千の天使がバスケットボールする

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『Amakudari The Hidden Fabric of Japan's Economy 』

2009-08-24 22:20:59 | Nonsense
衆院選:期日前投票1.5倍 有権者の関心高く
総務省は24日、衆院選の期日前投票について、19日から23日までの5日間で305万5634人に達したと発表した。前回05年の同時期(201万4072人)と比べると1.52倍に伸び、全有権者の2.93%(前回は1.96%)がすでに投票した。各党が政権交代の是非をかけて激しい選挙戦を繰り広げる中、有権者の関心の高さがうかがえる結果となった。(09年8月24日毎日新聞)

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今度の日曜日は選挙だ!
「日本の未来が危ない」なんちゃってるんだ。ここまで危機的状況にしたのは、当の自民党ではないかっと言いたい。「自民党は雇用を守ります」そんなそらぞらしい嘘の宣言、もう誰も信じないと思うが・・・。報道によると民主党の有利が伝えられている。民主党がよいというよりも、国民の怒りが反自民党の流れとして民主党支持にまわているのではないだろうか。

その鳩山民主党は、日本政府の「大掃除」を公約に掲げているのだが、官僚の「天下り」、特殊法人へのスライドや「渡り鳥」(別名、高給鳥」といった不透明で腐敗したムダだらけの自民党利益誘導政治を大掃除してきれいにする予定である。我々の税金も、本来使うべきところへ、必要な人々の手元に届く前に、官僚の中間搾取といううきめにあっている。これらの高給鳥は、最近では世間の批判を避けるために退官後すぐに民間企業に天下りをしないで、特殊法人という止まり木で一旦羽を休めてから民間の役員へと飛び立つ迂回型に習性が変化しているという。そんな日本の「Amakudari」を米国の社会学者、外国人の視点で記されたのが本書である。

と言っても、私は未読。(全く語学力の貧困を後悔する。アマゾンのなか見検索で読むとそれほど難しくないようだが。)雑誌「選択」で連載されている「本から見る地球」で本作をとりあげていたので興味があったのでご紹介まで。

そもそも「天下り」という言葉を最初に世に送り出したのは作家で社会評論もしていた内田魯庵で、1902年に「社会百面相」で使用して以来、すっかり日本の社会になじんでしまった。しかし、それが官僚機構に巣づくりをしたのは、38年の国家総動員法で、勇退する高級(高給?)官僚の鳥たちの再就職先を確保するのが、各省の事務次官と官房長の主な御仕事となってしまった。特殊法人へのスライドは、財務省、経済産業省、農水省が最も多い。関西空港などの80年代の「民活」は、理念はともかく官僚機構の影響力を拡大する効果があったため、官僚や族議員には評判がよかった。確かに官僚はとても優秀だし、実際の給料のわりには猛烈に働くのだから、定年後の天下りでようやく帳尻があうとも聞く。そして、「選択」の記事によると「天下り」ネットワークは、官僚機構が政治や経済秩序の安定と組織防衛のためのシステムとのこと。公共事業とともにそのシステムは日本にしっかり根付いている。

しかし、米人ジャーナリストのアレックス・カーはこう断言もしている。
「日本の硬直した官僚制が90年代の”日本の失敗”をもたらした」と。
今の政府に、私たちは信頼をおけるかと問うたら、少なくとも私ははっきり「NO」である。ここまで政府とその機構に不信感を抱かせてしまったのでは、もはや長年のムダと埃を一掃すべく「大掃除」をしたいと思うではないか。

『Amakudari: The Hidden Fabric of Japan's Economy』   
Richard A. Colignon Chikako Usui

About the Author(アマゾンより)⇒
Richard A. Colignon is Associate Professor, Department of Sociology and The Center for Social and Public Policy, Duquesne University. He is the author of Power Plays: Critical Events in the Institutionalization of the Tennessee Valley Authority. Chikako Usui is Associate Professor, Department of Sociology, Graduate Program in Gerontology, and Center for International Studies, University of Missouri-St. Louis.

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