"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

素朴で神秘的な大日堂舞楽にうっとり

2005年07月12日 14時10分07秒 | 芸能の催しごと

 先週の土曜日7月9日、東京の国立劇場へ秋田県鹿角市に伝わる「大日堂舞楽」という民俗芸能を観に行ってまいりました。bugaku
神秘的な雰囲気と躍動感に溢れ、凛とした中に母性のような懐の深い暖かさを感じることができました。
私はこうした民俗芸能、特に個人的には北の方に伝わっているものが大好きなんです。自分のルーツを予感させられるからなのでしょうか。

 この「大日堂舞楽」は、今から1300年前に都から伝わった、とてつもなく伝統のある古典舞楽です。詳しくは「大日堂舞楽ホームページ」で紹介されています。ぜひご覧ください。
1300年とは人間の時間感覚からするとすごい歴史です。その間親から子へ、子から孫へと口伝えで継承されてきたのでしょう。太鼓や笛、舞が繰り出すリズムは数学的な法則性や割り算ができない、独特のうねりがあります。日本人の体に本来染みついている“間”なんでしょうね。大切にして行きたいものです。

本来毎年1月2日に大日霊貴(おおひるめむち)神社で行われる養老礼祭で舞われているそうで、一度現地で荘厳な木造建築大日堂の中で観てみたいのですが、なかなか行くのもたいへんですね。そんなわけで、国立劇場で年に数回開催される【民俗芸能公演】はとても有り難いのです。最近私が観に行ったものは『早池峰神楽』『檜枝岐歌舞伎』『佐渡の芸能~神事芸能を巡る』。みな貴重で味わい深い民族芸能です。今回の公演も【民衆に伝わる舞楽~東北に受け継がれた都の舞】と題して観ることはできなかったのですが、他にも山形県の『林家舞楽』の公演がありました。機会があれば故郷や所縁のある土地の芸能に触れて郷愁を覚えるのはいかがでしょうか。
普段暮らしている土地の周りにも、民俗芸能はあるものです。もちろん東京にも。今日7月13日から15日は隣町・佃の盆踊り。300年以上の歴史を持つ念仏踊りです。風流や洗練とは無縁、鎮魂の唄・太鼓・踊り。見物に行って参ります。

国立劇場の公演情報は独立行政法人日本芸術文化振興会のホームページがオフィシャルです