千の天使がバスケットボールする

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ハーバード白熱教室@東京大学 日本で正義の話をしよう

2010-09-27 22:17:21 | Nonsense
あの門外不出のハーバード白熱教室がやってきた!
8月25日に東大生(300名程度)と抽選で当たった一般の番組視聴者あわせて1000名程度の受講者らの白熱した議論がかわされた。その模様が「ハーバード白熱教室@東京大学 日本で正義の話をしよう」というタイトルで、ETV特集で放映された。

「イチローの年俸は日本の教師の平均所得の400倍、オバマ大統領の42倍。これは公正か?」
「東大入試の合格点のギリギリで達しない生徒の両親が、大学の5000万ドルの寄附を申し出た。このお金があれば大学は新しい図書館も建てられる。入学させるべきか?」
「殺人容疑をかけられている兄弟をかくまうことは兄弟として正しい行いか?」
「オバマ大統領は広島・長崎への原爆投下に責任があるか?」

開始を待っている満員の受講生の前に颯爽と登場したサンデル教授。日本の友人から、日本人は積極的に議論をしないのでこれまでのハーバード流の講義は難しいかも、と事前に忠告されていたせいであろうか、その表情にはちょっと緊張気味の様子が伺われた。また安田講堂内部が、実際にハーバード白熱教室が行われている教室によく似ていることから、まるでハーバードのような錯覚すら覚える。
次々とマイケル・サンデル教授から難問がふりかかる。ある学生がサンデル教授から究極の選択問題を問い詰められて、「それは難しい」と思わず本音をもらしてしまったら、すかさず「だから聞いているんだよ」と苦笑いをされてしまった。確かにどの問題もそんなに即答できないくらい難しいのだが、教授の質問に大多数の人が果敢に挙手をしている姿には、実に驚いた。ちょっとまずいこと言っちゃったり、幼いことを言っちゃったりしても顔つきでテレビで放映される可能性があるんだよ、いいのか、大胆にもはりきって手を挙げちゃったりして、そんなテレビを観ている側のはらはらどきどきは、むしろ失礼なくらい、彼らは真剣に堂々と議論をしていた。やるじゃん!!日本人はシャイなんていう言い訳は、この場では通用しない勢いだった。

番組のはじめにある青年が、僕たちは新しい日本人だと流暢に英語で語っていたが、確かに横並びの旧世代とはあきらかに違う。相手が難関の東京大学の学生ということで、理論的に思考する訓練に慣れているという事情もあるかもしれない。しかし、回答に迷っている様子はあったが、周囲の様子を伺ってから自分の立場を決めようなんて人はひとりもいなかったようだ。私の勤務先でも番組を視聴して講義の評価は上々、刺激に満ちていておもしろかったとのこと。(アロハ・シャツを着たアキラさんは、ママたちの間ではなかなか好かれていたようだ。)ところで、みんなが一様に関心をもったのが、彼らの英語力。東大の入試を突破できる能力があるのだから、英語で文章を書くことには苦はないだろうが、発音が流暢で英会話に慣れていると思われる方がけっこういたということだ。彼らは帰国子女か。今の時代、帰国子女は全く珍しくないのだが、なかでも東大は帰国子女率が高いのかもしれない。

最後の教授の若い人へのメッセージを聞いて、大事なことは教育、人を育てる講義だということも感じた。講義に参加した青年が、教授をオーケストラの指揮者のようだと感想を述べていたが、全体を統率してリーダーシップを発揮、確かに素晴らしい講義であることを実感した。ダークスーツにきれいなブルーのシャツのダンディさも、好感度大。

■アーカイブ
・著書「これからの「正義」の話をしよう」
「白熱教室」課外授業

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