中or迷える青春ロードムービー(笑)に尽きますかね?

助けてもらって手当てまでしてもらったのに気がついていながらお礼も言わなかったふぁきあ君、相変わらず礼儀がなってないのはさておき、みゅうとのベッドに寝かされてたことに文句を言うでもなく、さらにあひるちゃんが自分のベッドに突っ伏してたことにも文句を言うでもなく、言ったのは「なんでチュチュのまんまなんだよ」。
...そっか、やっぱりチュチュよりあひるちゃんの方が良かったんだ(笑)

「普段のカッコじゃマズいかなぁと思って」と切り返されて黙っちゃったのは、『曲がりなりにも一応女の子(アヒルだけど 笑)』を男子寮に連れ込んじゃったこと(物理的には彼の方が連れ込まれたのか?)に今さら気づいたのか、それとも、なりがチュチュなのに声はあひるなギャップに萌えちゃったせいなのか?

軽~く、「それくらい協力してもいいじゃない」といなされて、うっかり妥協してしまったのが運の尽き、この先果てしなく(文字通り吐くまで)いいようにこき使われることになるとは、全く予想もしてなかったことでしょう(笑)

11Akt

2009-09-12 16:44:24 | チュチュ感想文
タイトル曲の「ラ・シルフィード」は典型的な『バレエの伴奏』音楽なので、とりたててコメントすることも無いですね。チュチュで使われてるのはブルノンヴィル版(←デンマーク王立劇場版)の音楽(レーヴェンショルド作曲)のみで、ラコット版(←パリ・オペラ座版)の音楽(シュナイツホーファー作曲)は使われてないようです。いずれにしろ、単独で演奏されることはまず無い、印象の薄い曲(バレエが付いてないと)...たぶん、冒頭、前夜の『まさかよりにもよってお前だったとは事件(笑)』に動揺を隠せないふぁきあ君&あひるちゃんのバックに流れてる「コリオラン」序曲(ベートーヴェン作曲)の方が皆様の御記憶にも残ってるんじゃないでしょうか?

さて、で、お話の方の話。
一応チュチュが”シルフィード”という位置付けなんでしょうね(羽もあることだし 笑)。ただしチュチュの羽は落ちないし、死にもしないし...
『愛が(シルフィードを)縛る(or縛る愛)』ってところにテーマとしての共通性を持たせてるようですが、それも結構無理矢理な感が拭えないかも...まあ、深読みすれば、婚約者のいる男にちょっかい出してしっぺ返しを喰らったシルフィードとチュチュの立場的な相似性を示してると言えないこともない?かな?

それよりもむしろ、「ラ・シルフィード」本来のテーマである『迷い』の方が「チュチュ」的な気がしますね。
婚約者と妖精と二股かけたあげく、妖精は自分の手で殺してしまい、婚約者にも去られたジェイムズ君は『大間抜け』というのが一般的解釈だと思われますが、私はむしろ予定調和的な話の落ちどころなように感じます。ジェイムズのどっちつかずさが、「堅実な生活と見果てぬ夢の間で迷わずにはいられない、人間の普遍的な姿」を投影しているから、というのももちろんありますが、私が見る限り、エフィ(婚約者)とガーン(エフィを愛していたジェイムズの親友)はもちろん、シルフィードも、ジェイムズでさえも「在るべき所に落ち着いた」ように思えます。もしジェイムズが予定通りエフィと結婚してたら、たぶん皆んな不幸になってたんじゃないでしょうか?たぶんその場合でも、シルフィードは結局死んでたでしょうし...ああ、でも、そっちの方がドロッセルマイヤー好みの悲劇かな(笑)

さてさて、今回も見事な役立たずっぷりを披露してくれた騎士ふぁきあ君、この後、今まで目の敵にしていたチュチュに不本意ながらお世話になっちゃうわけですが、次回、名誉挽回は成るのか?!というところでこの回は終わり(笑)

10Akt

2009-07-05 03:45:09 | チュチュ感想文
ついでに10Aktの感想文。
いやはや、あれもこれもハズカシイ(笑)ことだらけで、何から突っ込んでいいのやら...

