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とのさま不経済新聞 by 雲葉

「よるのとのさま」から改題(2013年2月1日)

信濃の國へ ~ミステリーホテル

2012年10月01日 | とのさまの漫遊
  颱風も過ぎてスッキリ晴れました。そして今日から例年通りの遅い夏休みとします。

  武蔵小杉11時ちょうど発の湘南埼玉ラインで出発。途中の通路にあった「よ ん れ つ」のポスターが貼りかえられてました。別に拙者がネタにしたからというわけではなかろう。(当たり前だ!)

  グリーン車も階下席はガラガラ

  高崎まで2時間あるのでここはグリーン車を驕る。といっても東急ストアのポイントがかなりあり、電子マネーに換えてそれで券を買った。どうせすいてるだろうと最初から階下席に向かえば案の定。埼京線内が混雑の影響で遅れが出ており、山手貨物線内はこちらも渋滞でノロノロ。気を揉んだものの赤羽を過ぎれば順調に走り出す。

  昨年に続き湘南色115系の登場

  高崎からは懐かしの湘南色115系で。北高崎で下校の高校生が乗ってくるけどさほどの混雑でもない。それも駅ごとに降りてゆき、ガラガラの状態で横川に着いた。改札で武蔵小杉までの定期券と、そこから品川までの160円券、さらにそこ(山手線内)から横川までの2210円の乗車券を提示して下車する(乗車券は回収)。せこいようだが安くできるならそうしたい。

  横川と言えば「釜めし」。そういえば今日から千円になったんだっけ。もとより食べる気はないのだが。ファンの方には申し訳ないけど話の種に一度食べればもういいという感じだった。横川郵便局(無関心)は移転して建替えられたよう。そういえばここへ来るのは十数年ぶりか。

  峠越えのバス

  もうひとつ、今日が長野新幹線開業15周年ということに気がついた。となればこれから乗るバスも15周年ということになるが、特にそういうことは宣伝していない。裏を返せば鉄道廃止15年でもあり、地元や関係者にすれば今も複雑な気持ちではないかな。なんでも東京中心という考え方が果たして良いものなのか、今も疑問に感じる。

  そのバスには15年にして初めて乗る。左手最前部が空いており、そこに腰を落ち着ける。もっともここだけが1人掛けで、他は2人掛けなのだから、普通なら観光客でも広いところに座るだろう。ずっと車外で電話をしている年配の御仁に運転手が気を揉んで声をかける。どうにか定刻前に通話を終えて車内に戻りやれやれ。

  走り出せば順調なドライブだ。カーブの連続なれど運転手は慣れたもの。すいすいと坂を上っていく。そして車窓も意外と退屈しない。店を閉じて廃墟と化したガソリンスタンドやドライブインもあるけど、所々見える麓の風景がパノラマのように広がる。鉄道も味があったけど、車窓という点ではトンネルがない道路に軍配が上がるのではなかろうか。

  当方も「国鉄全線完乗」を目指しているけど、それにはバスも含まれる。そう言いながら滞ってもおり、小諸や上田などに未乗路線も多い。癪なのは乗った路線ばかりが廃止になったことか。残っていればいるで乗りに行く楽しみもある。でもこれではまるで拙者が「歩く消しゴム」みたいではないか。

  峠を越えると小洒落た風景に様変わりする。新幹線やしなの鉄道の下をくぐり、軽井沢には定刻より2分早く着いた(行程表は実際のもの)。

  まずは軽井沢駅前局を不退転の決意で正面突破する。意外や未訪だった。そして駅へ戻ると、「おぎのや」の売店に全く期待していなかった「玄米弁当」が1個だけ残っており、あれうれしやと買い占めた。こちらは変わらず500円のまま。頃やよしと列車も入線したところのようで、発車までの間に車内でもそもそ。当たり前だがこちらも十数年ぶりに手にした。

  玄米弁当の掛け紙  軽井沢駅構内のEF63

  軽井沢を出て2つめの信濃追分で下車します。ここにある「あたらさん編集室」は、かつて暮らしの手帖社から別冊として出ていた雑誌で、拙者の高校の先輩が編集に関わっていた。今は休刊となり、看板から「(株)暮らしの手帖社」の表示も塗り消されています。

    信濃追分駅構内にある「あたらさん編集室」

  編集室へ足を運んでみると、金~月曜の10時から16時まで在室という旨の掲示があるが残念ながら外出中の札が下がっている。やむなく駅前の軽井沢追分局に行っただけ、次の電車で小諸へ転進と相成った。

  そこへ来たのが湘南色の169系 さっきすれ違ったのでもしやと思ったら案の定でした(冒頭写真)。車内はボックスシートではなく0系新幹線から転用した簡易リクライニング座席が向かい合わせで配置されてる。短い時間で降りねばならぬのが惜しい。帰ってから調べると運行予定は公開されてるんですね。

  169系車内  サボ

  思わぬ湘南色の乗り継ぎで満悦し、小諸で降りたなら懐古園へも行ってみます。1時間足らずしかないけど。

  動物園へ向かうと、まずは檻に入ったワンちゃんがお出迎え。キミも展示物なのかな?

  わりと懐っこい動物が多く、こちらへ寄ってきます。そこへクルマに乗った若い女性が現れ、作業服姿なので飼育員さんかなと思い「懐っこいですね」と話しかけます。「けっこうみんな馴れてますよ」とのこと。そこへ男性職員が現れ「先生」と呼んでいたので、どうやら獣医さんなのか。

  懐古園水の手展望台から望んだ千曲川

  ひと回り散策を楽しみ、17時になったので宿へ向かう前に街へと足を向けます。ところが歩けど歩けど店がない。寿司屋や喫茶じゃどうしようもないし、あとはスナックばかり。しもた屋と思しき区画もある。駅前にはいかにも観光客向けのような店があるけど、「新幹線が来ない街」というのをまざまざと見せつけられた思いだ。早々に今宵の宿がある佐久平へと列車に乗り込みました。

  ゾロ目

  これも意外や初めての小海線で、車輌は写真のように珍しいゾロ目。しかしこちらは混んでいたので隣の車輌に乗ります。このゾロ目に関わる数奇な運命に、この時は知る由もなかった。

  2両編成の列車は下校や勤め帰りの人たちで賑わう。乙女(駅)は「」にアクセントがあるのは初耳だった。佐久平駅の小海線側は無人駅で車掌が集札にあたる。小諸から塩尻までの乗車券を呈示し、途中下車である旨を申告した。

  今日の宿は駅近くの「佐久平プラザ21」を。ネットで探したところ、通常6400円からのところが5500円と割安なれど部屋タイプはチェックイン時のお楽しみという、まるで飲料自販機のミステリーゾーンのごとき。果たして部屋はというと、シングルバスなしという標準的なものだった。

  佐久平のコインランドリー「しゃぼん

  荷物を置いたら着替えてまずは近くのコインランドリーへ。これもネットで探した。店の入口には朝6時から23時まで営業とあり、かなり便利。近隣の主婦らしき女性が子供用の靴を洗いに訪れる。靴洗い用の洗濯機もあるのだ。軽く乾燥機もかけて、さて夕食だ。

  佐久平駅周辺はチェーン店ばかりなので岩村田の旧市街へと向かってみる。「一柳」という店に傾きかけたがここはどちらかというと定食屋のよう。ちなみに読みは“いちりゅう”らしい。岩村田駅近くまで来てちょっと賑やかな一角があったので入ってみる。

  岩村田駅近くの「百万両」

  店の前にクルマが何台かいたものの、これは隣のラーメン店の客のよう。暖簾をくぐると先客はご常連さんらしき男女3名だけ。まずは生ビールを。銘柄はサッポロ黒ラベル。メニューはそう多くなく、串焼き6種類と一品料理が7~8というところ。ボードに本日のおススメもあるけどすでに消されたものも。串焼きが美味しく、冷や奴が珍しく木綿豆腐だった。一杯呑み屋の風情なので、ここは軽く飲み食いして転進する。

  ところが駅周辺を歩いても店がなかなかない。これまた残念ながら臨時休業の貼り紙を出した店も。そのため百万両までの道すがらに見かけていた「とりやたまや」という、ちょっと洒落た店に入ってみます。

  お通しは蒸し鶏ときのこの和え物。ビールを頼むと、料理とのオトクなセットもあるという。何種類かあり、おススメを聞いてそれに従う。あとは串焼きの3本セット(野菜焼きのおまけつき)を。店内はスタッフも客層も若い人ばかり。

  さて出てきた料理はというと、なかなかうまい。でもお通しを含めてどれも塩と黒胡椒の味しかしないのはいかがなものか。野菜焼きとは小さながんもどき(2個)だったけど、これも塩味だ。佐久平のヤングはこういう味付けが好みなのだろうか。あるいはたまたまそういう料理ばかり頼んでしまったのかもしれないけれど、だんだんと計(はか)がいかなくなる。口直ししたいけど急に満腹感が襲ってきた。今日は夜勤明けでもあり、体がそろそろ休ませてくれと言っているのかもしれない。追加は頼まず安い勘定で後にした。

【行程】
[武蔵小杉] 11:00(湘南埼玉ライン~高崎線3610E サロE230-1053 4号車15D =15両、籠原から10両)13:01 [高崎] 13:12(信越本線137M クモハ115-1033 =4両)13:45 [横川] 14:00(JRバス関東碓氷線 M583-98401 500円)14:32 [軽井沢] 15:08(しなの鉄道2605M クモハ115-1018 =3両 230円)15:17 [信濃追分] 15:50(しなの鉄道771M クモハ169-6 330円 =3両)16:05 [小諸] 18:02(小海線238D キハ112-111 =2両)18:17 [佐久平]

おいしいビールが飲みたくて

2012年05月23日 | とのさまの漫遊
  チェックイン時に申し込んでおいた朝食を食べに5階のレストランへ。セルフサービスでパンとサラダに飲みものといった簡素なものだけどまずまず。これでひとり200円の追加なら安いのではないかな。

  のんびりとチェックアウトして駿府城公園へ。その道すがら静岡鷹匠局を制圧します。昨日とうって変わって天気は上々、公園に入るとニャンコがお出迎え。

  

  庭園や巽櫓を見学。そこでは中学生が職場体験学習らしく、出迎えやチケットの受け渡しなどを学んでるようでした。

  県庁の21階展望台へも登ってみます。残念ながら富士山は望めず。今月になって20階に新たにレストラン「ふじのくにTERRACE」が開業したようなれど、役所の食堂にしては価格は観光地並み。もっともここは観光客向けか。そのくせ土日祝日休みというところだけ役所っぽい

