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日高川漁協がレトルト加工の新商品を開発 〈2015年4月23日〉

2015年04月23日 08時30分00秒 | 記事

日高川漁協が開発した新商品を市木町長(右)に
報告する大杉組合長


 日高川町松瀬、日高川漁協(大杉達組合長)が、同施設で育ったアユや秋の美味として知られる子持ちアユなどを原材料にしたレトルト加工の新商品を開発。加工施設「お魚工房紀州」での生産体制が整った22日に町役場町長室で発表会を行い、市木久雄町長らが試食した。大人気のアユとアマゴの「一夜干し」に続く新商品は、常温長期保存可能。稚アユや琵琶湖固有種のホンモロコの甘露煮、子持ちアユの煮付けなど9種類が揃い、試食した市木町長も「これはうまい!日高川の土産としては最高」と太鼓判を押した。

 同漁協では3年前、「日高川流域の名産品を育てたい」との思いから、加工施設「お魚工房紀州」を整備し、アユやアマゴを使った「一夜干し」の販売を開始。今では年間にアユの一夜干しが8~10万匹、アマゴが3~5万匹を売り上げる人気商品になっている。
 常温で3カ月以上の長期保存が可能な新商品開発を目指し、平成26年度地域経済循環創造交付金(1000万円)を活用した「川の恵み創造事業」として、高温高圧調理殺菌装置(レトルト装置、約1500万円)を導入した。これらの設備を生かして、秋の美味として知られる「子持ちアユ」、琵琶湖固有種で、同地元漁協から親魚を譲り受けてふ化に成功したホンモロコなどを使った甘露煮、アユのオリーブオイル煮など9商品の開発に成功し、年間を通してバラエティー豊かな日高川の幸が家庭で簡単に味わえるようになる。
 新商品は稚アユとホンモロコの甘露煮、子持ちアユの煮付けとみそ煮、アユの塩焼きと一夜干し焼き、アユのオリーブオイル煮とトマトクリーム煮、煮付けの9種類。第1弾で稚アユとモロコの甘露煮(50グラム入り280円)、子持ちアユの煮付け(サイズ別で260円から430円)を販売するほか、生産が軌道に乗ればサラダやパスタなどのイタリア料理にも使えるオリーブ煮やトマトクリーム煮なども販売し、年間に全商品で1万5000袋の販売を見込んでいるという。
 新商品を報告した漁協の大杉組合長と前田豊温参事は「国の支援を頂き、レトルト加工できる今まで考えられなかった異次元の商品を開発できた。臭みもなく、頭から骨まで柔らかく、子どもからお年寄りまで安心して食べられます。好評を得ている一夜干しに続いて新たな消費を喚起できると切望しています」と話し、9商品を紹介。試食した市木町長は「トマトクリーム煮などは初めて食べたが、パスタなどと一緒にすればピッタリ。どの商品もおいしく、手軽に食べられる。常温保存が出来て日高川の土産品としては最高だと思う。漁協で生産したアユなどがこのように商品化され、地元雇用にも繋がるなど町にとっても嬉しいこと」と喜んだ。
 新商品は、同組合事務所はじめ、日高川流域の温泉宿泊施設、産品販売所でゴールデンウイークに合わせて販売開始。新しい「日高川の幸」が行楽客らの土産物として人気を呼びそう。また、新商品の生産に伴って1年を通した雇用を生むことになり、就労の場確保の面でも地域に大きく貢献しそうだ。
 問い合わせは日高川漁協(電話0738・52・0224)へ。


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