あれこれブチ壊したふぁきあ君、たぶん脅しとはいえ、いきなり首を狙うとは...一つ間違えば殺人犯だよ(そうして「犯罪者となって人生の敗北者への道をまっしぐら」? 笑)

短気な騎士様にペンダントを(首も)切られてしまったあひるちゃん、道の真ん中で寝こけて「オッケーのポーズ」(笑)を見せるやら、若い男の子の私室に忍び込んで風呂上りの姿を覗き見るやら、いつにも増してとどまるところを知らない行動力です。盗られたペンダント(こういうのを「持っててくれた」とは言わないと思う...)奪還のためとはいえ、お年頃の男の子を挑発するのは、危険だよ(笑)。

その彼の方は、アヒルなあひるちゃんに完璧にオチた模様。
ロッカールームでの衝撃の出逢いが忘れられなかったらしく、「あの時のアヒル」を発見して、またしても鳥のアヒルに話しかける変な人になってますが、まあ朝早くて誰もいないからいいかと思ったのか、あるいは金冠町だからアヒルに話しかけようがネコに話しかけようがアルマジロに話しかけようが、別に抵抗は無いのか。
更には後で死ぬほどこっ恥ずかしい思いをすることになるとも知らず(人生ってそんなもんだよね...)、「みっともないとこ」見られまくり、小っちゃなアヒルと抱き合って「純粋で危なっかしい」姿を露呈。
そりゃ、その後で「決着をつけるか」と凄んで見せたって、あっさりかわされるのも無理ありません...
とはいえ、自分が閉める扉にアヒルがくっついてるのには気づかなかったのに、「こんな夜中に」植え込みから飛び出た跳ね毛に気づいたのは上出来と言えるでしょう。

あとカロンさんちの看板ですが、(あちらの看板は普通、絵やデザインでお店の種類を表すことが多いってことはさておき)まんま"Schmied(シュミート=鍛冶屋、金属細工師)"って...それ、店の名前?(笑)
まあ、シンプルで、単刀直入で、カロンさんらしい?と言えば言えないこともないのかもしれませんが。


さて、他の回では大抵心のかけら回収時にかかってる曲がタイトル曲になってる(10Aktの場合だと『くるみ割り人形』の”コーヒー(アラビアの踊り)”)と思いますが、この回は何故か「みゅうととクレールの結婚式」の音楽がタイトル曲ですね。この間チュチュは『籠の鳥』で、ほとんど仕事してないんですが...
「12時」っていうキーワードのせいでしょうか?

プロコフィエフの音楽について、正直言って私はプロコフィエフはそんなに好きというわけじゃないので...(笑)
彼の曲は、一言で言ってしまえば、非常に個性的で珍妙(あくまで私見)。まあ、8Aktにちらっと出てきて25Aktでタイトル曲になってる「ロメオとジュリエット」とか、バレエがお好きな方にはわりと親しみのある作曲家なのかもしれませんが。実際、バレエを見ながら聴くと(音楽だけ聴くより)はるかに納得できるんですよね。
これまた珍妙なカラスのかぶりもの軍団(『くるみ割り人形』のネズミ軍団を思い出します 笑)が踊る「ワルツ」なんかは、彼の作品の中では比較的まともな方だとは思いますが、にしても、ぱっと聴いてすぐに理解できる曲じゃないです(私にとっては)。プロコフィエフの音楽で踊れるダンサーってスゴイなぁ、と思います。何度も繰り返し聴いて、練習してれば慣れるもんなんでしょうか?(あるいは音楽はそんなに聴いてないとか? 笑)

10Akt&ドイツ語強化月間(笑)番外編

2009-06-27 23:40:02 | チュチュ感想文
夏草や...
というわけで、燃え尽きてしまわれちゃった方も、興奮冷めやらぬ方も、皆様お疲れ様でした。

さて、じゃあ、今回は、感想文シリーズ(?)兼ドイツ語シリーズ(?)な話です。

色々とアブナイことをやらかしてくれるあひるちゃんとふぁきあ君のエピソードX、あひるちゃんに覗かれてるとも知らず、上半身ハダカに短パン・肩タオル姿でのんびりたそがれてた湯上りふぁきあ君...のところへ届けられた、「差出人誰?」っていう謎の『招待状』。当ブログとしては、これを避けて通るわけにはいきませんね(笑)

実はこの文面、私も気になりつつ、文字が読み取れなくて放置してたんですが、某所にて解読させていただきましたので(ありがとうございましたv)、御同様に読み取れなかった方のために御紹介。

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Einladung zur Hochzeit
アインラードゥング(招待) ツーァ(~への) ホッホツァイト(結婚式)

Von Herr Mytho und Fraeulein Kurehe (ae=aウムラウト)
フォン(~の) ヘル(男性の敬称) ミュート(みゅうと) ウント(~と~)
 フロイライン(未婚の女性の敬称) クレーエ(クレール)

