とのさま不経済新聞 by 雲葉

「よるのとのさま」から改題(2013年2月1日)

ストリートビュー

2008年08月16日 | 新聞×読み
街見える プライバシー大丈夫? グーグルが画像新サービス(リンクはアサヒコム6日付、見出しは7日付紙面のもの)


  5日からサービス開始したグーグルの「ストリートビュー」を見てみた。今日の朝日新聞「声」欄に「のぞきの恐れ街路検索機能」という、横浜市港北区在住53歳女性の投書があったが、ほぼ同感だ。

  最も問題に思うのは撮影のカメラ位置が2メートル超と高いこと。これならよほど高い塀を設置している家でない限り容易に敷地内を写せる。掃除などで窓を開け払っていれば室内も丸見えということに。今までも航空写真の閲覧サービスはあったけど、一定以上のズームインはできないようになっている。

  グーグルは「公道から撮影した画像は基本的に公開が可能と判断した」としているが、それなら拙者が仕事中に方々の敷地内を撮影してここに載せることも可能なのか。風景写真とは違うということが分かってないようだ。

  さらには「通行人の顔は自動識別機能を使ってぼかし、車のナンバーは撮影時になるべく映り込まないようにしている」というのも疑わしい。承前の投書者の家でも同様らしいが、我が家の近所でも車のナンバーはハッキリ読み取れるものも少なくない。実家の斜向かいの家など、これで分からなければ眼科の診察を受けたほうがいいというほど。この件で投書者は「大うそ」と切り捨てているが、これでは反論できまい。

  写っている光線の具合や方角から撮影時間帯もほぼ特定できる。そこへ人通りがなければ空き巣狙いには有効な情報だろう。自転車やベビーカーを見れば、小さな子供がいる家かどうかなど、家族構成もほぼ予測可能だ。今までは現地でしか得られなかった情報がどこでも怪しまれることなく入手できることになる。(住宅地図は何人家族でも世帯主1名だけか姓のみの掲載)

  数日前に仕事で歩いた場所をドラッグしていたら、「この場所の写真はなくなりました」という旨のメッセージが表示された。「グーグルは、プライバシーを侵したり公序良俗に反したりする画像の削除を画面から依頼できるようにしており、通報者と相談しながら対応したいという。」というが、通報はサイトからしかできず、ネット環境がない人にはどうすればよいのか。

  なにより怖いのは「グーグルの者でデータ更新作業中だ」と称し、他人の敷地内を勝手に撮影していく輩が続々と現れるのではないかということ。そうなると住宅地図の調査にも影響が出よう。地図データを提供しているゼンリンはこの点を理解しているのだろうか。

  それともグーグルと共に、原爆の発明者と同列に扱われたいという想いでもあるのだろうか。このサービスを本当に喜ぶのは誰なのか。

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