kotoba日記                     小久保圭介

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往来の道に立ち

2018年08月16日 | 生活
わたしは彼を
待っていた
小さな交差点に
自転車を停め
背広姿の彼を待っていた

彼が歩いてくる方を見て
彼ではない人に彼を重ねて
現われたら
会うことができたら
「どう?」
って言うだけの
ことだった

30分待って
来なかったら
帰ってゆこう
時計を見て
そう決めた

結局
彼とは会えなかった
それは
会うなということ

会っても幸せ
会わなくても幸せ
友が往来するだろう
道の上で
彼の心が
いつまでも
元気で
飛び跳ねるとまでは望まない
静かに今日のできごとに
憂いなく
わずかな喜びが
ひとつでもあったなら
それで良い


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歌になってゆく

2018年08月16日 | 生活
何カ月ぶりだろう
半年
いやもっと

しるこサンドを食べながら
コーヒーと紅茶を飲みながら
話していると
窓の外
西の空に雨が降る
雨のことについて
話さずに
違うことを話していた
あ 雨
とは言ったけれど

ゆるやかな時間が流れてゆき
その上をわたしたちは
小さな舟にのって
たゆたっている
いつ会ったのだろう
どこで会ったのだろう
前の世までは判らずに
今の世で会っている

ご縁ですから
そんな言葉が
雨の一粒一粒になっては
アスファルトにおおわれた
地面に降ってくる

自然な感じでいられる幸せ
気取らず
時に分かち合い
時に分かち合わない

歌が聞こえる
歌わなくても
言葉が書かれる
書いていなくても

わたしたちは
歌になって
雨が上がった空の下
それぞれの道を歩いてゆく
じゃあまたね
なんて
差し障りなき言葉の内実の
深き思いの
熱きもの
それを抱えて
暮しの細かに戻ってゆく

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