Trauzeuge ist Herr Fakia
トラオツォイゲ(結婚立ち会い人) イスト(~は~である)
 ヘル(男性の敬称) ファキア(ふぁきあ)

Die Hochzeitsfeier findet heute
ディー(女性名詞の定冠詞1格) ホッホツァイツファイァー(婚礼)
 フィンデット(=stattfinden シュタットフィンデン、催す) ホイテ(今日)

um Mitternacht in der Kirche statt.
ウム(~から(時間)) ミッターナハト(真夜中)
 イン(~で) デァ(女性名詞の定冠詞3格) キルヒェ(教会) シュタット
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まあ、おおよその内容は、ふぁきあ君の半裸にも(アザにも)全く動じなかったあひるちゃんが親切に(笑)読んでくれてた通りですね。
(最後の文章で、stattfindenは分離動詞(前から2番目の文節にfindenの三人称単数=findetが来て、一番最後に前つづりのstattが来る)であることに御注意ください)
で、いくつか突っ込みを入れさせていただきますと...

2行目のVonは、「みゅうととクレール『の』結婚式」の『の』かな?と思いますが(ただし、頭が大文字になっているのはおかしい)、もしそうだとすると本来は、その後ろのHerr→Herrn(3格)になるはずなんですが...(たぶん 笑)

で、クレールの名前に敬称(Fraeulein)が付いてるってことは、これを書いたのはクレール本人じゃないってことで、とするといったい誰が書いたのか?...あの踊ってたカラス族?(笑)

それからクレールの名前のつづりは、公式ガイドでは"Kraehe"(ae=aウムラウト;意味はカラス)だそうなのですが、ここではどういうわけか"Kurehe"(このつづりだと「クーレーエ」って発音になる 笑)になってます。
ふぁきあの名前も公式ガイドでは"Fakir"らしいんですが、ここでは"Fakia"。
名前がちゃんと決まってなかったんですかね(笑)

あと本当は、結婚立会人は2人いないと結婚が成立しないんですが...まあ結局は立会人の乱入(しかも馬で 笑)で式自体がぶち壊されちゃったから、どうでもいいのか。

2Akt

2008-07-11 23:08:24 | チュチュ感想文
チュチュ感想文が13Akt『白鳥の湖』で止まってたと思う(誰も覚えてないよ...)んで、ついでに2Aktの『白鳥の湖』を。

2Aktのタイトル曲は「白鳥の湖:終曲」となっていますが、ここ(チュチュとアリクイ美ちゃんとのパ・ド・ドゥ)で使われている部分は「終曲」ではなく、その前の「情景」...じゃなかったかな?と思います(録音によっては、そこも含めて「終曲」となっているものもあるかもしれませんが、楽譜上はその後からが「終曲」だったはず)

で、私はその第4幕の終曲が『白鳥~』の中では一番好きです。(第1幕の終曲もいいですけどね)
かの有名な白鳥の主題(←『ローエングリン』由来)がオーボエのソロで始まり、それからオーケストラの全奏でドラマチックに奏された後、弦楽器の上昇音型で緊張が一気に盛り上がる!そして短調から長調に転調して、金管のファンファーレであのメロディーが高らかに鳴り響くと、ホントにぞくぞくします。


さて、話の印象としてはアリクイ美ちゃんの強烈さに尽きると思いますが、るうちゃんがかなり可愛い子なのもポイントかな?クレール前とは言え、他の話ではもっと悪役っぽい雰囲気な気がしますね。多分あひるちゃんとの初接触になるんだと思いますが、「あなた、いい人ね」と言って笑うるうちゃんは、普通にいい子に見えます。この時点では自分に完璧な自信を持ってて、精神的にも安定してる感じ。まぁそれが、見た目には、取り澄ましてて高慢で言葉が足りない、ということになっちゃって(誰かさんと同じ... 笑)、アリクイ美ちゃんに不要な『心』を持たせる原因になっちゃったりするわけですが。

あひるちゃんは、後にみゅうとともふぁきあともパ・ド・ドゥを踊りますが、初パ・ド・ドゥはるうちゃんとv
それからいよいよプリンセスチュチュ本来のお仕事開始。ってことで『チュチュのテーマ』たる『白鳥の湖』(1Aktの『花のワルツ』はチュチュっていうよりあひるちゃんのテーマなのかな)に乗って、初仕事にしてはさくっとカケラ1コ回収。
それに伴って、ふぁきあの顔色を窺いつつも誰彼となく言われるがままの人形王子は、これまた自分の意思とは無関係に「本当の王子」への復帰開始。
一方でふぁきあは、今回みゅうとに絡むだけで全く働いてないように見えながら、アリクイ美ちゃんの敗北を煽ることで間接的にチュチュの仕事を助ける結果に。←本人気がつかなかったでしょうが、もし気がついたらさぞ不本意だったことでしょう(笑)

