紀州新聞 THE KISYU SIMBUN ONLINE

和歌山県の御坊市と日高郡をカバーする地方紙「紀州新聞」のウェブサイトです。主要記事、バックナンバーなどを紹介。

印南町の宇杉ケ丘団地、分譲予定の69区画を完売 〈2015年4月15日〉

2015年04月15日 08時30分00秒 | 記事

11年かけて完売となった宇杉ケ丘団地


 印南町が分譲中だった宇杉ケ丘団地は昨年度、4区画を分譲、1区画を定期借地権設定契約し、分譲予定の69区画を完売した。分譲が思うように進まない時期もあったが、定期借地権制度を導入したり、価格の値下げといった取り組みのほか、東日本大震災以降、高台にあることから人気を呼び、平成16年度の分譲スタートから11年での完売となった。

 宇杉ケ丘団地は造成地事業で平成13年から印南地区など住宅密集地の解消や定住人口の増加を目的に3年間かけて整備。総事業費約9億8000万円をかけて山林約5・2ヘクタールを開発し、71区画の宅地を造成。平成16年度から分譲をスタートし、初年度は18区画、次年度10区画、3年目は8区画と順調な売れ行きだったが、景気低迷の影響などもあり、平成19年度から4年間の販売は6区画にとどまるなど激減した。
 打開策をと町は販売促進を図るため(社)県宅地建物取引業協会と「分譲紹介に関する協定」を締結したり、一般定期借地権制度を活用し住宅を建設する条件で一定期間土地を貸し付ける借地権制度を導入したほか、平成23年9月には売れ残っていた26区画の分譲価格を最大で400万円値下げするなど販促に取り組んだ。
 また平成23年に発生した東日本大震災以降、高台が脚光を浴びたことや販促の取り組みの効果も現れ、平成23年度は分譲4、借地権1、24年度は分譲5、借地権2、25年度は分譲6、借地権2と売れ行きを伸ばした。昨年度は4区画を分譲したほか、1区画が借地権契約し販売を予定の69区画の分譲を終えた。
 購入者の約半数が町外者を占めるほか、20代~30代の家族連れの若い世代も多い。町は分譲とは別に、団地の一角を無償提供し賃貸住宅を民間事業所(個人)に建設してもらう「賃貸住宅建設用地貸付事業」にも取り組み、団地内に木造2階建て9棟(延床面積76・65平方メートル~88・50平方メートル)の賃貸住宅が建設されており、町外からの転入者呼び込みや定住人口流出の歯止めに効果を上げている。
 完売が難しいかと思われた時期もあっただけに町は「借地権制度の活用など様々な取り組みが功を奏した」と完売を喜んでいる。


その他の主なニュース

 交通安全協会御坊支部が管内小学校新入生にランドセルカバーを配布

 日高川町が紀の国わかやま国体に向け「炬火名」募集

 印南町で農家民泊事業に取り組む「いなみかえるの宿」が総会、会長に庄田さん再選

 19日 美浜町・煙樹ケ浜多目的広場でフリマ(出店51区画)やバンド演奏