きゃおきゃおの庭

近代建築から現代建築までPHOTOたてもの探訪の記録。大切にしているものなど写真で綴ります。

旧諸戸清六邸

2011-01-09 | 西洋館
熊野へ旅の続きです。
思わぬハイペースの見学で、4日目は朝早めの特急で熊野市をたち
桑名に着いたのはお昼過ぎ。
駅前で食事でも…と思ったけれど
美味しげな店が見当たらず
かねてから訪れたかった「六華苑」へ直行しました。
残念ながら
おじさまの家ではありません。。

初代清六は、10代で米屋から出発して
若くして財を築き、
二人の男の子に財産を残しました。
二男の精太は中学卒業後、清六の下で
商売を仕込まれ清六逝去後、家業を継ぎました。
弱干21歳。
ちなみに二代目清六を継いだ
四男清吾は18歳。
後に、その二代目清六の新婚の家としてこの洋館は建てられました。

維新後、大隈重信を始め、松方正義、西郷従道などのところに出入りし御用商人としての地位を得、
諸戸家と三菱財閥との繋がりがあったことから、
ジョサイア・コンドルに設計を依頼できたようです。

案内板を見ると、苑内飲食禁止。
お昼はどうしよう…。



設計時は3階建てだった塔を
揖斐川を見るために四階建てにしたそうです。
塔が妙に高くてバランスが悪く見えるのは、設計変更したため。
残念ながら三、四階には昇れません。





11月も終わりなのに、バラがたくさん咲いていました。

 
 
  

その奥に、レストランRoccaがありました。
満席のようで、まずはとりあえず 建物内を見学することに。
1時間後、レストランを訪れました。
団体客が去った後で とても静か。

KUWANAランチ(蛤と旬のお魚がメインのコース料理)を注文。
思いも掛けない 優雅なひとときを過ごしました。





この正面の玄関から入りたかったです。





洋館右手にある和館の玄関から中へ入ります。

  

  

  

 



建物内では、何組も結婚衣装をまとったカップルが
写真撮影をしていたので、
あまり撮りませんでした。
調度品の一つ一つに説明プレートが付いていたのが気になったのも
写真を撮らなかった原因の一つです。
階段室を始め、内装はいたってシンプル。
コンドルさんは、青年実業家の依頼に
明るく装飾性を抑えたものを
設計したようです。
建物外観は非対称で 意外でした。
洋館奥には、広い和館が続いています。
清六は、次第に和館での生活を好み、
洋館はその後事務所として使われたのだそうです。

うらうらと晩秋の日本庭園を散歩しました。

 
 
  


苑の端には赤レンガの塀があり、
その奥に 何かが見えるのです。
それはそれは見事な紅葉の奥に
 お堂らしきものが…。





六華苑入口の受付の方に聞いたら、塀の奥は 諸戸氏庭園とのこと。
見学は16時が最終受付。
この時、すでに15時55分…。

◇旧諸戸清六邸(旧東諸戸邸)
竣工 1913年
設計 ジョサイア・コンドル
所在 三重県桑名市大字桑名字鷹場663-5六華苑内

2010.11.24

コメント (16)
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