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日高川町指定管理改正で従業員が全町議に質問状 〈2016年6月21日〉

2016年06月21日 08時30分00秒 | 記事

井領・日高川町議会事務局長(左)に、全議員への質問状を
提出する指定管理施設の従業員


 日高川町が6月定例議会(17日閉会)に提案した宿泊施設(公の施設)などの民間委託業者を指定する選定方法を一部改正する条例について、議員から異論が相次ぎ、町が「条文再調整」として提案を取り下げた。これを受けて同施設などで勤務する町内の従業員らが、全議員から回答を求める質問状を20日、龍田安廣議長あてに提出した。質問状には、3年ごとに管理者が代わる状況に「職を転々としていると金融機関で判断されてしまう」「子どもの奨学金等の申請に苦慮している」など悲痛な思いを記している。

 同町では、公社が運営していた町内の宿泊や温泉施設など観光部門の施設を平成23年7月から民間委託し、公募によって3年間の指定管理業者を選定。最初の管理者は1期間で運営を終え、現管理者のフラット・フィールド・オペレーションズ(旧本家さぬきや)に引き継がれ、今年度で期限が切れる。
 6月議会に提案された改正案は、例外規定を設けて合理的な理由などがあれば、公募を実施せずに指定管理者の候補と成り得るものだったが、議員からは「競争原理を奪ってしまう」「新規参入を妨げることになる」などの疑問が相次いだ。この異論を受けて町執行部は「再調整が必要」として議案を取り下げる結果に至った。
 これらの議論を知った従業員らは「3年間で勤務先が変わる私たちの不安を理解してもらいたい」との思いで、地元の社員(契約社員含む)約40人とパート社員ら64人が署名と捺印を添え、町公施設指定管理施設従業員一同として議会への質問状を提出した。
 質問状には、運営が公社から前任の企業、現在の企業へと3年ごとに変わる状況により、金融機関や子どもの奨学金等の手続きで職場を転々としていると判断される弊害を説明し、「従業員のほとんどが町民である中、従業員の不安を配慮してくれているのか?」「従業員とその家族の生活を考えてくれているのか」「議員の皆さんに従業員の状況や気持ちを確認してもらいたい」と訴えている。
 また、現管理者のフラット・フィールド・オペレーションズが次回の公募に応募しない恐れもあると不安を表したうえで、早急に全議員から返答を求めている。従業員らは、議員からの返答を待って、町執行部に議案の再提案を訴えたいとしている。
 しかし、先の議案審議の質疑では、条例改正に否定的な議員が多く、新年度からの指定管理者募集に向けての公募時期も迫っており、スケジュール的には厳しい状況がある。町は「従業員の悲痛な思いを理解させていただいている。質問状に対して議員各位がどのような回答をされるのか見守って今後の対応を検討したい」と話している。


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