8Akt

2007-11-21 20:57:05 | チュチュ感想文
私は最終回まで見てからコレを見たので、『逆ロミオとジュリエット』の件も、『あひるとふぁきあ』としか思えませんでした(じっさい窓辺に呼ばれてったのもふぁきあだし)。ふぁきあが(みゅうとの剣を引っ張り出すために)墓地をうろつくのも、ロミジュリがモチーフなのかな?あれ、てことは『ふぁきあとみゅうと』とも言えるのか?確かに、一度起きかけたみゅうとを、も一回ベッドに押し倒してるしな・・・

名セリフの多いこの回ですが、イチ萌えのセリフは、みゅうと宛てのあひるの手紙を読んだふぁきあの率直な感想

「人の話を聞いてないのか、こいつは」

・・・バカ受け。どうしてと言われてもなんとも説明できないんですが・・・
敢えて言うなら、あひるに対する素晴らしい洞察力が発揮されていて(笑)、今後二人が長く深い付き合いになることを感じさせられた、っていうところでしょうか。
実は↑は私がチュチュ一萌えたセリフだったりします。謎。

ふぁきあのアヤシイ呪文については、よく聴き取れないところがあるし(ふぁきあ訛ってるし・・・)、文法的に「うん?」ってところもあるので、スルー。
それと、パンがおいしいかどうかは、いい人かどうかとは全然関係ないと思うよ、あひるちゃん・・・

13Akt

2007-08-13 23:51:37 | チュチュ感想文
まず前半、『ローエングリン』’第3幕への前奏曲’。ヘタレ騎士の汚名返上を賭けて切りまくるふぁきあ、「俺だって主役だ!」という叫びが聞こえてきそうです。眠れる森の王子どころか白鳥姫も食う勢い(笑)
ワーグナーの曲は、構成が縦も横も複雑で、下手すると空中分解の危険があり、スリル満点ですが(楽しみ方が間違っている...)、この曲は比較的初期の作品ということもあって、わりと解りすく、演奏もしやすいです。
ふぁきあ突撃シーンでは、最初のド派手な主題提示部が使われ、中間の緩徐部(かの有名な結婚行進曲を想起させる部分)から後半の反復部までがすぱっと落とされて、曲の最後に繋がってましたが、あまりに自然なので「えっ、いつのまに?!」てカンジでした。
カラス軍団もさらっと片付いてましたしね。ま、かなり取りこぼしてましたど...
オペラではこの後、結婚行進曲(婚礼の合唱)へと続くんですが、哀れふぁきあは...
ついでに言うとこの↑曲は、実は結婚式の行進曲ではなく、”初夜の部屋”へと二人をいざなう歌です(←オイ)

それから後半、『白鳥の湖』’第2幕の情景’のはまりっぷりの見事さは、改めて指摘する必要もないですね。
製作者様が意図されてたかどうかは分かりませんが、実はこの音楽は、『ローエングリン』つながり。
と言うのも、この超有名なメロディーは、『ローエングリン』の”禁問の動機”の変形なので。
(↑ローエングリンがエルザに「助けてあげるけど、名前も素性もどこから来たかも尋ねてはならない」とのたまう時のメロディー。白馬の騎士ならぬ白鳥の騎士のくせに、窮地に陥ってる相手の足許をみるようなセコいやり方です)
もっとも、かなり曲の雰囲気が違うので、ちょっと聴いただけでは同じモチーフだとは気づきにくいかも?
クラシックではこういうふうに過去の(別の作曲家の)曲のメロディーをアレンジして作られた名曲がたくさんありますね。
ある意味二次創作。


それにしてもあの地下の舞台で、彼らの周りに落ちてくる光の射し込み方の素晴らしいこと!
『チュチュ』は光と水がすごくキレイですが、ここは最も美しいシーンの一つじゃないでしょうか。
(光がどっから来てるのか、ものすごく疑問ですが。照明係のカラスがいたのか? 笑)
特にふぁきあ突撃前の会話の辺り、それぞれの決意を静かに照らし出す光の筋があまりにも清らかで、心に沁みます。


さて、おいてけぼり事件もかなり問題アリですが、私が気になったのはむしろ、全治1週間以上の重傷のふぁきあを放ったらかして、優雅に「いつまでも」踊り続けてた二人。
エデルさんの最期の望みとはいえ、あんまりなのでは?(笑)
あの後ふぁきあが1週間も学校を休む羽目になったのは、手当てが遅れたせいもあったに違いない...