  昼近くなって静岡駅へ向かいます。途中に“秘密のきっぷ売り場”があり、浜松までの乗車券を秘密価格で購入できました。ちなみに2軒あり、価格はどちらも同じでした。

  駅前の案内地図を見ると静岡駅南口局ができているよう。局番号からして近くにあった静岡稲川局が移転改称したものらしい。

  普通列車で浜松へ。運用の都合か、この時間で6両もつないでいるためすいている。VVVF車なれど211系と混結のため、カム軸進段や直並列制御切り替え時のショックが伝わってきてマニヤ的には面白い。そういえばいつの間にか電車の出発合図がブザー式になっているんですな。最新式の電車なのにブザー音といい各種計器類やドアロック解除の鍵といい、所々アナログが残っているのに妙な安堵感を覚えます。

  歴史ある東海道線では新駅の部類に入る西焼津や六合、愛野、豊田町といった駅周辺にも住宅が増えたものの商店はあまり見当たらない。みなどこで買い物しているのだろうと他人事ながらキニナル。

  浜松に着いたらまずはお昼を物色。アーケードの砂山銀座商店街 ―別名「サザンクロス」とは大きく出たものだ― は一斉定休日のようで残念なり。ただ昔よく三菱サイダーを買っていた「高橋食品」は休業中らしい。

  嫁はんの希望もあり、せっかくなので“うなちゃん”でもと思うものの、このご時世ではほぼ飲み代に相当してしまう。静岡の料理屋でも、店先に相場の変動が激しいため時価とする旨、そして本日の価格が掲示されていたくらいだ。

  遠鉄百貨店に入ると地下の食品売り場に弁当があり、国産うなぎ使用品が1260円とまぁ手が届かない値段ではない。レジの横に電子レンジがあり、同じフロアに食事もできる休憩コーナーもあったのでそれをいただいた。うなぎは小ぶりなれど、ふっくらしていてさすが。

  食後は友への通信文を出しに風景印を求め浜松局へ。本来は無関心なのだが「ゆうちょ銀行浜松店」に変わっているはずであり、ゴム印1をも求める。

  次いで北上して浜松連尺局をも制覇し浜松城へ。実はこの地へは13年前、まだ結婚前に当時京都に住んでいた嫁はんと来ているのだが城は記憶から抜けている。嫁はんは覚えているのだが。そして城の真ん前に来てようやく想い出した。

  結局入城はせず、その後は市街をてくてく。アクト通りなんてのができて遊歩道やら公園やら、ずいぶんと変わりましたなぁ。アクトシティ屋上の公園にはショパンの像が。

  

  そしてこの旅のメインイベント、浜松のもうひとつの“お城”、マインシュロスの門をくぐります(冒頭写真)。

  ここも13年前に今の嫁はんと利用しました。今年の3月にメニューが変わったらしいけど当時に何を食べたかなんてもはや覚えてません。それに店の規模にしては品数が少ないかな。簡略化したのでしょうか。実は明日(24日)の夜は貸切が入ってるらしく、1日違えば悔しい思いをするところでした。今年で開業15周年とのことですが、当時から結婚式の二次会に用いられるなど変わらぬ人気店のようです。

  定評あるビールはさすが。料理も単価は高めなれど味が良かったり量がそこそこあったり。小食な人ならピクルスでお腹いっぱいになれそう。浜名湖産というアサリのワイン蒸し(780円)も身が太い。都内で同じものを食べたら千円はするのではないかな。そのため独り向けではない感じもあるけれど、中には単独来店という御仁もおりますな。好きなもの1~2品だけ愉しむというのもまた趣か。

  料理

  会計時には13年前に作ったポイントカードを13年ぶりに出してみます。なんと使えました ポイントは無期限らしい。でも次回は13年より短い期間で訪れたいものです。売店にも立ち寄ってオリジナルのジョッキを求めました。ポイントカードを呈示すると割引が受けられます。

  マインシュロスでした。なんかもう、夢のようなひとときでしたね。長い時の空白を埋めてくれるような美味しいお酒と料理を存分に堪能しました。でもね、まだもう少し夢を見ていたいと思いますので、もう1軒くらい寄ってから帰ろうと思います。では (今回もに仕掛けが?)


  店を出て線路を越えて南口方面へ。すると店どころか住宅街で辺りは真っ暗。人影も車も見かけない。政令指定都市の新幹線停車駅から徒歩5分でこの光景というのは貴重ではないかと思ったけれど新横浜の方が上か

  帰りは最終の東京行き「こだま号」で。13年前は0系でしたが今は700系です。ぷらっとこだまの格安プランなれどグリーン車を奮発します。売店でビールを引き換えようと思うも遺憾ながらヱビスはなし。置いている気配すらなくプレミアムモルツにします。ところが後に車内の電光掲示では新幹線での旅のお供にヱビスビールなんて広告を流しているではないか。置いてなきゃ話にならぬとサッポロビールに苦言を呈しておく。

  

  さて車内に入ると先客ゼロ。天下の東海道新幹線で“貸切”というのも滅多にできない体験ではないかな。


【行程】
[静岡] 12:03(東海道線761M クモハ313-2515 = 6両)13:15 [浜松] 21:20(東海道新幹線「こだま684号」9号車11番AB 719-19 = 16両)22:58 [新横浜]

シリーズ逆行の旅 ~第25回 岳南鉄道

2012年05月22日 | とのさまの漫遊
  あまり幸先のよい旅立ちとは言い難かった。朝っぱらに南武線で人身事故、ダイヤは回復して中原1125時の川崎行きに乗り込むと、川崎駅の手前で停車する。京浜東北線が川崎‐鶴見間で異音を感知したとかで止まり、そのあおりでこちらも折返しに支障が出ているらしい。東海道線にも遅れが出ているとのこと。

  川崎駅に着くと1番線に停まってるのは所定1130時の小田原行き789Mだそう。しかし動き出せば続行運転で、所定1140時の791Mは約10分延、そして当方が乗る部分快速「アクティー」はその3分後に来た。(行程表は実際の時刻)

  改めまして、当方も結婚そして川崎生活10年となり、その記念として嫁はんと1泊旅行と洒落こみました。行き先は静岡&浜松です。たいていすいているので狙っていた14号車のボックス席を確保でき、どうにか落ち着きます。

  先行の791Mを大船で追越し(所定は平塚)、飛ばしに飛ばして国府津では回復どころか1分早着に。相変わらず旧型の113系でダイヤを引いているためで、良いのか悪いのか。

  熱海で乗り換えて沼津で降ります。ここから目指すは岳南鉄道の終点、岳南江尾です。

  富士駅行きのバス

  じつはこれに乗るのはちょっとしたドキドキもので、運行する富士急静岡バスのサイトを見ても時刻表に掲載されているのは主要停留所のみで運賃表はない。

  南口から発車したバスは線路をくぐって北上します。国道1号に差し掛かった江原公園交差点を左折、すぐの西熊道交差点を右折して生活道路のような道に入り込みます。バスは車体も小ぶりながら道幅が狭いため行き違いに苦労することも。時にはどちらかが待って対向車をやり過ごします。

  沿道風景は平凡な片田舎の住宅地ながら、学生向けのアパートや寮も少なくありません。そしてやたらにコンビニが目立つ。多くは米屋や酒屋がフランチャイズ化したのだろうが少し進めば大手チェーンの看板がある感じ。逆にスーパーはあまり見かけません。

  新幹線の下をくぐって、最寄りは江尾だけれど、もう少し乗って増川で降ります。江尾までなら670円、増川は730円でした。PASMOが使えるようなので2人分をSuicaで支払いバスチケットを得ました。こういう時でないと使えませんね。

  ここで雨が降り出し、傘を差して富士神谷簡易局を不退転の決意で正面突破します。雨は強まることなく、途中道路だか工場(私有地)だか分からない場所を歩いて江尾駅へ。ホームに電車は停まっていて車内灯も点いてますが(冒頭写真左)乗る電車はそれではなさそう。

  岳南江尾駅(外から)
  同(ホーム側から)
  幕回しの合間に

  車輌は元京王井の頭線3000系。ここでは7000系を名乗ってます。この路線も今春で貨物営業がなくなり、はたして旅客のみで生き残れるのかどうか。後部の小田原機器製運賃箱前に陣取ります。これもずいぶんと旧式で、新500円玉の両替には対応してない。若い背広姿氏がその新500円玉を両替しようとするも戻ってきてしまい諦めた様子だった。

  乗客はそう多くなくのんびりした道中で、20分ほどで吉原へ。乗換え口で運賃を支払い、東海道線の乗車券を求めに窓口へ行くと硬券を売っている。今回は通しで買うより区間ごとに買ったほうが安上がりのようなので、その都度買っているのです。

  入場券も一緒に求めて草薙まで乗ります。

  7000系のスピーカーには京王帝都の名残が  吉原→草薙の乗車券(使用済み)

  ホテルは静岡市街なのですがわざわざ草薙で降りたのは、ホテルが新静岡駅前なのと、久しぶりに静鉄に乗りたかったから。チェックイン予定時刻を18時にしていたので、駅周辺を散策して17時の防災無線を聞いたところでちょっと目をつけていた店の暖簾をくぐります。

  草薙駅近くの「たくちゃん」

  国鉄と静鉄の間にある「たくちゃん」は魚介がメインの店。最初から長居する気はなく申し訳ないけれど、開店直後から続々とお客が来て、グループの予約もあるようで早々に断りを入れている。店自体も広くないけれどそんな人気店なのか。

  お通しは黒はんぺんも入ったおでん風の煮物。その黒はんぺんは刺身も焼きもあり、焼きだと少し高い。せっかくなので刺身でいただこう。それと串焼き何本かとしめ鯖を。軽く口に入れて40分弱で退出しました。

  いや~、のっけからいいお店でしたね~。それではこれから市街へと入っていきますので、ぜひとも2~3軒は探したいと思います。では (に仕掛けが?)

