旧六月十八日。満月から二日過ぎました。
今日は二十四節気の【大暑】。「一年中で最も暑さが厳しい時期」とのことですが、関東地方ではなんだか涼しく凌ぎ易い陽気です。
梅雨明けの日、いきなりの猛暑に耐えかねてエアコンを買い、おととい取り付けたのですが、未だ一度もスイッチを入れていません。なんでも太平洋高気圧の勢力がこの時期としては弱いのだそうです。本来であれば、太平洋高気圧の西っぺりを迂回するように北上するはずの台風も、真っ直ぐ日本列島に向かってやってきそうです。地球温暖化、異常気象が叫ばれる中、ちょっとした気候の異変にも敏感になってしましますね。
都心にいると蝉の声を聞く機会が少ないのですが、ひと夏の蝉の登場にはストーリーがあると思いませんか。
タイミングは関東地方限定かもしれませんが、まず梅雨明けの頃には「ニイニイゼミ」が鳴き始めます。「チィ~~~」という甲高い鳴き声。夏が来るぞ、という期待感を抱かせてくれます。
そして本格的な暑い夏。「ジリジリジリジリ~~」と暑さと不快指数を増長する「アブラゼミ」が登場し、その勢いに押されるように、ニイニイゼミはいつのまにかいなくなってしまいます。
夕暮れ時と日の出前の薄暗い時間には「カナカナカナカナ~」と「ひぐらし」の清涼感ある鳴き声が心地よいですね。茜いろの空、里山で輪唱のようにこだまするイメージ。香取線香の香りとセットの風物詩というのは、私の勝手な思い入れです。でも最近ひぐらしが少なくなったような気がするのは気のせいでしょうか。寂しいですね。
7月の終わり頃、最も暑くなる頃登場するのが「ミンミンゼミ」。「ミ~ンミンミン」という鳴き声は夏の風物詩の決定版ですね。
やがて立秋、月遅れのお盆が過ぎ、高校野球決勝戦も終わる頃になって登場するのが「オ~シ~ツクツク」と鳴く「ツクツクホウシ」。この声を聞くと夏もそろそろおしまい。子供の頃は放置していた宿題のプレッシャーが日増しに重くなってきたものでした。
夏の場面を演出する蝉の登場も、温暖化によって時期がどんどんずれていってしまうのでしょうか。昨年は10月半ば頃までアブラゼミの声を聞いていたような気がします。