筋肉
~修練と節制~
☆初めに☆
今日は身体の話。カテゴリーは久しぶりに「武道」です。ビギナー編ですが、大切なことです。
いつも断ってるように、それほど通ってないけれど、ご贔屓の和食処「和さび」で夏を味わいました。ついこの間、何故か脂の乗っている戻りガツオが上がったという話や、メヒカリのから揚げを肴にビールでのどを潤しました。
谷中生姜の肉巻きフライ! 夏はビールに、これです!
大将&女将さんとの間で、いつの間にか話し込んだのが「筋肉」のことです。逆らってはいけない、でも大事にし過ぎてもいけない自分の身体。私が今でも無事に居ながら得ていることに感謝すると同時に、今までに至る間の幸運と努力は書き留めておいてもいいなと思ったのです。これからも身体の変化に対応して行きたいと感じた次第です。
1 筋肉
ここのところ、知り合いが立て続けに脊柱管狭窄症の手術をした。私は手術に反対したのだが、大体が踏み切ったのである。この病気と十年を越える付き合いを続けるベテランの私ではあるが、初めの頃は、この苦しみから逃れられるならと、何度か手術も考えた。でも、脊柱管狭窄症の手術をした人で、直ったという話を聞いたことがないという、療法士や友人の話を聞いて思いとどまった。医者(整形外科医)の処方は、どうせ決まっている。痛み止めの薬・湿布、そして手術。以上だ。初めに(知り合いに)連れていかれた医者のひと言が、今でも役に立っている。
「あなたの筋肉なら何とかなります」
「治る」と言われたはずだが、「この病気と付き合って行けます」という意味あいだったと思う。この「筋肉」が意味することを、未だに吟味している。以前は、骨や関節を筋肉で固め守ってしまう、程度の理解でいた。若いうちはそれでいいが、そうは行かなくなる。加齢に伴う痛みは、若さの喪失が原因だ。例をあげれば、事故などで骨折した場所が老後に疼きだす。それまでカバーしていた筋肉が衰えて、骨や関節が痛み出すのだ。だから筋肉をもとに戻せばいいのだが、高齢となった体には、以前のような復旧が困難となっている。それで医者は「手術」という。しかし、骨折経験者ならご存じだが、骨折治療中、筋肉は固く細くなり、かつての姿は見る影もなくなる。これをリハビリで戻していく。若い時だったら、細い枝のように固くなった手足も、何か月かあれば回復する。しかし、話題にした脊柱管狭窄症の手術をしたらどうなるのか。多くは高齢者だ。手術後は数か月安静にするが、その間、体幹(腰)部分の筋肉が衰え固くなる。術後に「全く動けなくなった」というのは道理だ。リハビリも、若い時のようなわけには行かない。ミリ単位で可動域を拡げ、グラム単位で負荷を増やして行く。しかもそれは、一日にしてならず。月単位での根気のいる作業だ。その道筋を示している医者がどれだけいるのだろう。「とりあえず痛みを取り除きます、動けなくなるけどね」とは絶対言わない。内視鏡による手術は、すぐのリハビリを勧めるというのだが、一般の手術では数か月の安静が要る。老人の身体は、その間に別人の身体となる。医者は「動けなくなったけど、手術は成功した」とかいう迷妄を、ぬけぬけと言う。ここは、手術後にやるものを、手術せずに行う。普通は激痛としびれで出来ないが、整体や針灸などで痛みを緩和して行う。この適切な理学療法士を見つけるのが大変なのだ。相手がヤブだろうが名医だろうが、自分に合う治療かどうかは別だからだ。個人的資質・事情が絡むからだ。自分の耳と足で確かめる以外にない。
2 体重
若い時と違うものがまだある。体重。飲み会の後、体重を計ると3キロも増えてたりする。若い時は、翌日断食すれば戻った。これが40代後半ぐらいから変わる。断食しても容易に体重は戻らず、しかも体調を崩す。気まぐれで不健康な断食が身体にいいはずがない。加齢に伴い、荒療治が不可能になったのである。この身体の変化に気づいて運動を増やしたものの、まず効果はない。8枚切り食パン1枚のカロリーが、ジョギング2キロ分⁉と、目を丸くする。基礎代謝が落ちた、要するに、食べたものが、骨や血や筋肉にならない年齢となったのである。食べる量を減らすしかない。それは心身のストレスにならないよう、たまに「ご褒美」も入れて時間をかけて少しずつ。それでやっと「新たな食習慣」となる。自堕落な(酒に飲まれ食べ物に食べられる)状態から、これ以上食べて(飲んで)も美味しくないナと気づく。そしてついに、腹八分で「ご馳走さまでした」が出来るようになる。
3 重心
最後に入門レベルだが、無駄のない&無理ない身体の使い方を考えてみよう。これも若いうちは気づかず、無理な身体の使い方をする。それで何とかなってしまう。無理が禁物であることを念頭において、人間が持っている重心やバランスとのやり繰りで、まだ出来ることはある。へたっぴな作図ですが、ご容赦ください。
重い荷物を持ち上げようとしている。膝を使って持ち上げる左が正解。対して右は、これから上体を起こして荷物を持ち上げようという。身体と荷物両者が作る重心は、左側は太ももあたりにあり、右側はほぼ荷物側にある。どちらも最終的に、身体の重心(腰)周辺に荷物は納まる。しかし右側は、収まる前に身体が悲鳴を上げる。大変な腕力が必要なだけではない。すべての重量を引き受ける腰に尋常でない負荷がかかる。自分の上体(30~50キロ)も負荷となっているので、体調が悪ければ荷物がなくても同じことが起きる。武術に話を移すと、相手と自分の間にある重心を見極めることが大切なことは、以前にも書いた。相手との間にある重心を向こう側に移すか自分に引き寄せれば、相手は動きを制されるか倒れる。生活習慣と身体操法を考えてみたい。
☆後記☆
ということで、今回はイントロ。今回の事例は、誰もが経験&工夫をしていると思います。さて、明後日は代々木体育館において、山口剛史先生率いる剛柔流空手の全国大会があるのです。その報告と共に、今回の捕捉をします。ぜひやってみてください。痩せぎすの武術家が、マッチョな相手に引けを取らない理由の一端も、ここにあるのです。
って言っても。いやぁ、その全国大会も、台風次第なんですよねえ。どうか、海の彼方に行ってくれ~🌀
☆☆
そしてとうとう、明日で8月も終わり。夏休み終わってしまいますねぇ。なんてこった。以前は、夏休みが終わる一週間前ぐらいになると、むせ返るぐらい身体中にエネルギーが充満したのですが、最近は違います。体育祭が9月に開催されなくなったからです。って言うと、オマエは体育祭がどうなろうと関係ねえだろ、といわれそうですが、やっぱり違うんですよ。中学校では一番無くてはならない行事なのに!と、未だに思うのです。それが10月開催という学校や、春に開催する学校が増えた。大体が縮小傾向。猛暑が元凶です。そこにコロナが追い打ちをかけた。9月に体育祭のない学校なんて、クリープを入れないコーヒーみたい、って分かる人は少ないことでしょうネ😢