  静岡鉄道の電車

  今宵の宿はホテルシティオ静岡です。トラベル経由でツインルーム8000円だった。部屋もベッドも広めで居心地はいい。そして荷物を置いたら“夜遊び”に出ます。まずは話の種にと静岡おでん街がある青葉横丁へと。簡単な地図をプリントアウトしてきたのでそれを頼りに。

  ところが行ってみると異様な雰囲気だ。店の構えはどこも同じようでカウンターだけという店内の造りも同じ。ところが満員かそれに近い店と、お客が誰もいない(比喩ではなく本当にゼロ)店のどちらか。人によってはこれ幸いと“貸切”を楽しむだろうけど、他店の賑わいを耳にしながら二人でもそもそと食べるのもなんか居心地悪そう。よってここは見送った。後に再び通ってみたのだがその対称ぶりは変わっていなかった。今日がたまたまと思わずにいられない。

  そしてこれという店が見つからないまま30分近くも歩いただろうか。妙に賑やかな店を見つけ、いったんは通り過ぎようとしたものの外から見えた厨房で作ってる料理がおいしそうなので振り返って暖簾をくぐります。

  2軒目の「多可能(たかの)」

  店に入ってまず目に飛び込んだのは某高知県観光特使のポスター。ここも来てたのかと帰ってから調べると2004年5月3日に登場していた由。8年前じゃ見てなかったわな(くどいようですけど下調べは全くせずに来ています)

  カウンターに通され、やはりまずビールはと品書きを見ると、あれうれしやキリンハートランドの生があるではないか。そして嫁はんたっての希望で桜えびのかき揚げを。店頭にそれの札がひとつぽつんとぶら下がっていたのも気になったのだが。

  生いわしを頼むとしこいわしのこと。「ながらみ」という聞き覚えのないものがあるので尋ねると、小さな巻貝の一種で、カウンターの大皿に乗っているのを見せてくれた。

  ながらみ

  塩茹でしただけというがなかなかいける。串焼きもあるけれど単価が高めだなと思っていたら、隣の席のが目に入って納得した。バーベキュー並みとまではいかないけれどひと串が大きいのだ。後で嫁はんが話していたのだが伝票に新聞チラシの裏を使っていたらしい。そういう細かい経営努力で良心的な価格を保っているなら嬉しくなる。

  飲み食いしている間にもひっきりなしにお客が訪れるものの残席はカウンターに1のみ。小一時間ほど経ち適当に料理を片付けたところでまた2人組が来店し、女将が断ろうとするのを制して退出した。

  ちまちまと飲み食いしているだけなので余力はある。まだ桜えびの刺身を食していないため3軒目を探しました。

  3軒目「ほうとく」

  暖簾をくぐると先客は2人だけ。それも組ではなく別々のよう。カウンターと小上がりがあって若い店主が独りで切り盛りしている。

  お通しはないシステムで、お目当ての桜えびにモツカレー、それと新たまねぎのフライを。カウンターにネタケースはあるものの中はからっぽ。耳に入ったご常連の話から、どうやら別の人の店をなんらかの事情により居抜きで引き継いだらしい。料理も決して悪くなく値段も良心的で、こういう店が新丸子や鶴見あたりにあったら大賑わいだろう。なんかいろいろと損をしているのではないか、そんな感想を抱かせる店だった。あるいはここも今日がたまたま静かなだけなのか。

  ホテルへ戻って軽く飲み直し、静岡篇は明日も続きます。


【行程】
[川崎] 11:53(東海道線3757M サハE233-3004 =15両)13:07 [熱海] 13:12(同1439M クモハ211-5033 =3両)13:31 [沼津] 14:00(富士急静岡バス 730円)14:50 [増川]~[岳南江尾] 15:19(岳南鉄道 7003 = 1両 350円)15:40 [吉原] 16:01(東海道線455M クモハ313-2510 = 5両 570円)16:35 [草薙] 17:45(静岡鉄道静岡清水線 1004 = 2両 190円)17:58 [新静岡]

  ※武蔵中原→沼津 1890円

今回のおみやげ

2011年10月26日 | とのさまの漫遊
  今日(26日)付の信濃毎日新聞記事にもありましたけど、塩尻のワイン作りも佳境ということです。

  今回のお土産はって酒ばっか

  左から長野県塩尻市洗馬の美寿々酒造製「美寿々」、その隣がおなじみ新潟県新発田市の「菊水」、一番右へ行って新潟県加茂市の雪椿酒造製「越乃雪椿」、いずれも純米吟醸ひやおろしという豪華ラインアップです さすがどれもうまいですなぁ。

  そういえば新潟へ行ったのに「栃尾揚げ」を食べませんでした。居酒屋のメニューにはあったんですけど、一人だとそれでお腹いっぱいになりそうだったので頼まなかったのです。なので勤め先のスーパーで買ってきて嫁はんと一杯。全く同じものが長岡のスーパーでは40~50円安く、送料と考えれば妥当か。でも昨日は広告の品で油揚げ・豆腐類2割引だったので、現地並みの値段で買えたわけ。

  さて右から2番目は、塩尻は五一わいんの新酒です。ちょうど頃やよしと出たばかりでした。

  何種類かある中から「セイベル9110」(白)を。試飲させてもらったところ、ナイアガラは毎度おなじみの、いわゆる“デイリーワイン”に対し、セイベルは酸味のパンチが強く、ちびちび楽しむのにいいかも。アテは料理よりも“乾きもの”と合いそう。

  今回は「佃煮3点セット」はなく、買ったのは「さなぎ」だけ。イナゴも高価になり、ハチノコは売ってさえいませんでした。もはや本当にキャビアやトリュフを追い抜く日が来るか?

  塩尻駅にて

奈良井へ

2011年10月19日 | とのさまの漫遊
  今日は嫁はんと塩尻市地域振興バスに乗って奈良井へ行きます。塩尻駅へ行くと、昨晩は気づかなかったのですが東口の左手に塩尻市観光センターなるものができています。今年5月開業だとか。帰りに覗いてみると、ワインやお菓子など土産物の売店や喫茶などが入っている。「コアしおじり」が閉館して不便に感じていたのでこれはありがたい。ちなみにコアしおじり跡は周辺の元パチンコ店などとともに再開発ビル(仮称)を建設中。外観からしてマンションにでもなるのかな?

  観光センターの外観

  1000時の奈良井方面権兵衛橋行きは松電バス(アルピコ)ではなく大新東の受託(冒頭写真)。なんか聞き覚えのある会社と思ったら、京急金沢文庫駅と金沢区内のある大規模マンションとを結ぶバスを運行している会社だ。ずいぶんあちこちで事業展開しているものだ。楢川村営時代から受け継がれ、塩尻駅まで乗り入れるようになったらしい。

  じつは塩尻在住のツイッターで相互フォローしている人物から、あまりいい評判を聞いていないのです。ところが乗ってみると、この運転手氏に関しては動作もキビキビしているし丁寧だ。

  さて、バスは10人程度の乗客を乗せ、市の中心部をぐるりと回って国道19号へ出る。その途中にあった、武蔵中原にもあるカレーチェーンに「山賊焼カレー」なる幟を見て目を丸くした。塩尻市を山賊焼発祥の地として大々的に売り込んでいるようだけど、ここまでしているとは驚いた。

  バスは随所で国道を離れて集落に立ち寄りながら進む。洗馬や日出塩駅前を通るけどバス停はない。路線ごとに住み分けるためか。40分ほど走って贄川公民館で下車。運賃はなんと均一100円なり。少し戻って贄川局へ革命的に突撃すると、一つ手前の贄川関所で降りた老夫婦もやってきて一緒に局へ入る。どうやらご同好の士らしい。ところが拙者の横開き型通帳(まだ使ってる)を見て目を丸くしたのだから、隠居後に新たに始めた趣味だろうか。

  ちなみに氏は「利息不要(と言っていた気がする)とすることで通帳の印字を1行おきにしてゴム印の押印スペースを確保している」らしい。 ←この点で詳しい方、ご教授をお願いいたします

  贄川関所  贄川駅

  贄川は関所以外にこれというものもなく。駅へ行くとさっきの老夫婦がまごついていた。無人駅で乗車駅証明書発行機の類いもなく、どうすればいいのかと。電車の車内に整理券発行機があるので、それから取れば良いと教える。1103時の中津川行き1826Mでひと駅、木曽平沢で降りる。老夫婦はそのまま奈良井へ直行した。

  平沢といえば漆器なのだが平日に来る観光客なんぞいやしない。店も休みなのか廃業したのかさっぱり。平沢局へ攻め込んで経験値(略)し、川沿いの道にある「詰所前」バス停から1151時発の振興バスで奈良井へ向かう。バスは楢川診療所へ寄り、またまた国道から分かれて奈良井駅に入ったと思ったらUターンしてまた国道へ戻る。そして街外れの権兵衛橋が終点だ。目の前にSL(C12)が飾られている。
  
  権兵衛橋のC12

  奈良井は国有放送のドラマのロケ地として用いられたそうで、今も観光バスでやってくる団体客が多い。それを横目にする地元の人は「どうせ一過性だからさ」とあっさり。奥まった場所にある奈良井局を不退転の決意で正面突破し、ここではハガキに風景印も所望する。ちなみに奈良井は“な”にアクセントを置くのが地元流の呼び方というのは嫁はんの談。例外は奈良井川くらいだそう。

  古い町並みをぶらぶら歩き、水曜なので定休日という店も少なくない。ところでさっきから何か飛び交っている。よく見るとスズメバチで、まだ気性が大人しいからいいものの危険ではある。

  線路脇の道を進むと、何か所か“秘密の踏切”がある。警報機も遮断機もない小さな通路で、あくまで地元民向け。観光客は絶対に渡らないようにとの立て看板があります。電車の時間くらい時刻表を見れば分かるよ、などと思うべからず。ここは貨物列車も頻繁に走る。それらも熟知している地元民だからこそ利用できるのだ。

  奈良井地区内で見た看板、雪をその辺に積み上げる人もいるんですな

  デザート代わりに五平餅も食べ、1400時の振興バスで塩尻駅へ戻る。旧線のトンネルを眺めたりしながら1時間強の道のり。電車の3倍近い時間とはいえ運賃は4分の1というのは魅力的です。車窓も意外と退屈しません。帰りの運転手は塩尻市街近くまで放送を流しませんでした。途中で降りる人はいないのでしょうかね。やはりというかほとんどが塩尻駅まで乗り通す人でした。

  奈良井駅、手前に振興バスのバス停が見える


【今日の昼食】 
食事処 松波(塩尻市奈良井397-1)
 ☆イワナの甘露煮定食 900円
   嫁はんの好物であり拙者も同じものを。蕎麦屋と喫茶しかない中で唯一と言っていい定食屋さんです。店内に「祝開店」なんて文字も見え、なんと先月開店したばかりのよう(御宿伊勢屋のサイト)。店内は小ぢんまりでメニューもそう多くないけれどビール(キリンラガー中瓶)もあるので1本(500円)、それとモツ煮(400円)を1人前いただく。ウマー(*´∀`)。今日も思わぬ店に巡り会えました。店内を一瞥して「蕎麦屋じゃないんだ」と言って引き返していく人もいたけど、逆にこちらは蕎麦屋にしなくて良かった。このえにっき用に領収証を所望すると、店名や所在地のハンコがまだなのか作ってないのかすべて手書き。もらう人もそうはいないのかな。

さよならを手に

2011年10月18日 | とのさまの漫遊
  目覚まし時計より早く目が覚めた。ホテルご自慢という朝食はさすが。おかずも豊富だけれど、なによりお米がおいしい。今回は泊まっただけの町だけど次はのんびり来たい。

  十日町駅

  小雨降る中を駅まで。歩道の大部分に屋根があるため傘は使わずに済むのはありがたい。十日町駅にはなぜか売店がなかった。ほくほく線側にはあるのだが開店前とのことで残念。戸狩野沢温泉行きは跨線橋を渡って2番線から出発する。ボタンを押してドアを開け、車内に入ると暖房効き過ぎで暑い。たまらず上着を脱ぐ。列車は単行だけど乗客は拙者を入れて3人。長岡発の1122Dから何人か乗り換えてきたよう。

  千曲川(飯山線車内から)

  飯山線は初めて。公社時刻表10月号では7月の豪雨で運休区間があるとの註釈があったけれど今は開通してます。沿線は大雪に豪雨だけでなく、近ごろは地震という第3の勢力にも悩まされ、車窓にも所どころ工事の光景が。並行する道路も地割れが目立つ箇所があり、遠目には割れ目にガムテープをツギハギしているようにも見えます。どういう補修なんだろう。

  長野県に入った戸狩野沢温泉で長野行きに乗り換え。飯山では頭上に建設中の北陸新幹線の高架が威容を放つ。徐々に乗客が増えて豊野で信越本線と合流。行き違う189系は水垢汚れなど傷みが目立つ。新幹線開業でお役御免だろうとはいえ、もう少し綺麗にしてやってもいいのではないか。

  長野では豊野方の4番線から、同じホーム篠ノ井方の3番線へと乗り換え。待ち合わせの間に「しなの」が何本か発着するけど8両やら12両やらの長編成だ。修学旅行でも乗せたのだろうか。やはり編成が長いと“特別急行”という感じがする。

  しなの鉄道115系

  しなの鉄道の車輌でひとまず篠ノ井へ進み、コインロッカーへ大荷物を押し込み身軽になる。今回の旅では膨大と予想される需要に対処すべく予め銀行で百円貨1本(5千円相当)を両替してある。駅西口を出てまずは五明簡易局を攻める。南下して跨線橋を渡る手前に、この辺は宮前地区と云うらしく「宮前区の生い立ち」なる看板を目にした。なんだか親近感のある地名であります。

  篠ノ井の宮前区

  御幣川(おんべがわ)簡易局をも突破していったん駅へ戻り、長野へ引き返す。今回の乗車券は弥彦から飯山線、篠ノ井線経由で南武線鹿島田までの片道券のため、長野までは経路の逆行となるので別途購入する。

  長野駅では目的のバスまで9分の連絡なので早足で。ところが東口に来てもバス乗り場の案内がない。スキー場方面などはあるのだが一般路線のが見当たらないのだ。地元民が知っていればいいのだろうが不親切ではある。通りかかった運転手さんに教えていただいた。

  須坂行きバスは中乗りではなく後乗り式。中型車なれど座席がほぼ埋まるほど乗っている。最後部に陣取りまったり。

  エムウエーブ(バス車内から)

  乗客は減っていく一方で、千曲川を渡ったのは拙者を含めて2人だけ。その先左手に長電の2500系(元東急5000系)が見えた。帰ってから調べると「トレインギャラリーNAGANO」というらしい。ただし飾ってあるだけで中には入れないよう。須坂市に入って乗車がぼつぼつあり、メセナホールで下車する。

  近くの屋部簡易局を制覇する。ここの地名は「やぶ」と読む。それを冠した医院やら診療所でもあれば面白いけど、そのようなものは確認できなかった。

  須坂駅

  食事時なのでどこかと探しているうちに駅に着いてしまった。もう少し歩くと中華の看板があり、その向こうに寿司屋もある。見るとランチが600円とあり、あれうれしやと飛び込んだ。時刻は1320時。店内の貼り紙にランチは1330時までとあり、ギリギリだったわけだ。店の名は「海勢寿し」という。箸袋には所在地に「須坂市須坂駅前1274-20」とあるので、本当にそんな地名なのかと思い調べると、単なる便宜上のもので実際には「大字須坂馬場町」だった。(馬場町は小字か?)

  ちらし寿司はシャリ大盛り無料とあるけど普通盛りにする。質量ともに大満足で、思わぬ場所でお手ごろ価格のご馳走にありつけた。日曜定休の由。

  須坂駅にて

  須坂からは来春で廃止が予定されている長電屋代線に乗る(冒頭写真)。車輌は元営団日比谷線3000系。ドア開閉音などなんとも懐かしい。天井のファンデリアには「S」マークがそのまま。優先席にある「表参道内科クリニック」の広告にギョッとするも、長野市内にある医院らしい。

  2両編成に乗客は疎ら。ある駅には屋代線廃止に反対するポスターもあったけど、利用がなければどうしようもない。なにせ電車なのに前乗り前降り、つまり乗降口が1か所(別々ではない)で足りてしまうほどなのだ。

  青森県の十和田観光電鉄も廃止されるらしいし、これでホームドア設置率が「5%」からどのくらいになるのだろう。近ごろ各新聞で鉄道に関する記事が多いけれど、書いてる記者は知識ばかりの“頭でっかち”か、撮影や模型趣味、せいぜい話題性のある駅に行く程度で、実際に乗って旅をすることなんかないのではないか。こんなローカル駅まで勘定に入れて数値が低いなんて非現実的にも程がある。それでいて「金の心配なんかするな」とは口が裂けても言わないのだから偽善も甚だしい。“我田引鉄”の政治屋並みにタチが悪い。

(閑話休題)
  屋代まで乗りとおさず、ひとつ手前の東屋代で降りる。民家に間借りしたような駅で、住人らしき姿もある。まじまじとは見なかったけど郵便受けに名前があったか?

    東屋代駅点描
   

  駅前の屋代簡易局を制覇して、しなの鉄道の屋代高校前駅へ向かう。まだ地図にない歩道付き片側1車線の新しい道路ができていた。屋代高校前駅には屋代駅での国鉄乗車券類取扱い中止の掲示があった。かいつまんで言うと発券用機械や回線の使用料やらがバカ高くて割に合わんということらしい。こんどの長野行きは国鉄長野運転所の車輌だった。

  屋代高校前駅

  篠ノ井局を制覇して荷物を回収し、あとは塩尻へ向かうのみなのだが嫁はんの都合もあり平田で段落としする。この駅には自動改札がないため乗車券に途中下車印を求める。

  嫁はんと落ち合い、今年も例によって「五千石茶屋」へ。今日は団体さんもいるようで大賑わいだった。

【行程】
[十日町] 8:28(飯山線164D キハ110-235 =1両)9:44 [戸狩野沢温泉] 9:47(飯山線130D キハ112-211 =2両)10:45 [長野] 11:09(信越本線640M クモハ115-1013 =3両)11:21 [篠ノ井] 12:07(信越本線1227M クモハ115-1072 =3両 190円)12:20 [長野]~[長野駅東口] 12:29(長電バス屋島・須坂線 580円)13:01 [メセナホール]~[須坂] 14:24(長野電鉄屋代線417列車 3522 =2両 830円)14:58 [東屋代]~[屋代高校前] 15:46(しなの鉄道3655M クモハ115-1077 =3両 220円)15:50 [篠ノ井] 16:19(篠ノ井線446M クモハ115-1562 =3両)17:27 [平田] 17:47(篠ノ井線1540M クハ115-1249 =3両)17:57 [塩尻]

TOKIMEKI

2011年10月17日 | とのさまの漫遊
  今日は雨の予報だったけど今のところ天気はまずまず。ホテルの無料の朝食を食べて至近の「本町」バス停からスタート。さて宿泊した東横インでは新潟駅との間に送迎バスがあります。その所要時間が10~15分とあったのに対し、路線バスは4分で来るというダイヤだ。前者が余裕過大なのか後者が無茶なのか。結果として路線バスは3分の遅れで来たものの、それでも7分なら大したもの。行程表には実際の時刻を記しておきます。

  通勤通学客で立ち客もいたのがバス停ごとにぽつぽつと降りて減っていく。関屋大橋付近では新潟交通の線路跡と並行するはずなので注意していると、なんとなくわかる。それも所々で家が建ったり駐車場になっていたりと姿を変えている。

  30分ほどで新潟流通センターに着き、9時を待って流通センター会館内にある簡易を不退転の決意で正面突破する。意気揚々と引き上げて東へ進路を取り、立仏簡易を立て続けに突破する。ここは局舎が野菜の直売場を兼ねており、近隣住民が新鮮な野菜を求めてゆく。

  そして自動車道沿いに歩を進めて今日の第一の目的地、「ときめき」地区を訪れる。

  「ときめき」バス停  「ときめき駅」があった場所  その反対側(白山方面)  住居表示の町名はときめき東と西がある

  ここには1999年4月5日まで電車が走っていた。詳細は割愛しますが駅の開業は1997年3月と、2年余りしか存在しなかった短命の駅です。当時は某ギャルゲーが大人気だったため、そのころ所属していたサークルでも大いに話題になったもの。しかし今では写真で見られるように跡形もありません。線路跡には柵などもなく容易に立ち入れるのですが、舗装もされてなく放置状態で、夏草が伸びている箇所もあるため歩くには適していません。跡に並行する道があるためそこを歩きます。

  途中に100円の飲料自販機があったので喉を潤す。地名が「ときめき」ならもちろんアパート名にも「ときめき」。「ときめきハートクリニック」なんてのもあります。店名に付したコンビニでもあれば何か買って領収証を所望するところですが生憎と斯様なものはない。郵便局もない。少し離れたところに寺地団地簡易があり、そこは後に制覇した。

  草生す細道を跨ぐ立派な道路と地下歩道が哀愁を誘う。それでも明るく「ラナイサナホ!」と心の中で呟いて「ときめき」を後にした。(これが分かるのって30代後半以上の少女マンガマニヤだろうな

§シリーズ逆行の旅 ~第24回 東日本旅客鉄道弥彦線

  承前の簡易局を制覇した後、付近のバス停に行くと程なく新潟方面が来るらしい。後ろを振り返るとちょうどバスが角を曲がってきた。これ幸いと小針駅近くまで乗せてもらう。ところが新潟医療センターで右折してしまうため、5分ほどで早々に降りる破目に。しかもここでゲリラ的な激しい雨になり、ファストフード店の軒先で雨宿りする。バスに乗ってきてよかった。雨はじきに小康状態になり、折り畳み傘を出して駅まで歩を進める。

  小針からの越後線は初乗車となるE127系。3扉ロングシートに緑の車体、しかも東急1000系とよく似たインバータ音と、まるで池上線のような錯覚に陥る。巻で降りて巻あたご簡易局でも経験値1とゴム印1を求める。ここで時計を読み間違え、予定より1時間早いことに気づく。そこで電車でもうひと駅進み岩室へ。駅近くの和納局をも制覇する。

  岩室駅

  岩室温泉方面間瀬行きはマイクロ。7~8人と適度な乗りだ。田んぼの中の道をのんびりと走り、やや大きい集落が現れるとそこが岩室温泉だ。

  ちょうど昼食時なので手近に『和田屋』なる食堂の暖簾をくぐる。「天カツ丼」(980円)というのが面白そうなので頼んでみる。エビのかき揚げとトンカツが2枚乗ったシロモノで、カツ丼派と天丼派の双方を満足させられそう。小鉢も2つ付きお値打ちだった。

  岩室温泉の北国街道碑

  北国街道を南へ進みまずは岩室局を。せっかくだしどこかでひと浴びと思うもののバスタオルを持ってこなかった。レンタルやら購入するほどでもないので今回は見合わせ。さらに歩を進めて石瀬簡易局をも制覇する。
  石瀬簡易局

  ここで再び雨脚が強まり、小さな折り畳み傘では心細くなる。するとややあって拙者の横をタクシーが追い抜き、少し先でお客を降ろしているではないか。もともと“逆行の旅”で徒歩は邪道なのだ。弥彦村に入ればバスはあるのだが火・水・金曜日しか運行しないため今日は運休、そのため“徒歩代行”ということにしていた。しかし状況を鑑み、毒を食らわば皿まで、邪道に邪道を重ねてタクシーのお世話になる。

  乗ってしまえば速いもの。わずか10分足らずで弥彦駅に着いてしまった(冒頭写真)。料金は1110円。ちと高い“傘代”である。皮肉なことに弥彦駅に着いたら雨は上がり青空さえ覗いていた。

  弥彦駅の終端  矢作駅  弥彦の大鳥居


  弥彦駅の周辺を散策して矢作までひと駅進み、弥彦村役場に併設されている矢作簡易局で経験値(略)する。役場前の道路にはバスが走ることを見越してか、バス停用のスペースが設けられている。しかしこれが使われる日は来るのだろうか。

  矢作駅から吉田方向を望んで

  ここの115系はかなりの年代モノ。非冷房車を後に簡易冷房に改造したもので、壁には扇風機スヰッチが残っている。ひと駅で降りねばならぬのは残念至極であります。

  懐かしい扇風機スヰッチ  ちゃんと作動した(笑)

  吉田からは今宵の宿がある十日町までひたすら鈍行乗り継ぎ。高校生などでラッシュのたけなわでも座れないということはない。越後川口からはすでに夜汽車の雰囲気が漂う飯山線に乗って定刻に十日町に着いた。

  今夜の宿は駅から徒歩6~7分の「ビジネスホテルしみず」を。鍵を受け取り2階にある部屋へ入ると12畳の和室。サイトからの予約時に、洋室を予約しようとしてもなぜか和室になってしまい諦めたのだが、今回ばかりはこの方が良かった。複数人での利用を想定しているため風呂とトイレは独立している。風呂の広さも我が家より広く、今日も入りに行こうと思っていたけどその必要はなさそう。これで朝食付き6300円は安いのではないかな。

  コインランドリーを使おうとすると洗濯乾燥機もある。400円はいいとして仕上がりに4時間半を要するとある。それなら100円の洗濯機にして室内乾燥でいい。そして今日も“夜遊び”に出る。

  さてどこに入ろうかと思案するも、失礼ながら田舎町にしては小洒落た店が目立つ。拙者には分不相応そうな店は敬遠し、飛び込んだのは目抜き通りにある「おにぎりや白雪」という店。

  「おにぎりや白雪」

  店の造りは新しいけれど箸袋には1965年創業とあり、近年になって建替えたのだろう。カウンターに座ってまずは生ビールで喉を潤す。今日はさんざん歩き回って疲れたはずなのに、酒が入るとまた元気が出てくる。サンマの刺身にアスパラ菜のおひたし、串焼きに揚げ出しナスと手が出る。店名にたがわずおにぎりもあるけれど、今日のところは見送り。地酒も堪能し、独りで入るのがもったいない店だった。

  どうですかこのお店。もうお酒も料理も言うことありませんね。なんていいますかねぇ雪国の中にあっても人々の温かさを感じさせてもらいましたし、せっかくパワーをもらいましたからねぇ。あと2~3軒は探しに行きたいと思います。では

気まぐれは 空か旅路か 汽車の窓(雲葉)

  うまい酒がある限り、酒飲みの旅は終わらない…。(こればっか)

  ホテルのテレビはBSも映るので、帰ってから「酒場放浪記」を見てました。

【行程】
[本町] 8:22(新潟交通640系統 440円)8:53 [流通センター会館前]~[小新] 9:58(新潟交通11系統 170円)10:04 [新潟医療センター前]~[小針] 10:33(越後線1526M クモハE127-4 =2両)10:43 [内野] 11:03(越後線134M クモハ115-1532 =2両)11:20 [巻] 12:19(越後線136M クモハE127-4 =2両 180円)12:23 [岩室]~[和納三区] 12:45(新潟交通観光バス 220円)12:55 [岩室]~[弥彦] 15:15(弥彦線273M クモハ114-501 =2両)15:19 [矢作] 16:14(弥彦線275M クモハ115-501 =2両)16:19 [吉田] 16:37(弥彦線243M クモハ115-1034 =4両)16:56 [東三条] 17:00(信越本線444M クモハ115-505 =6両)17:27 [長岡] 17:57(上越線1746M クハ115-1056 =3両)18:20 [越後川口] 18:25(飯山線146D キハ111-211 =2両)18:51 [十日町]

新潟へ

2011年10月16日 | とのさまの漫遊
  雨が降りしきる未明の中原駅から、1年ぶりに旅に出る。下りの立川行き始発に乗るのは初めてか。7人掛けに1~2人と、意外と利用者がいる。

  立川で青梅線、拝島で八高線と乗り換えて北上。このころには雨は上がり東の空が明るい。高麗川からディーゼルカーで高崎を目指す。朝早いせいかさっきまで雨だったせいかハイカーの姿もほとんどなく車内はすいている。それにしてもこの車輌はクラッチの調子が悪いのか、起動のたびにガクンガクンとショックが大きい。

  

  高崎ではさっそく湘南色の115系とご対面。売店で1個だけ残っていた「朝がゆ」(350円)を買い占め、ボックス席に身を沈めて味わう。そういえば勤め先のスーパーでは駅弁祭りを開催中か。そろそろ入荷したのを陳列する時間じゃないかなと考えつつも、やっぱり旅の車内で食べてこそではないかな。

  高崎駅弁の「朝がゆ」

  車内はこちらはハイカーなどもいて立ち客もちらほら。拙者の横に座った御仁もそうだけど、なにゆえオッサンは電車で座るときに股を開いて膝に手を乗せ、大きくため息をつきながら座るのだろう。痔にでも響くのかな?

  外はいい天気で車内も暖かくなってくる。ところが水上で乗り換え国境の長いトンネルを抜けるとうって変わって雨模様に。遠くには黒い雲も見える。

  ほくほく線の車輌

  越後湯沢で乗り換えたほくほく線は快速とはいえ単行のワンマンカー。発車が近づくにつれ車内には立ち客も増えるのだが、座席に荷物を置いたり足を投げ出している中年夫婦がいたりマナーはよろしくない。十日町で入れ替わるものの乗客の総数はほぼ変わらず。まつだい駅前ではなにがしか祭りの最中のよう。勇壮な踊りが披露されていた。

  ほくほく線車内から

  そのまつだいと虫川大杉で大量に下車し、車内は一転して閑散となる。信越本線との接続駅は犀潟だけど直江津まで乗りとおす。珍しくお目当ての駅弁があるからで、改札前の売店で難なく入手できた。公社時刻表で24年間にわたって連載されてきた『駅弁細見』というコーナーが10月号で最終回となり、そこで今年の新作駅弁のひとつとして紹介されていたのが直江津駅の「あとひくいなり寿司」です。値段も600円と手ごろであり、せっかくなので食べてみようと思ったわけ。

  日ごろ冷めた冷たいご飯は敬遠しているも寿司は温かくなくてもよい。具が七目入った俵型のいなりが5個並んだだけの簡素な品だがうまい。朝昼と駅弁2個食べて千円に満たないなんて、今どき奇蹟に近いのではないか。ガラガラの鈍行でボックス席に揺られて駅弁をパクつくなんてのもなかなかできなくなり、もはや“贅沢行為”とも言えそう。ちょっとしたノスタルジーに浸る。

  「あとひくいなり寿司」  115系車内

  天気は回復したけど日本海は波が高い。遠方には相変わらず黒い雲が不気味だ。そういえばここ何日か酒を一滴も口にしていない。珍しいことをするからだろうか。

  長岡で2時間のインターバルは駅近くの散策に当てる。ある公園の中に山本五十六の生家(復元)なるものがあり、入ってみると意外と天井が低い。2階へは立入り3人までという注意書きもあるが具体的に「耐荷重○kg」と表示したほうがいいような。

  長岡駅にて  駅近くの商店にいたニャンコ

  長岡からはまたまた“豪華列車”で進む。せっかく運転するならと510円の指定席券を奮発(でもないか)し、『リゾートビュー越後妻有号』の客となる。

  リゾート列車のロゴ  車内

  形式は「HB-E300系」となんだかシャープペンの替え芯のよう。1号車は団体さんだろうか満員で、こちらの2号車も中原駅の指定席券売機で買ったときは窓側のほとんどが埋まっていたのに、実際に乗ってみると空席が目立つ。直前にキャンセルが相次いだのか単なる蒐集者の仕業か。長岡駅前のイトーヨーカドーでヱビスビールを買い、ちびちびと空けながら快適な道中だ。

  運転席の背後がフリースペースの展望席となっている。適度な台もあり、突っ伏して寝るのによさそう(笑)。佇んでいるとエンジン音と共に足許からインバータ式のモーター音も聞こえるのは妙なものだ。でも出発合図のブザーが聞こえるのはやはり気動車か。最新鋭の車輌でも速度計や圧力計がアナログ式なのに安心してしまう。もっと乗っていたいけれどチャイムが鳴って定刻に新潟着。今さら“死にそうなアルプスの牧場”でもないか。

  新潟駅

  今宵の宿は萬代橋を渡った先の「東横イン新潟古町」だ。ところが禁煙室を予約していたはずなのに喫煙室を案内されてしまう。申し出て変更してもらえたものの、予約確認メールを見ても喫煙か禁煙か書かれていない。こちらのミスかどうかも分からず、これは改善をお願いしたいもの。

  さて荷物を置いたら“夜遊び”に出る。事前にネットで銭湯でもないか調べたところ、徒歩5分くらいの場所にあることが分かった。その銭湯「寿湯」はというと、道路からは少し奥まり、暖簾をくぐると番台があって即脱衣場という造り。下足入れもロッカーなんぞもなく脱衣籠に衣服を入れるだけという真に昔ながらの銭湯だ。念のため番台で貴重品だけ預かってもらう。

