きゃおきゃおの庭

近代建築から現代建築までPHOTOたてもの探訪の記録。大切にしているものなど写真で綴ります。

大倉山記念館

2010-01-10 | 近代建築


日がだいぶ傾き始めた遅い午後
私鉄の小さな駅を降りてすぐ、線路沿いの急な坂を上りました。
息が苦しそうな犬を追い越し、公園の中へ。
階段をのぼると、木々の間から白亜の建物が見えてきました。













扉の前に「暖房のために扉を閉めていますがどうぞお入り下さい。」の立て札。
玄関ポーチの装飾に、建物内への期待が膨らみます。



古城の中かと見間違えるような 石の世界。
時折扉開閉の音が建物の内のどこからか聞こえ、不安げな気持ちをさらに不安なものへと押しやります。
しばらくして、建物内への入り口は3方向にあることに気づきました。
扉を押して入ってきた人は、私には目もくれず足早に通り過ぎ、集会室へと消えていきました。





ガラス越しに明るい部屋が見えるので、扉を押して中へ入りました。
共有スペースのようで、椅子が向かい合わせに並んでいます。
あまりにも大きな木製の椅子なので、重々しい雰囲気が漂っているけれど
蛍光灯の光に、現実の世界に引き戻されました。





正面入口から中へ入って、まずはじめに目に飛び込んできたのは、
石の階段。そしてその先には威厳のある装飾に囲まれた扉。とてもホールへの扉とは思えません。

そして私は、トップライトから降り注ぐ
ステンドグラスの黄金色の光に包まれました。













エントランスを見下ろす回廊にある椅子に座り、天井を見上げました。
しばらくして 誰かに見つめられているような不思議な気持ちがしたのはなぜなのか。彫刻の動物たちの囁きが聞こえてきそう。
あなたにも、ぜひ見てもらいたい。

写真からは伝わらないけれど
建物内に入ったときに響きわたっていた詩吟。違和感があって…。
いつしか清らかな合唱へと替り、ほっとしました。
現在、ここはカルチャーセンターとして使われている建物なのです。

■旧大倉精神文化研究所本館◇大倉山記念館
竣工 1932年
設計 長野宇平治
所在 神奈川県横浜市港北区大倉山2-10-1

2010.1.9



昨年の撮り貯めたものではなく、新たな見学記録でスタートしたくて、更新ができませんでした。
今年も、バーチャル散歩にお付き合いください。
どうぞ宜しく~☆

コメント (28)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする