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由良町の地籍調査が最終年度に突入、20年の歳月と9億円以上を投入 〈2015年4月18日〉

2015年04月18日 08時30分00秒 | 記事


 由良町の地籍調査が最終年度に突入した。平成7年度から着手した調査事業は26年度で現地調査が終了、今年度は前年度に実施した調査分の地籍簿や地籍図の作成に取り組み、今夏に地権者向けに閲覧を行う予定。その後、県や国土交通省の認証を受けて法務局に送付し、今年度で完了する見通し。進ちょく状況は98・5%で、20年以上にわたる年月と9億以上の予算を投入した大事業が大詰めを迎えている。

 土地の売買、相続に伴う分筆や公共用地の取得などの際、土地の正確な地籍(地番・地目・境界・面積・所有者)が必要となるが、明治初期の地租改正事業の調査記録を基礎にしたものが多く面積など不正確だったため、正確なものにしようと地積調査がスタート。
 これにより、用地買収において図上で合理的に売買交渉ができ、測量の費用や時間を節約できるなど公共事業の円滑化、正確な地図ができるため境界紛争予防の手段として所有者を保護する土地の利害関係の明確化、地震や津波など災害復旧の事業の円滑化、土地情報のシステム化などの効果があるほか、地積図をベースマップとして活用できるメリットも。
 由良町は平成7年度から事業開始。門前区の一部を皮切りに、中区、畑区、里区、阿戸区など順に実施し、平成14年度から外注が認められたのを受け、以降は業者に依頼。住宅地など集落から取り組み、21年度からは山林に着手し、地権者立ち会いで、土地の境界・面積などを調べる一筆調査や測量を実施。26年度は畑区の一部で行い、調査が終了した。
 調査面積は全体で30・73平方キロメートル。今年度は地籍図の作成などで320万円を予算化しており、総事業費は約9億1500万円(うち国が2分の1補助、県と町で4分の1を負担)。
 産業建設課では「地籍調査は、様々な公共事業を進める際に、測量にかかる費用や時間を節約できたりと、いろんな面で役立つ必要な事業。地籍は後世に残るので、その事業に携われることができ良かった」と話している。
 県内では30市町村すべてで事業を実施しており、県平均の進捗率は37・2%(平成26年度末見込み)。平成25年度末の都道府県別進ちょく状況を見ると、和歌山は36%と近畿では最も高い。県内で地籍調査が完了しているのは日高町、太地町、岩出市の3市町だけ(26年度末現在)。


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