  そう広いわけではないけれど、やはり足を伸ばして入る風呂は快適。出立が早かったし疲れが抜けていく。そして湯上りには待ち構えるかのようにいい雰囲気の店があります。

  寿湯の暖簾  「新小とり」の店構え、奥が寿湯への入口

  その「新小とり」なる店は寿湯への入口手前という絶妙のロケーション。暖簾をくぐりカウンターに座ると、一瞬目を丸くした。メニューに値段がないのだ。ビールや日本酒には書かれているものの料理は“秘密価格”、チューハイ類は裏メニューのよう。ははぁん、これはアルカード国道スタイルだなと得心する。

  まずはビール大瓶に焼き鳥。おでんが美味しそうなので、ついつい食べたいだけ取ってしまう。特筆なのは煮込みで、白菜などが入り塩味で水炊きのよう。ほおばっていると横に座るご常連さんが某高知県観光特使の話をしだす。なんだかまたイベントか何かで新潟へ来るらしい。

  「よほど新潟が気に入ったのかね」「それにしてもよく飲むよな。さすが高知の人だよ。それで仕事になるんだから羨ましいよ(笑)」

  自分のことじゃないのに、なんだかこっちが申し訳なく思えてきた。おいしい地酒も楽しんで会計は少し張ったけど、好きなだけ食べもしたし、大いに満足した。

  いや~、いいお店でしたね~。ご常連さんたちのパワーもすごいですね。そしてあの独特な煮込みもまた食べたくなる味でよかったですね。ということで、まだまだこういうお店があるんじゃないかと思いますんで、あと2軒は行きましょうか。では

  古町のニャンコ

【行程】
[武蔵中原] 4:43(南武線403F モハ205-274 =6両)5:22 [立川] 5:28(青梅線503 モハE233-59 =10両) 5:39 [拝島] 5:45(八高線567E モハ205-3005 =4両)6:17 [高麗川] 6:25(八高線225D キハ110-221 =3両)7:57 [高崎] 8:24(上越線727M クモハ115-1022 =3両)9:29 [水上] 9:47(上越線1733M クハ115-1059 =3両)10:21 [越後湯沢] 10:39(北越急行ほくほく線3832M HK100-6 =1両 950円)12:01 [直江津] 12:16(信越本線1335M クモハ115-1016 =5両)13:55 [長岡] 15:59(信越本線9745D「リゾートビュー越後妻有」2号車5番D席 HB-E301-2 =2両)17:03 [新潟]

想い出の店 ~別府市「二十八萬石」

2011年01月30日 | とのさまの漫遊


  旅に出てふらりと入る赤提灯というのは醍醐味のひとつです。そんな店を備忘録代わりに記しておくことにします。

  表題の「二十八萬石」に入ったのは2001年11月20日のこと。四国旅行中に宿泊費節約のため高知県の宿毛からフェリーで大分県の佐伯へ。そして夕方に別府へとたどり着きました。

  そして国道10号沿いの「スーパー銭湯かめの湯」でひと浴び。当時は温泉の露天風呂があったのですが、(←)リンク先を見ると今はなくなって普通のスーパー銭湯になっているらしい。また誰かから拙者が利用したから消滅したんだと言われそう…(別府といえば2007年5月5日に利用した横浜市南区の銭湯「別府温泉」も閉館しているとのことでした)

  その露天風呂で地元の人と歓談になり、安くて美味しい店はないかと尋ねたところ、教えられたのが「二十八萬石」でした。

  ビールは好みのサッポロであれうれしやとジョッキを重ね、メニューに「琉球」とあるので何なのか尋ねると、いわゆるカンパチのヅケのことで、大分の郷土料理らしい。

  当時は結婚前で嫁はんとは恋人関係。なので独りでちびちび。でも独りで入るのはもったいない店でした。いつか嫁はんを連れて再訪する機会があるといいなぁ。

  食後は別府タワーへも。入場料200円払って展望台へのエレベータを降りると、係員の女性が退屈そうにテレビを見てました。他に客はおろか従業員の姿もなく、テーブルにメニューも置いてあるけど頼めば料理が出てくるのかも不思議。ビールサーバーや冷蔵庫も施錠されておらず、よほど客が信頼されているかのようでした。

  タワーを降りて街中の温泉で温まり直し、八幡浜(愛媛県)への夜行フェリーで別府を後にしたのでした。

バス共通カード消化作戦《最終章》

2010年10月31日 | とのさまの漫遊
  他のバス事業者が7月末をもってバス《共通》カードの使用を終了した中で、川崎市営バスだけが10月末までの延長戦に突入していました。そして今日、最終日に満を持して使い切りを図るべく夕方から出かけました。

  電車で溝の口へ。南口で同道志願の「はまりん」氏と合流。溝25系統高田町(山本記念病院)行きに乗り込みます。1700時発の便にはかなりの列が。次が2時間半後ということもあろう。カードには500と1000の間に穴が開いているが具体的な残額は忘れてしまった。乗車時に2人分払うと残りが380円と表示され、けっこう残っていたのね。氏がいなかったら使い切れていなかったろう。

  車内は座席が埋まるほど。それも途中であまり降りず、多くが久末まで乗っていた。20分強で高田町へ。この車が折り返し原01系統中原駅行きとなる。

  

  すでに車体側面のステッカーから「バス共通カード」の文字は消え、他社局と同じステッカーに貼りかえられている。

  さて、記念すべきバスカード最終利用はこの系統と決めていました。川崎市営でありながら横浜市内を発着し、しかも我が家の最寄りまで来る。さらにこの系統には乗ったことがないのです。地図調査の頃も高田町なら独身時代は日吉から東急バス、引っ越してからは自転車で来てましたし。

  この系統は朝夕のみの運行で休日の夕方は4回だけ。1730時の出発時刻が近づき、カードリーダーにバスカードを通してめでたく使い切りました(不足分ははまりん氏がICで支払い)。乗客は他に女性2名。それも千年までに降りてしまい貸切に。あとは中原駅までこのままと思いきや、手前の中原で停車する。降車ボタンは押してないし強制下車かと思いきや、なんと乗ってくる者がいる

  その若いもっさりした感じの男はICカードをタッチして、画面の表示を見たはまりん氏によると定期券や一日乗車券の類いではなく運賃が差し引かれているとのこと。そして当然ながら次の中原駅前が終点なので降りることになる。運転手も何のためらいもなく乗せたということは今日に限ったことではないのだろう。ありがたいお客だろうけど不可解極まりない。そしてその男は駅方向へと歩いてゆく。中原から駅までは、バスは三角形の二辺を通る形で、徒歩なら一辺のみで行かれることもあって当然その方が早い。最後の最後に深まるばかりの謎が残った。

えんぱーく

2010年10月07日 | とのさまの漫遊
  もう旅行から帰って一週間近く経つのか…。早いものです。

  さて、1日は帰る前に今年の7月下旬にオープンした塩尻市市民交流センター(えんぱーく)へ行ってみました。1、2階が図書館で、最上階には展望テラスがあります。冒頭写真はそこから穂高方面を望んで。

  

  建物の1階柱にありました。これはどんな豆知識だろう?
  その1階にはカフェもあり、ドリンクが100円から。ソフトクリームは250円といささかいい値段なれど、味がしっかりしていて侮れません。

  さてさてそれでは今回のお土産を。

  

  左のお酒は阿下喜のホクセイスーパーで買った「天慶」の純米吟醸です。芳醇で甘い香りとは裏腹にかなりの辛口。刺身やサラダなど、さっぱりした料理に合いますかね。
  右の青い瓶は安曇野のEH酒造って機関車みたいな名前ですけど「酔園」の特別純米酒。まだ口にしてません。

  そして小さな瓶は「食べるピリ辛ラー油野沢菜」です。なんでも出ますなぁ。なぜかスーパーなどではなく、塩尻駅西口のドラッグストアで売ってました。通常525円らしく、398円で売られてました。お買い得だったのね

  いなご、ハチノコ、さなぎの“佃煮3点セット”はもちろん仕入れました。でも今年は天候不順で地蜂がいないらしい。いずれフォアグラを追い落として世界三大珍味に入るのではなかろうか(笑)。それではいなごの佃煮にラー油、、、やめとこ…。

おやまぁ!

2010年10月01日 | とのさまの漫遊
  無事に塩尻から「スーパーあずさ(ぱずさ)28号」で帰還いたしました。30日までの分はおいおいアップしていきます記述を終えましたので以下をご覧ください。そういえばE351系も発情者、もとい初乗車ではないかな?

  立川はいつもどおり(?)の3分延。南武線に乗り換えるべくホームに降りると、目の前に赤い電車が停まっているではないか。長らく中央快速線の「顔」であったオレンジバーミリオンの201系も、ついに今月17日をもって撤退するという。そうか、ぱずさが3分遅れたのは撮影時間の延長のためであったか。粋な計らいですなぁ(?)

にしげん

2010年09月30日 | とのさまの漫遊


  雨が降ったり止んだりの落ち着かない天気ですが、今日は西源流通団地店(本店)へ連れて行ってもらいました。

  嫁はんの実家が食料品などをまとめ買いする店だそうで、さすがに安い。小売店というより卸問屋の直販店といったところ。「バッタ屋」とも言いますかね。会員カードがあるものの、会員制なのか誰でも利用できるのかは分からず。

  で、買ったものというとこんなの

  

  他にお酒やごはんのおかずなど。「シルバー」なる魚の切り身があり、4切れで298円とそう高いわけでなく買ってみました。焼いて食べてもなかなかいける。でもシルバーってなんだろう?

