とのさま不経済新聞 by 雲葉

「よるのとのさま」から改題(2013年2月1日)

好きだということは

2009年12月13日 | 新聞×読み
  このごろ以前所属していた旅サークルの機関誌を読み返しています。手前味噌のようですけど、もう10年は前のものにしては一向に古さを感じさせません。

  そんな中で拙者も寄稿し、JR四国完乗記なんてのを載せていただいてます。鉄道だけでなく、当時は方々にあったバス路線も乗り潰していました。今となっては追憶の彼方になった街や集落が脳裏に浮かび懐かしい限りです。

  そんな折、高知県内のあるバス路線を乗っていたら運転手氏と話しになり(ローカル路線ではよくあること)、その日の宿泊場所について尋ねられました。結論から言えば当時走っていた土讃線の夜行列車を深夜の阿波池田駅で降りて徳島線の始発を待つという行程でした。

  季節はまだ寒い3月。運転手氏には四国一寒いと言われる場所で過ごすことに驚かれ、「好きだということは恐ろしいもんじゃのう」と半ば呆れられるほどでした。

  そんな出来事を懐かしんでいたら、今日の朝日新聞「声」欄にこんな2通の投書が。

  1通はアニメおたくに憧れる女子中学生。
  曰くアニオタについて『私は自分が夢中になれるものがあって素晴らしいじゃないかと思います。幼いころ、テレビに映るヒーローやヒロインにあこがれてまねをしたり、マンガの発売日に本屋さんに走って買いに行ったりしたことはありませんか。毎日がキラキラ輝いていたはずです。それを忘れたかのように、仕事や勉強に追われていれば、夢中になれる何かがすこしずつ減っているような気がします。アニオタは、大人になっても幼いころからあこがれていたものを追いかけ続け、夢を見続けています。私は、とてもうらやましくも思います。アニオタを嫌う人たちは、そういう夢を忘れてしまったのでしょうか。

  つまるところ夢を追いかけ夢中になり、イベント会場のエスカレータに大挙して押しかけ破壊するのもまた一興なのかと。どのような趣味者にしても良い一面しか見ずにいるなら、それもまた偏見というものでしょうか。

  もう1通は長野県在住の40代の主婦で、男性アイドルグループに入れ込み、日々の生活は倹約に努めながらも、コンサートやらグッズやらには惜しみなくお金を注ぎ込んでいるというもの。

  これ自体は笑って済ますのですけど、この2通が同じ日に掲載されたことで、編集部になにか意図があるのかと勘繰らずにはいられませんでした。

  そういえば近ごろ、ライフワークの“全国鉄線制覇”も滞ってますな。お給金が入ったらまた一歩を踏み出してみたいところです。好きなことに対してかける執念、強くありたいと同時に節度も保ちたいものです。