"暮らしのリズム"的できごと

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月夜の舞『佃島盆踊り』

2011年07月17日 11時13分07秒 | 季節のおはなし

 旧六月十七日。十六夜の美しい月が早朝西の空に浮かび、その姿をゆっくり淡くさせながら沈んでゆくさまは、たまらなく美しかったです。いつもは東へと向かうジョギングのコースを、今朝は月に向かって西にスタートしました。
 梅雨明けをした7月9日から一週間。連日見事な青空が広がっています。省電力の呼びかけが功を奏しているのか、普段の夏よりもすこし空気が澄んでいるように感じるのですが、いかがでしょうか。

 東京、特に山手線沿線から東側で色濃く残るお盆の風習は、7月13日から15日。送り火が16日となっています。
0717chouchin月遅れ(新暦の8月)でも旧暦七月でもなく、毎年梅雨明け前後のこの頃がお盆です。 江戸の頃から脈々と続いてきたお盆の風習を色濃く残している盆踊りが『佃島盆踊り』です。今年も7月13日~15日の三夜行われました。

 隅田川上流で起る大火や災害で流れて来た遺体を、この地で陸に揚げ弔い、その無縁仏の精霊をお盆に迎えて供養する、というのが『佃島盆踊り』の志です。例年は無縁仏の精霊棚が隅田川を背に設けられるだけですが、
0717kuyoudana_2今年はその左にもう一つの供養棚が設置されました。3月11日の東日本大震災。15573人(警察庁発表7/16現在)の方が犠牲になり、なお5076人(前出同)もの方の行方がわかっていません。 犠牲になられた方にとっては初盆にあたることから、御霊を供養する意味から特別に供養棚が設けられました。盆踊りが終わっても、二つの供養棚に手を合わせる人の列が長く続いていていたのが、印象的です。

 今月は、旧暦と新暦の日付が一致する珍しい月です。前回はと調べてみたら三年前、2008年8月が旧暦七月と日付がシンクロしていました。
0717tsunesanということで、日付がほぼ月齢と一致しています。『佃島盆踊り』は、十三夜、十四夜、十五夜です。 三日間共に快晴に恵まれたため、明るく大きな月に照らし出されての開催となりました。月のパワーを感じながらの盆踊りもまた格別。大人の踊りで、踊りの所作と下駄や草履の擦れる音、合の手がぴたっと揃ってくると、何か特別なエネルギーのようなものが生まれているように実感します。いろいろなことがあって、今年の盆踊りは心に染みるものとなりました。

過去の関連エントリーは
2005.7.14「佃島盆踊」
2006.7.12「佃島の夏景色」
2006.7.22「『遙かなる佃』 昭和の東京を見る」
2007.7.11「準備完了。もうすぐ佃島盆踊」
2007.7.22「佃島盆踊り と 初めての浴衣」
2008.7.01「今年も半分、もうすぐ盆踊り」
2009.7.13「お盆です。今日から佃島盆踊り」
2009.7.25「盛夏雑観」
2009.11.07「佃島盆踊りat国立劇場」
2010.7.08「夏本番間近!もうすぐ【佃島盆踊り】」
2010.7.18「【佃島盆踊り】ありがとうございます」

です。ぜひご覧下さい。


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