千の天使がバスケットボールする

クラシック音楽、映画、本、たわいないこと、そしてGackt・・・日々感じることの事件?と記録  TB&コメントにも☆

「ナイトミュージアム2」

2009-08-15 15:49:53 | Movie
お盆だ!やっぱり今年も猛暑だ!民族大移動中の道路は台風と地震の余波もあって更に渋滞が予測される。もう、やってられない。。。
・・・というわけで涼しい真夜中のパーティに行ってみませんか。会場は、ワシントンDCにある世界最大規模のスミソニアン博物館!

ニューヨークの自然博物館が、改築のため休館中。展示場所のない多くの展示物は、スミソニアン博物館に疎開されることになった。本来だったら残るべき石板も、一緒に誤って移送されてしまった。とんでもなく広いスミソニアン博物館の地下倉庫の一角に、囚人にように押し込められているジェイダイアから緊急の助けを求める電話が入ったのが、元警備員にして今や発明家としてベンチャー企業の社長になったラリー(ベン・スティラー)。
よみがえってきたのは、世界制服をねらう古代エジプト王の残虐王とよばれたカームンラーや、彼と共謀するナプレオン、イワン雷帝とアル・カポネ。なかなか国際色豊かで個性派の粒ぞろい。救助と事態の収拾のために、再び警備員の服をビシッと着て巨大な博物館群に潜伏していったのだが。。。

多少の事情があって、全く好みではないこのタイプの映画を、字幕ではなく”吹替え版”で鑑賞することになった。前作を観ていないために最初こそ登場人物像が把握できなかったが、次々と登場する歴史上の有名人たちのキャラクターが、あまりにも類型的で直球のどまん中、そのため本来の本作のターゲット層ではないオトナには逆に製作側のギャグねらいの意図が感じられて興がそがれ、オトナになってしまったつまらなさもちょっぴり味わう。ナポレオンが実は小柄だったことをコンプレックスに感じていたと会話の中で紹介したり、逆にリンカーンは長身だったことを巧みに映画の演出でいかしたりする場面では、そんなの知っているよーっなんて思ったり、カスター将軍をかけ声はよいが実は大風呂敷の気弱なタイプの米国男性、女性として世界ではじめて大西洋を横断したパイロット、アメリア・イヤハートを金髪と赤い唇のチャーミングな”女”でありながら昔のウーマンリヴの闘士のような発想の持主になっているのもあまりにも定番で食欲がわかない。

まあそうは言っても、18禁映画には入れないお子ちゃまたちとはこのてのおもしろさをわかちあえないかもしれないが、騒動が大きくなりスピードとCGの多様が、にぎやかな祭りとなってさすがに幅広い年齢層で理屈ぬきに楽しめる点でやっぱり価値ある1作。この”理屈ぬき”に楽しめる夏休みというのが、いっそいとおしいのが、本作を観に行った諸々の事情にも通じている。
哲学者のゲオルグ・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲルが、「法の哲学」の序文で記した有名な一節がある。

「理性的であるものが現実的であり、現実的であるものこそ理性的である」

今存在している現実を把握することが大事だったとしたら、ありえないことを理屈ぬきに楽しむことも理性的でもありきかな。ラリーのキレのよい動作は、超クール!!

ところで、本作の吹替えがとてもよくできていると感じたのだが、字幕は毎度おなじみの戸田奈津子さんだが、監修に放送作家の鈴木おさむさんが参加していた。ママになって頑張っている辻ちゃんが「私でもわかる」と絶賛している吹替えは、この私でもわかるギャグに仕上がっている。なかなかの”good job”である。ちなみに各登場人物を日本人が演じた場合のキャスティングが、鈴木さんによると顔が濃くて悪そうなファラオは中尾彬さん、背が低いことにコンプレックスを持っているナポレオンは爆笑問題の田中さん、ラリーはナインティナインの岡村さんとのこと。なるほどっ、もしもこのキャスティングで3が製作されたら数倍おもしろくなるはず!

監督:ショーン・レヴィ
2008年 米国制作