6Akt訂正

2007-02-21 22:41:07 | チュチュ感想文
前回の記事を書いた後、CDで確認したんですが(書く前に確認しろよ...)、
「プロローグのリラの精の主題」と書いたのは、本当はパ・ド・シスのアダージョでした。
リラの精とその他の妖精達が出てくるところなんで...

カラボスの主題とリラの精の主題が(最初に)出てくるのは、プロローグの前の序奏ですね。
だから6Aktのテーマ曲タイトルが『プロローグ』になってるのは、厳密にはちょっと違うかも。
(CDによってはプロローグに含められてるかもしれませんが、楽譜上は序奏のはずです)

あれ、それとも「恐れる心」捕獲時の音楽はプロローグの終曲(の中のリラの精の主題)なのかな。
これはやったことないから、編曲されてるとどこがどうつながれてるのかよくわからない...

6Akt

2007-02-18 20:51:45 | チュチュ感想文
話(テーマ)的にはこの回が一番好きかな。
チュチュの話はどれも奥が深いですが、他の話はともかく、これは子供向けの話じゃない気がします。
つまりパウラモニやパウロの心情は10代では絶対わからない。つーか、わかったら不幸でしょう。
やっぱり若いうち(20代位まで)は、「ダメかも」とか考えずにがむしゃらに突っ走る勢いでないと、叶う夢も叶わなくなっちゃうよ。と私は思います。別の夢を探すのはそれからでも遅くない。
いや勿論、自分の適性を見極めるのは大切なことですけどね。

「好きこそものの上手なれ」って言うけど、あれは、ただ、好きだったら練習するから上手になれるって意味じゃなくて、どんなに才能のある人でも、それを開花させるまでには、挫折したり自分の才能に疑問を持ったりっていう苦しい時期を必ず乗り越えなきゃならなくて、好きでもなきゃそこまでできない(あるいはそれを辛いと思わない人だけが成功できる)って意味なんじゃないかなぁ。
と思う今日この頃。

ま、それはともかく、チュチュ登場人物の中で一番イイ男&イイ女と思うのがこのパウロ&パウラモニ夫妻。
他の人々がわりと旧態然とした「役割」を演じてるのに比べて、この二人はかなり現代的な思考と行動(力)の持ち主ですね。(『外』の人間だから?)
つき合いが長いのか、それともよほど波長が合っているのか、お互いへの信頼も、心が通じ合っている点も、
(この時点の)ふぁきあとあひるに比べて桁違いです。
猫先生の結婚ドリームをあっさり踏み潰しただけのことはある(笑)
しかも劇場一個分の電力を自家発電してしまうふざけた団長(「エレキ座」ってのは団長の名前なのか?)
に絡んで、さりげなく物語の鍵になるセリフを口にしてしまう(それもやっぱり『外』の人間だからか)
というスマートさ。あっぱれです。
ここの他愛ない会話に被って、劇場近くの『門』が出てくるとこが6Aktで一番好きなシーンv
(あひるとふぁきあの珍妙な初パ・ド・ドゥよりも 笑)


チャイコフスキーの三大バレエはどれもワルツが秀逸ですね。
「眠りの森の美女」の第一幕のワルツ(パウラモニさんがビラ撒きしてる時のBGM)も、無邪気な華やかさがあってきれいです。
(もっとも私はプロローグのリラの精の主題と第3幕のグラン・パ・ド・ドゥが一番好きですが)

あひるとふぁきあのパ・ド・ドゥの曲が、オーロラ姫とデジレ王子のパ・ド・ドゥでないどころか、
他の求婚者とのダンス(パ・ダクシオンの通称ローズ・アダージョ)ですらなく、
プロローグのカラボス(悪い魔法使い)の主題なのがなんとも(笑)
おまけにふぁきあ君は自分でパートナーに立候補しておきながら、見事なまでの気の無さとズサンさ(笑)
後で猫先生に「感情が表現されていませんね」とがっつり絞られたに違いない。
まああひるちゃんだけはそれでも気持ち良~くなってたみたいだからいいけど(笑)

にしてもあひるちゃん、みゅうとのことでからかわれた時はたいして取り乱しもしなかったのに、
(みゅうととふぁきあと)「ほんとはどっちが好きなの?」と訊かれただけでその動揺っぷりは何?(笑)