紀州新聞 THE KISYU SIMBUN ONLINE

和歌山県の御坊市と日高郡をカバーする地方紙「紀州新聞」のウェブサイトです。主要記事、バックナンバーなどを紹介。

御坊市薗地内の下川拡幅完成、6月に事業完了 〈2015年4月19日〉

2015年04月20日 08時30分00秒 | 記事

河川拡幅、護岸工事が終わった下川


 県が平成21年度から着手していた御坊市薗地内の下川河川改修事業が6月に完了する。県道井関御坊線の茶免橋(御薗橋)架け替えをはじめ、川幅を約3・5メートルから約6メートルに拡幅する護岸工事、左岸の市道拡幅工事、右岸の道路新設工事を行い、残るは右岸の道路舗装だけ。快適な水辺空間に生まれ変わっており、長年の懸案だった大雨時の浸水被害解消が期待される。総事業費は県、市あわせて約4億円。

 下川は西川水系のひとつで、藤田町吉田地内から旧御坊町内を通り西川に合流する延長4080メートル。川幅が狭く、河床も低いことから集中豪雨や台風の度に氾らんを繰り返し、特に茶免橋周辺は道路冠水や床上・床下浸水被害が深刻で地元町内会らが早期の改修を求めていた。要望を受けた県が浸水実態調査などを行い、まず川幅が狭い個所の局部改修に着手した。
 改修区間は茶免橋から下流90メートルの徳太夫端橋(市道)まで。茶免橋の架け替え工事から始め、旧橋を解体撤去したあと、新橋(延長7メートル、幅員4・7メートル)を架設。橋は寺内町観光ルートの一つで、景観に配慮して高欄(高さ1・5メートル)に紀州材のヒノキを使用した。4本の親柱と笠木にはヒノキをそのまま使い、鋼管はヒノキで化粧した。平成25年6月に竣工式、渡り初めを行った。
 その後、護岸工事と道路拡幅・新設工事に着手し、このほど完成した。川幅が前の2倍弱に広がり、護岸もきれいに整備されている。市防災対策課によると、拡幅後に民家への浸水被害はないということで「拡幅の効果はあった」としている。拡幅にあわせて左岸の市道新町通線を幅員3メートルから6メートルに拡幅し、右岸には新たに幅員4メートルの管理道路(完成後は市道)を新設した。主要工事はすべて終わっており、残るは管理道路の舗装だけ。総事業費は県が3億7000万円、市が3700万円。
 改修に伴い 旧茶免橋の脇にあった茶免地蔵は、橋から南にある同志会会場の敷地に移転。茶免橋、茶免地蔵は寺内町の南端に位置し、歴史的に寺内町の面影を残す貴重な文化遺産であり、茶免地蔵があったことを示す碑の設置を求める要望を受け、県が茶免地蔵の説明を入れた石碑を建立することにし、6月の事業完了までに設置する。
 今回の改修工事はあくまでも局部改修のため、徳太夫端橋(市道)から下流の大和樋門までの約570メートル区間の対策も必要。御坊下川河川愛護会や沿線町内会が(1)泥の除去による河川空間の改善(2)大和樋門上流のしゅんせつと河床整備(3)河川護岸の補修(4)河川護岸に放置された不法工作物の撤去-を求めており、市から県に対し、早期事業化を働きかけている。


その他の主なニュース

 大阪大学大学院の佐々木敏光さん(旧美山村浅間出身)故郷の椿山ダムをテーマに修士論文

 印南町で民泊事業に取り組む「いなみかえるの宿」がそば打ち講習会

 印南町の川又観音会式にぎわう

 森下町長、鈴川議長(美浜町)がカナダのブリティッシュコロンビア州和歌山県人会創立50周年記念式典に出席へ