  帰ってから調べてみると、『南太平洋やインド洋で漁獲されるスズキ目イボダイ科の大型海水魚、シルバーワレフの通称。かつて、「沖ぶり」や「沖ひさす」などと呼ばれていた』とありました。(ウィキペディアより)

シリーズ逆行の旅 ~名古屋近郊篇3日目

2010年09月29日 | とのさまの漫遊
#22 名古屋鉄道三河線

  三河線終点の猿投へは、豊田線の浄水からバスが出ていることは大型時刻表の巻頭索引地図で分かります。そこでふと浄水駅周辺をネットの地図で見てみると、駅前に「竜泉寺の湯」なる建物がある。スーパー銭湯に間違いなかろうと検索して調べてみれば、なんと朝湯を営業とある。しかもすぐ近くに“簡易”があり、これは招かれているとしか思えない(笑)。昨日よりも早起きして、7時からというホテルの朝食サービスで腹ごしらえし、早々にチェックアウトする。

  豊田線直通の地下鉄電車は、逆方向だから空いてるだろうという予測に反してかなり乗っている。豊田への通勤客や沿線にある大学への通学生が多いのだ。浄水駅は大学最寄りの駅にしては貧弱で、出口の自動改札通路が2か所しかない。そのため階段から渋滞が起こる。

  駅を出て右前方の信号を渡った真向かいが銭湯だ。駐車場には車が多く、朝から賑わってそう。朝湯は9時までで、券売機で400円の朝湯券を買ってフロントへ。平日朝からけっこう利用者が多いのに驚く。時間の都合で長くは入っていられないが、ホテルのユニットバスよりは遥かに快適だ。

  竜泉寺の湯

  9時過ぎに湯を出て身支度し、銭湯の裏手に回って駅とは反対方向に歩を進める。この辺りは区画整理されたばかりのようで舗装されていない道路や歩道もある。家もまだまだ建築が続いており、地図調査の仕事を思い出してついつい表札に目が行ってしまう。そんな一角に豊田浄水簡易局があった。浄水、なんてステキな街だろう

  

  0930時発の「とよたおいでんバス写真奥)」、足助経由百年草行きに乗る。乗客は他にハイカーらしき年配の夫婦と地元の人が2人ばかし。しばらく広い綺麗な道路を快適に走るけど、区画整理地区が途切れると道も急にみすぼらしくなる。上豊田駅の目と鼻の先を通るも駅には寄らず。愛環の四郷駅を通り20分足らずで猿投に着いた。バス停は駅前ではなく50メートルほど離れた道路沿いだ。

  猿投駅

  いったん駅に背を向けて北上し、豊田井上簡易局で経験値1とゴム印1を求める。局番号が「21906」とあり、900番台は愛知に限らず初見ではないかな。猿投駅ではワンマン運転に関する注意書きがある。ホームセンサーが通っているため注意するようにとのこと。池上線蒲田駅降車ホームと同様のシステムだ。三河線のワンマン化はもう何年も前のはずで、変わらず案内を設置しているのは感心であります。最近は乗客に不利な情報を直前まで告知せず、しかも実施したらそれっきりというケースが多い。ここも短い区間なので乗ってしまえばあっという間。梅坪で当方の未乗区間は制覇した。徒歩で愛環梅坪駅へと向かう。

#23 明知鉄道明知線

  愛環梅坪駅は5年前に開業した新しい駅だ。改札を入って左手にエレベータがあり、ちょうど停まっているので使わせてもらう。ホームまでは直行せず、途中で乗換えが必要だった。愛環線で八草へ。駅からそう近くはないが愛工大前にある豊田八草簡易局は無関心。そういえばここの局番号は「21893」で、ヤクサ(893)の語呂合わせは偶然なのか申請してもらい受けたものなのか。

  ここも初乗りのリニモはガラガラ。ただでさえ経営が厳しい上に横領事件まであって泣きっ面に蜂だろう。一昨日には元社員がタイーホされたし、ちょうどトランパスの残額が乏しくなったので千円券を買い足して、僅かながらも収入に貢献しておく。

  乗ると、いい天気なのに加えてドアの開閉がのんびりしており、電車というより遊園地のアトラクションのよう。車輌のドアが完全に閉じてからホームドアが閉まり始め、拙者の知る限りここがいちばん時間がかかるシステムではなかろうか。駅ごとにぽつぽつと乗ってくるものの、ボックスごと空いている場所もあるほど。これでも廃止された桃花台新交通よりはマシなのだろうか。

  藤が丘で地下鉄に乗り換えて千種へ。中央線ホームのきしめんスタンドで昼食に。夜に豪遊する分、昼は倹約というわけではないけれど、せっかく名古屋に来たのだからきしめんは食べておきたい。大盛り無料サービス中と言われるが普通盛りでいい。中津川行き快速は4両編成の予想に反して7両もの長編成だ。立ち客がいるほどだったけど大曽根でごっそり降りて後は閑散と。

  瑞浪駅で改札を出ようとすると、前にいた男子高校生2人組がへばり付くように出ようとして失敗し、改札のゲートが閉じた。お蔭でこちらも出られない。後ろの男がこちらを振り返ったので睨み付けると、申し訳なさそうに改札機にタッチを試みるもゲートは開かず、窓口へ行くようにとの指示が流れる。乗車時も同様の手口で入場したのだろうか。不正が疑われるケースだ。その後の窓口でのやりとりは知らないけれど、通学定期での不正が目立つようだと学校ごと通学定期券の発行停止処分というおそれもあり得る。

  地下道を通って駅裏手の瑞浪郵便局で経験値(略)し、明智行きの東濃鉄道バスに乗り込む。

  明智行きバス(瑞浪駅)

  ここのバスも予想に反して大型車だった。平日は昼間時でも毎時1本あるし、そこそこ利用が多い路線なのだろう。次の竜門通りでも乗車があり、乗客は10人を越える。駅近くは運賃が100円と安いせいもあろう。市街地を出て山間部へと分け入る。下川折で左折して県道20号へ。頭上を見ると、ずいぶん高いところに道路がある。中央道にしては細く、山岡へと続く県道33号だった。このへんはゴルフ場が多いのか案内が目立つ。陶(すえ)の中心部を通って国道363号へ。視界が開けて家並みが多くなるとそこが明智だった。

  駅前のバーロ、もといバロー明智店を覗くと、ここも安い。大手メーカーの500mlペット茶が88円と、拙者の勤務先より安い。やはり地方の方が安売り要請が強いのだろうか。

  駅へ戻ると窓口で使用済み硬券乗車券を1枚20円で発売しており、適当に何枚か所望する。待合室にいると近くのばあさまのケータイが鳴り出した。受話音量を上げてるようで向こうの話し声も丸聞こえだ。どうやら赤ちゃんが生まれたらしい。

ばあさま「いつ生まれた?」
電話「「声聞かせようか?」

  おやおや、分娩室から実況中継とはいかがなものか。看護師さんからPHSを借りたのだろうか。今日びはツイッターで「生んだなう」なんて書き込む人もいそうだ。

  明知鉄道の車輌(明智駅)

  恵那行き列車は単行。ワンマンだが添乗がいる。山岡でハイカーらしき年配の男女が10人ほど乗ってきて車内は賑わう。でもありがちな声高でのおしゃべりはなく、みなわきまえていらっしゃる。30‰前後の勾配を上ったり下りたり。気動車の抑速エンジンブレーキの音ってなんだか好きだ。その後の乗降は少ないながらも、賑わったまま列車は恵那へすべりこんだ。山岡からのグループは改札で短冊式の回数券を出している。硬券を売ってるならそれもあるか。

  恵那では窓口で帰りのキップを買っておく。塩尻、立川経由向河原まで、ちょうど320㌔で5250円なり(3日間有効)。これで中原では“途中下車”扱いでキップは手許に残せる。「銭取られるライナー」と揶揄される快速で中津川へ。この区間なら料金不要だ。中津川では30分のインターバルに駅前へ出て「栗きんとん」を求める。これは嫁はんのリクエストによるもの。お勧めの店は「すや」とのことだが、駅から少し距離があり今回は無理そう。よって駅を出て右前方の信号を渡った「川上屋」で購入する。この栗きんとん、土産にするには熟慮が必要なシロモノだ。見た目のわりに高価で、1個あたり200円を優に超える。さらに消費期限(賞期限ではない)が一両日のため旅の途中で買うには不向き。でも嫁はんがリクエストするだけあってうまい。

  川上屋の栗きんとん

  しなの19号は指定席もかなり埋まっていた。2両の自由席にも乗客が多いが座れないということはなくやれやれ。中央西線を特急で辿るのは初めてではないかな。もちろん383系も初めて。以前の381系に比べて断熱が悪いと、嫁はんの評価はいまひとつ。今はまだ厳寒期ではないためその点は分からずだった。

  珍しく(?)定刻に塩尻着。駅前にある土産物屋などが集う「コアしおじり」が再開発のため8月末で閉店していた。これでは土産の調達に困る人もいるのではないかな。嫁はんから買い物の指示もあって「ウイングロードビル」へ。イトーヨーカドーが撤退した後に、建物はそのままドラッグストアや洋品店などが入り、3階は市民交流なんちゃらになっている。地下の松電スーパーこと「デリシア」は変わらず。

  無事に嫁はんと落ち合い、昨年に続いて「五千石茶屋」で一献。馬刺しに山賊焼きなど、お馴染みの郷土料理に舌鼓を打った。

  五千石茶屋 共食い?

【行程】
[丸の内] 7:39(名古屋市交鶴舞線~名鉄豊田線 3755 =6両 540円)8:21 [浄水]~[浄水駅前] 9:30(とよたおいでんバスさなげ・足助線 200円)9:47 [猿投] 10:15(名鉄三河線 6244 =2両 220円)10:23 [梅坪]~[愛環梅坪] 10:57(愛知環状鉄道1145H 2113 =2両 320円)11:11 [八草] 11:22(愛知高速交通東部丘陵線 173 =3両 360円)11:39 [藤が丘] 11:45(名古屋市交東山線 5520 =6両 260円)12:02 [千種] 12:42(中央本線2715M クモハ211-5010 =7両 740円)13:19 [瑞浪] 13:45(東濃鉄道バス 500円)14:29 [明智] 15:03(明知鉄道明知線16D アケチ12 =1両 670円)15:51 [恵那] 16:09(中央本線1713M クモハ313-8506 =6両)16:19 [中津川] 16:49(同1019M「しなの19号」6号車8A クモハ383-16 =6両)17:53 [塩尻]

シリーズ逆行の旅 ~名古屋近郊篇2日目

2010年09月28日 | とのさまの漫遊
#19 近畿日本鉄道八王子線
#20 同、鈴鹿線
#21 三岐鉄道北勢線


  部屋には時計はあれど目覚まし機能はなく、モーニングコールのシステムもないためケータイのアラームをセットする。7時に鳴るようにしていたのだけれど6時半前に目が覚めた。目覚めは良く、ぐっすり眠れたのだろう。さて、昨夜の“大浴場”はというと、洗い場が2人分しかなく、浴槽は6人が適正。定員3名のサウナはすでに冷たい。低温サウナというにも涼しすぎてがっかり。しかし足を伸ばして入れる風呂は快適だし、また利用したいとは思う。でも次は予約確認ミスなどということがないように願いたい。なおこのホテルは男性専用の由。

  まだ雨が残る街を歩いて名古屋駅へ。名鉄尾西線の残りを制圧する。弥富駅ではトランパスが使えないため、券売機でキップを買っておく。ラッシュの真っ只中でもあり電車も遅れ気味だ。0819時の準急弥富行きも6分遅れだった(行程表は実乗のもの。以下同じ)。8両編成だが須ヶ口で後ろ4両切り離しというので前方の車輌へ。

