きゃおきゃおの庭

近代建築から現代建築までPHOTOたてもの探訪の記録。大切にしているものなど写真で綴ります。

「東山旧岸邸」と「とらや工房」

2013-05-23 | 戦後建築
高速道路の渋滞を気にしながら、西伊豆の旅の最後に
立ち寄ったのは御殿場。
閉館前に、すべりこみました。





かやぶき屋根の山門を過ぎ、竹林のその先に
数寄屋造りの邸宅が佇んでいます。

個人の邸宅を数多く手がけている
吉田五十八が 晩年に設計した岸信介邸。
自然と対話するかのような
美しい建物です。

岸信介は、1970年(昭和45年)73歳のときこの地へ転居し、17年間をここで暮しました。



5時を過ぎ、人影はほとんどありません。







書斎へ通じる廊下は、かつては一段低いものでしたが
バイアフリー化されフラットになりました。



窓を全部開けると、外の景色が
まるで一枚の絵のよう。





家具は作り付けで、さりげなく収納があります。





奥の背もたれの大きな椅子は
岸信介愛用の椅子。
ここからの庭の眺めが好きだったとか。
自由に座れるのが うれしいです。

ここも、窓を開け放ってくれました。
言葉がありません。
















2階は非公開。




若い頃 北イタリア フィレンツェなどで、初期ルネサンス ゴシック建築に触れ
風土から生まれたものを大切にし、
美的感覚で、和風を近代化し新興数奇屋といわれる建物を造りだした
吉田五十八の集大成 住宅。
ただただ 美しい。

庭続きに、とらや工房があります。





内藤廣設計のとらや工房。
木のぬくもりが 伝わってきます。
品は ほとんど売り切れでした。
お土産に 残っていた干羊羹なるものを購入。



かぐや姫が生まれてきそう…。

薄暮の追った岸邸を後にしました。
またいつか、ゆっくりと訪ねてみたい場所です。

◇東山旧岸邸
竣工 1969年
設計 吉田五十八
所在 静岡県御殿場市東山1082-1

2013.5.4


コメント (12)
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