勇気にも、アメとムチがよく効く。

2012年10月17日 | 勇気について

5-6-1.勇気にも、アメとムチがよく効く。
 ひとは、不快を避け、快を求める。より価値あるものを欲求し、反価値物を避けようとする。勇気では、犠牲・不快を受け入れるが、それは、それを凌駕する価値物が獲得可能となるからであろう。勇気をだしても得るものがないのだとすると、残るのは犠牲・苦痛のみであるから、ためらいがちとなろう。損得勘定で勇気も動く。虎穴に入り危険を冒す勇気を出すのは、虎児を得るという価値物獲得のためである。勇気を鼓舞するには、勇気を出したら大きな価値物が獲得できるとか、快がもたらされるようにすることである。反対に、勇気を出さない場合には、大切にしているものを奪うとか不快を与えるように仕組むことである。アメ・報奨を準備したり、逆に、臆病にはムチ・罰を与えると勇気促進に効果的である。
 戦国の武士たちは、命知らずで勇敢に戦った。それは、一族の生活そのものがかかっていたからであろう。武勇には、土地等が報奨として与えられ、地位が与えられたからである。へびは見るのも嫌なひとでも、シマヘビを首に巻いたら一億円になるというのだったら、欲があれば勇気をだすことであろう。
 罰・ムチも、勇気には、よく効く。戦闘に際して、逃げる者は射殺すると言われたら、皆勇敢に戦う以外なくなる。スポーツで、これで負けたら二軍落ちだとか補欠だといわれたら、背水の陣であり、持てる最大の力を出し、渾身の勇気をふりしぼることであろう。