レフティやすおの新しい生活を始めよう!

50歳からが人生の第二段階、中年の始まりです。より良き老後のために良き習慣を身に付けて新しい生活を始めましょう。

左利きの質を持つ片岡鶴太郎の半生記『筆のゆくまま、心のままに』から

2005-08-12 | 左利き
 片岡鶴太郎さんの本が出ています。『筆のゆくまま、心のままに―片岡鶴太郎半生記』生活情報センター刊
 この本を見て思うところを書いてみます。

* 片岡鶴太郎の左手で描く絵と書 *
 氏の幼少時代から、お笑い芸人、役者、ボクサー、そして画家としての半生記+絵の実作の様子をまじえた「実践!鶴太郎流墨彩画講座」が巻末に付いているもので、少し大判のものになっています。懐かしい写真も掲載されています。(いやぁ、若かったねえ。今や巨匠の風格が出てきましたからね。私と同い年とは思えません!)

 絵の実作のページでは、テレビの趣味の番組などで披露されていたように、左手に筆を持って描いておられます。もちろん文字も左手です!
 あとがきなどもみな左手の書です。字としては、正直ちょっと読みにくいのですが、味わいがあります。

 おじいさんが羽子板の絵を描く職人さんだったそうで、元々そういう絵心が氏の中にも遺伝していたようです。
 ブログでも書いておられるように、今では絵を描いている時が何より楽しいそうです。
「2005年08月07日 今日は蜻蛉の絵を…」片岡鶴太郎日記

 この本の絵の講座の末尾にも書いておられるように、鶴太郎さんはボクシングを始めてから、自身に「左利きの質」があることに気づいたそうです。右構えができず、始めからサウスポーだった。そして絵を描くようになっても、右手では筆が先走りすぎてダメだったそうです。ところが左手で描くようになって、魂がこもるようになった、と書いておられます。
 私なりに解釈すると、右手だと使い慣れた器用さからつい小手先の技法に頼ってしまうのではないでしょうか。それがふだん使い慣れぬ左手だと、一筆一筆描くことに神経が集中して、今まで気づかなかった自分らしさが発揮されて良い結果につながったのかもしれません。

 とにかく、右手を使うか左手を使うか、制約はない、と書いておられます。絵の描き方にも基本はある、しかし自分にあったやり方で描けばいい、と書いておられます。

* 右手でも左手でも本人しだい *
 もちろん絵や書は芸術ですから、それでいいのだ、でも実用は違うという見方もあるでしょう。
 字を書くときや箸を使うとか、基本のお作法は右手で行うものだ、という考えを持つ人はまだまだ少なくはありません。
 しかし、本当にそうでしょうか。ホントは右手でも左手でもいっしょじゃないのか。最低限守るべき基本はあるでしょう。しかし、自分にあったそれぞれのやり方で自分の力を最大限に発揮できれば、それが一番いいのではないでしょうか。

 形はいいが中身が足りないというのでは、生きている値打ちがないように思います。
 充実した人生こそ大切なのではないでしょうか。
 それには借り物でない、本来の自分らしい自分でいることが大事な気がします。

* ホントの自分とは? *
 そして、ボクシングを始めて自分の中にある左利きの質に気付いたという片岡鶴太郎氏のように、ホントの自分というものは、案外自分の知らないところにあるのかもしれません。
 右利きと思っていても左利きが隠れていたり、逆に左利きと思っていたら右利きが隠れていたり、etc。
 だからこそ、人生はいくつになっても色々と楽しめるのでしょう。

※本稿は、ココログ版「レフティやすおのお茶でっせ」より転載して、テーマサロン◆左利き同盟◆に参加しています。
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