千の天使がバスケットボールする

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フジVSライブドア終結宣言

2005-04-19 23:42:50 | Nonsense
フジ、ライブドアが提携合意 2カ月の買収攻防に幕 (朝日新聞) - goo ニュース

70日間に及ぶライブドアVSフジテレビの劇場型仁義なき戦いは、当初の懸念どおり想定の範囲内で手打ち式を終えた。
つまりホリエモンのかかげる”メディアとインターネットの融合”という新しい風が吹く前に、買い付け価格と同じ価格でフジテレビに株の譲渡とはいうものの、440億円の第三者割当増資引き受けを承諾させ、実質高額なmoneyを一挙にせしめた、ということだ。

それともライブドアの株価下げで資産価値も急落しているから、双方ともに痛み分けといえなくもない。
そしてやっぱり、というか誰もが最初から予測していたように、当然のごとくリーマン・ブラザースは確実に大もうけ、村上ファンドも漁夫の利を得ているはずだ。

プロ野球参入とこの買収劇でさほど知らなかったホリエモンという人物の、新世代経営者の横顔は。

「お金で人の心は買える」「女は金についてくる」こう豪語しているから、旧世代の浪漫派からはすっかり嫌われてしまったが、私にはホリエモンの寂しい独り言にも聞こえる。お金以前に、もっと大きなビジョンと意気でビジネスに関わる人物はけっこういるのである。そのような大なり小なりの物語は市井にうずまっている。NHKの「プロジェクトX」だけではない。もっとももしかしたら、ホリエモンは、そういうビジネスの関わり方そのものを否定しているのかもしれないが。
それから女性。確かにお金についていく女性は多いだろう。特にお金もちには自然とそういう女性が集まるものだ。しかし、逆にいえば、ホリエモンが本当に好かれたのは自分でなく、銀行の通帳だったということを告白しているともとれる。なんともいえない孤独で寂しき実像だ。

ただひとつ弁護したいのは、彼のカジュアルなスタイルを旧世代の方達は非礼だと非難するが、若々しく経営のスピードを期待させてくれるいでだちである。あのビル・ゲイツだって、記者会見の席ではボタンダウンのシャツにセーターという清潔なアメリカンカジュアルでいどんでいる。もしホリエモンが高級なイタリア製のスーツなどお召しになっていたとしても、それこそ老けてみるし金満家の悪いイメージもただよいそうだ。但し、女性の目から見てひとこと、太めの男性は好みだがTシャツを着るにはあと数キロ体重をしぼるべきだ。

そして新聞は経済、テレビは娯楽に特化という考え。
それも結局、金儲けのための情報提供と娯楽しかメディアの役割は必要ないという考えなのだろう。買収されそうになったとき、公共放送うんぬんとフジテレビ会長はのたまっていたが、そんな大義名分を失笑されるようなお粗末な番組がフジテレビには多いとは思う。しかしながら、メディアの重要な役割としての”報道”という原点でもあり真摯な概念を無視しているところに、ホリエモンがなにを考えているかわからない奴だという反発にもつながるのだろう。インターネットが普及したら従来の紙ベースの新聞は不要になるという予測もあるが、私は今後も新聞は報道機関のひとつとして生き残ると考えている。

買収という経済行為から始まった今回の劇ではあるが、メディアにおける役割をも考えさせられた終幕でもあった。