  その須ヶ口で始発の岐阜行き普通に接続し、多数が乗り換えていって車内は閑散となる。まだ通勤客が多い上りホームを横目にこちらはのんびりと。それでも遅延回復のためにスピードを出すけどさほど揺れない。4年前に廃止された弥富口駅はほぼそのまま。所定から3~4分遅れて弥富へ。折り返しの電車は吉良吉田行きになる。ずいぶんな“遠足列車”だ。

  尾西線電車(弥富駅)

  いったん改札を出てキップを買い直し、関西本線普通列車で桑名へ。すでに雨は上がっている。駅近くの桑名東方簡易局で経験値1とゴム印1を求める。外見では全くと言っていいほど郵便局とは分からない。自動ドアを入ると右に商店、左に局というぐあい。扱いを終えて退出すると、左右から「ありがとうございました」と言われた。

  桑名局は別の機会に回し、駅前のビル2階で“名古屋式”モーニングを。喫茶は2軒あり、奥の店へ。手前は珈琲にトースト、ゆで卵に対し、奥はトーストとバナナ2切れ、餡子とある。どちらも330円なり。

  快速「みえ1号」で四日市へ。ここからバスで西日野を目指す。乗車するバスは椿大神社(つばきおおかみやしろ)行き。いったん近鉄駅へ寄ってから国道1号を走る。日永駅前を通って川の土手へ上がり20分ほどで西日野に着いた。駅(冒頭写真)はバス停の目前ながら少し奥まっている。かつては先へと線路が延びていたらしいが、すぐにそれと分かるものはない。

西日野駅にて 近鉄四日市駅にて 日永駅にて内部線車内から

  先頭車に腰を下ろし、発車すると床下から渋い重低音ドルビーサラウンドが響いてくる。幼少から慣れ親しんだサウンドだ。冷房がないので窓を開けて風を浴びながら走る。これもまた心地よい。次の日永で内部行きに連絡するが、ここで乗り換えては四日市までが未乗のままになってしまうため乗り通す。

  近鉄四日市では駅前局があるはずなので探すも見つからない。ここで時間を食っては後の行程がパァになるため涙を呑み、再びドルビーサラウンド電車の客となる。電動車1両、付随車2両の編成なので加速は鈍いし、登り坂ではモーター音が下がってくるけど、これがまたマニヤには感動的でさえある。スピードも速くなく、もしかすると拙者の自転車より遅いのではないかと考えてしまう。

  内部駅舎

  内部では平田町駅行きのバスに所定5分の乗り継ぎ。駅前の通りを渡った向かいにある四日市小古曽局をダッシュで攻める。幸いに先客はおらずすぐの取扱いで、駅舎の写真を撮れるほどの余裕を持ってバス停に向かう。バスは四日市からの便で2分遅れてきた。つまりこれに乗れば内部線も逆行できるわけ。バスは片側2車線の国道1号を快調に走る。途中に「自由ヶ丘」というバス停があり、ポールも三重交通サイトでも「ヶ」なのに車内の運賃表だけ「自由が丘」だった。庄野橋で国道と別れ、鈴鹿高校の前を通り、駅まで行かずショッピングセンターなどがあるベルシティけやき通りで降りる。さらに駅とは反対方向へ歩き、鈴鹿庄野局で経験値(略)。頃やよしと昼であり、隣のすき家で昼食にする。

  平田町は大企業の事業所があるせいか、思ったよりひらけていて、小洒落た居酒屋もある。すでに暖簾を出している店もあるがここは忍の一字とする。駅名は平田町でも駅近くの交差点名称は「平田駅」となっている。いったん駅前を通り過ぎて鈴鹿算所局をも制圧。下校の高校生も目立ち始めた電車で伊勢若松へ。平田町駅はバリアフリー化工事中とあって雑然としているが、もともと改札とホームとはスロープであり、勾配の緩和だろうか。

  平田町駅舎

  ここも短い路線なので乗ってしまえばあっという間。伊勢若松では待つほどなく名古屋行きの急行につながる。近鉄富田では17分の間に四日市富田西局へ。かなり厳しい道中だったがなんとか間に合った。三岐線のキップは窓口でとあるので求めると、なんと硬券 しかも入鋏(スタンプじゃありませんよ)という伝統手法に驚く。

  三岐線電車(近鉄富田) 三岐線の機関車

  西武からの流れ者電車に腰を落ち着け、発車するとコイルバネ台車特有の全身マッサージのような揺れがまた懐かしく感じられる。保々の手前で放送が何やら言っているが音量が小さく聞き取りにくい。どうやら車輌交換をするから乗り換えろとのことらしい。車輌交換の自動放送まであるのか。車内を見ると座席の2か所が水濡れのため覆われており、そのせいだろう。その保々では向かいホームに「西藤原」の表示を出した電車がいて民族大移動(といっても十数人)が始まる。

  うらうらといい天気の中を走り、少ない乗客も東藤原までにみな降りてしまい、ついに編成ごと貸切になった。西藤原駅では、これから乗車するいなべ市福祉バスの「ありがとう券」なるものを所望する。乗車も券も無料なのだが、これがないと乗れないらしい。

  

  バス停は駅を出て右手の坂を下ったところ。1分もかからなかった。(写真左奥が駅へと続く道。) 友へのケータイメールを作っていると白いワゴン車が近づいてくる。正面に「いなべ市」とあり、それが福祉バスだった。「ありがとう券」を1枚もぎって箱に入れる。結果としては箱の横に券が備えられており、持ってなければそこから取って投入してもよかったのだ。券は10枚綴りで今後使う予定もないけれど記念にしておこう。

  乗客は拙者だけ。しばらく線路と並行に走り、東禅寺バス停は東藤原駅前だった。途中で年配の婦人が乗り、運転手氏が今日で異動となるらしく感謝の言葉を述べていた。その婦人はすぐに降りてまた拙者一人に。いなべ総合病院でも乗車はなく、貸切のまま阿下喜駅に着いた。

  電車を1本遅らせて街の探索に出る。駅前に阿下喜温泉あじさいの里という施設があるけど、せっかくならゆっくりしたいし今日は見送り。西桑名から北勢線の乗車券とセットになった割引券もある。さて、まずは坂を上って北勢郵便局へ。帰りがけに酒屋をのぞくも目ぼしい地酒はなし。三重県民は肝臓にアルコール分解酵素を持つ人の割合が低いらしく、そういえば三重の地酒は知らない。駅前に戻ってショッピングセンターなる看板を出した建物にも入ってみる。ところが書店と百円店と軽食コーナー(本日定休)があるだけで、ずいぶんショボイと思ったら、奥にまた別の建物があり、そちらが食品などを扱うメイン店舗らしい。ここで三重の地酒「天慶」があったので購入する。一緒に缶ビール(キリン一番搾り)を求めるとすいぶん安い。我が家の近隣スーパーはどこも顔負けである。地方ほど安売り要請が強いのであろうか。

  阿下喜駅と福祉バス(右) テレビ番組へのメッセージボード

  駅へ戻り、構内にはローカルテレビ番組へのメッセージボードがあり、街の自慢を書くようになっている。北勢線の乗車券は券売機発売ながらも硬券入場券はあった。

  北勢線電車(阿下喜駅) 西桑名駅を望む

  発車するとこちらも床下から重低音ドルビーサラウンドが響いてくる。4両編成のうち阿下喜方の1両のみが電動車のためパワー不足の感はある。北勢線には冷房車も増えているがこちらは非冷房のまま。通学生の間では冷房車に当たったか否かで一喜一憂する会話がなされているのだろうかと、自身の高校時代を思い浮かべる。でも今日みたいな天気なら窓を開けて風を入れたほうが気持ちがいい。

  東員では交換待ちのため4分停まるという。停車時間中に駅舎へいそいそと硬券入場券を求めに行くなんていつ以来だろう。ずっと乗っていたいけど非情にも線路には終点がある。次には温泉と合わせて訪れることにしよう。

  桑名では満席の快速「みえ」を見送り、始発の普通列車で名古屋へ。ホテル最寄りの丸の内までは地下鉄桜通線で。丸の内駅を降りると足許がでこぼこしている。ホームドア(可動柵)の設置工事中らしい。大都市で費用負担と車輌規格統一などの条件が整い、ワンマン運転でも差し支えない路線なら設置したほうがよいだろう。しかし今回のような停止位置ではドアが開かなくなってしまう。

  今夜の宿は東横イン名古屋丸の内を。チェックインして洗濯物をコインランドリーに放り込み、終了見込み時間が30分強と表示されたので、ホテル斜向かいにある雰囲気のよさげな店に入ってみる。

   

  店の名は「然」。カウンターのみで8席しかない。まずはビールに味噌串カツ、どて煮、ひじきを注文。(写真左手前はつき出しのキャベツ) ダバダ火振が見えたので1杯もらう(600円)。土佐と尾張のコラボ、これもなかなかいいじゃないか。今日は余力を残し、ランドリーの時間を見計らって40分ほどで退出する。乾燥機にかけている間にロビーのネットパソコンで昨日分のえにっき下書きやメールチェックなど。その後はフロントにあった周辺ガイドを手に適当な店を探すも、さっきよりいい店がない。というより独りでふらりと入って落ち着いて呑めそうな店が見当たらないのだ。したがってまた「然」の暖簾をくぐる。さっきマスターに「またいらしてください」と言われたけど、まさかこんなに早く来るとは思わなかったろう。唖然とした顔をされるのも無理はない。

  ここのメニューは煮物が中心で、男前のマスターが作る家庭料理がまたいい。値段も1品300円、串カツ1本90円と良心的で、『ありったけの小銭かき集め、今日もこんなに呑んじゃった

【行程】
[名鉄名古屋] 8:19(名鉄名古屋本線~津島線~尾西線 3579 =8両→須ヶ口から4両 540円)9:03 [弥富] 9:08(関西本線307M クモハ313-3026 =2両 190円)9:15 [桑名] 9:56(同2901D キハ75-206 =2両 230円)10:06 [四日市] 10:15(三重交通62系統 280円)10:35 [西日野] 11:00(近鉄八王子線 262 =3両 220円)11:08 [近鉄四日市] 11:30(同内部線 123 =3両 220円)11:47 [内部]~[内部駅前] 11:54(三重交通 53系統 500円)12:14 [ベルシティけやき通り]~[平田町] 13:28(近鉄鈴鹿線 2009 =3両)13:39 [伊勢若松] 13:41(同名古屋線 1434 =6両 430円)13:57 [近鉄富田] 14:04(三岐鉄道三岐線 804→保々から781 =3両 500円)15:01 [西藤原]~[西藤原駅東口] 15:09(いなべ市福祉バス 無料)15:29 [阿下喜] 16:15(三岐鉄道北勢線 201 =4両 460円)17:11 [西桑名]~[桑名] 17:42(関西本線342M クモハ313-3018 =2両 330円)18:10 [名古屋]~以下略