"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

旧暦の素敵な本をご紹介します

2005年09月07日 15時14分46秒 | 日々のことなど

旧八月四日。今日は二十四節気の白露です。今日から二十四節気の次(秋分)の次、寒露(10/8)の前日までが一般的に“仲秋(ちゅうしゅう)”です。

◆白露◆この頃秋気も本格的に加わり、野草に宿るしらつゆが、秋の趣をひとしお感じさせる。せきれいが鳴き始め、ツバメが去ってゆく。(「現代こよみ読み解き事典」より)

う~ん。いよいよ秋が深まるはずなのですが、ゆっくり北進する台風14号の影響で、残暑がもう一息ぶり返しそうです。

“暮らしのリズム”blogでは、記事の冒頭に必ず旧暦の日付を入れています。旧暦9-7moonのお話しは以前にもしましたが、明治5年まで日本で使われていた暦です。今私たちの暮らしを司っている暦は、太陽の動きだけで暦を運用するグレゴリオ暦です。それに対しいわゆる旧暦と呼ばれる暦は、とても簡単に言ってしまうと月の周期で日付を、太陽の動きで季節をあらわす「太陰太陽暦」なのです。今のカレンダーは確かにとても合理的にできていますが、ついつい月の表情や動きを忘れてしまいがちですね。月のリズムは人間の生体のリズムを刻むとも言われています。普段の生活の中で、ふと肩の力を抜いて旧暦に目を留め、月の動きを意識してみるのはいかがでしょうか。

簡単に“旧暦”と言っても、法則性や計算方法がとても難しく、簡単に暦を作ることはできません。月は地球の周りを平均29.53日で回っている。旧暦のひと月は二十九日か三十日。太陽暦の1年より旧暦の十二ヶ月はおよそ11日短い。旧暦では閏月を設けた13か月の年がある。などなど、そのメカニズムはちょっとややこしいのです。でもせっかくの機会ですから、そんな暦の知識を身につけたいものですね。9-7bookそこでつい最近発刊された旧暦の本をご紹介します。
「暮らしに生かす旧暦ノート」鈴木充広著 河出書房新社2005年
著者は、私もしょっちゅう拝見している人気のサイト「こよみのページ」を主宰されています。旧暦の仕組み、月にまつわる話、東京を基準にした季節暦などなど、専門的な知識をわかりやすく紹介しています。テレビの近くなど手に取り易いところに置いておいて、ちょっと気になったときに読み返してみたくなる、素敵な本です。

時折月を眺めながら、自分の体の中で刻むもう一つの時間を感じていきたいものですね。