千の天使がバスケットボールする

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どうなる人民元

2005-10-10 17:50:11 | Nonsense
どうなる「イタズラなKiss」の琴子と入江くん!ようやくハワイで結ばれた(◎◎)ふたりだが、まだまだ波乱万丈の様子。というよりも、琴子があまりにも近視眼的過ぎる。全くなにも考えていない奴だなのだ。まるであの頃の自分と同じなのだが。。。
やはり何事も長期的な予測と展望をもたなければ、ということで久々に「週刊エコノミスト」を手にとり、ミスター円と称えられた榊原英資氏が、「切り上げ」ととるのでなく「為替制度の弾力化」ととるべきだと主張する、中国人民元の行方を考えたい。

琴子と入江くんがハワイに新婚旅行にでかけた1993年頃といえば、まさに空前の円高だった。日米協調で円売り・ドル買いの為替介入も大幅に実施された頃である。1985年9月22日NYの高級ホテル、プラザホテルで行われたG5による通貨調整合意の時点では、1ドル=240円、翌年には1ドル=120円にまでレートが変わったという歴史転換点から、もっとも円高になった時期でもある。中国政府は、このプラザ合意以降の、円高不況からバブル、その後のバブル崩壊までの日本経済の過程を真剣に研究しているという。
7月21日に対ドルで2.1%変動した人民元であるが、政府直属の社会科学院経済研究所の張曙光研究員(エコノミスト)によると、今後の切り上げが5%の場合でも失業者は最大で300万人以上、20%では1000万人以上が失業するという予測である。すでにドル建輸出契約を進めて、68万元(1000万円弱)の為替損失をだしている繊維会社は、これ以上の追加切り上げがあれば会社が潰れるという危機感に悲鳴をあげている。

それ以上に怖いのは、中国が年々積み増ししている外貨準備高である。為替レート維持のために、流入する膨大な外貨を人民銀行が買い上げる中国の政策のために、外貨建て資産は、6月に5兆4698億元にまで膨らんでいる。しかも人民元の先物買いをねらって津波のようにおしよせる投機スジの、熱銭(ホットマネー)は加速する一方だ。介入から生じる過剰な人民元を公開市場操作で市場から吸収するために、人民銀行は中央銀行手形を発行するという不胎化措置を実施。今のところ国有銀行が順調に購入しているが、このまま手形の発行量が増えつづければ、金利をあげる必要が生じる。そして殆どの外貨を米国債で運用しているため、中銀手形の支払利息(1年もの1.32%、6月までの発行残高は1兆6341億元)が、米国債の受取り利息を上回るという逆ざやとなれば、一気に収益が悪化するであろう。すでに2%の切り上げで人民銀行は、840億元の評価損が発生している。

私の予測では、最低でも3.5%は近いうちに人民元は切りあがるというところだが、どうであろうか。2.1%という微妙なレートは、昨年米フォーブス誌で世界で影響力ある女性2位にランクインした、中国の「鉄の女」といわれる呉儀副首相による意見の影響が大きかったという。この慎重な一歩は、当面賢明で正解だった。しかしディズニーランドの開園と同時に、怒涛のようになだれこむ熱銭は、もはやおさえきれるものではないのでは。貸借対照表を、バランスシートとはうまくいったものである。今後中国は、まるでサーカスのようにきわどい綱渡りをしていかなければならない。それは、まるで中国雑技団のような難技を。