5-3-4-6. 入る分とちがい、出る分は、ほとんど自由にはならない
食べたものは、消費されて出て行く。出る分のうち、体温・呼吸・循環などの生命維持に使われる基礎代謝は、さしあたりは変わらない。自分の意志で自由になるものではない。若干でも自由にできる出る分は、運動ということになる。
節制は、入る分、快楽欲求を制御するもので、運動には、直接は関与しない。ただ、入れる分が過度になるかどうかは、消費して出す分の量によることで、間接的には、節制が配慮すべき領域に入る。
5-3-4-7. 運動は、健康促進に必須で、やり方によっては肥満解消にも役立つ
効果的な肥満対策の運動は有酸素運動で、遅筋を働かせ酸素を使うウォーキングなどをすると脂肪が燃えて減量になるといわれる。基礎代謝の増大には速筋の増強が必要で、この速筋は、激しい瞬発的な運動をにない糖質を使うようである。
運動は、健康に資するが、体重の減量の中心にはおかない方がよい。わずかの運動では、食欲を増進させるだけである。減量用の運動は、通勤を徒歩にするなど日々の生活に組み込む必要もある。食事は欠かさないが、運動場等での運動は、雨天や時間がない日はやめる(肉体労働は、継続の点でも運動量の点でも減量には理想的である。雨の日も風の日も欠かさず毎日8時間は運動をする)。
5-3-4-8. 食の節制は、少しずつ積み重ねての持続をもってなる
食の節制は、毎日繰返される食事のこと、日々は、ほんのわずかの、無理のない修正にとどめ、体重も少しずつ減量するのが普通である。一気に5キロぐらい簡単に減らせるが、それではその減量のあとが続かない。持続できる減量としては、一月に2キロもできれば、上々であろう。積み重ねれば一年では20キロの減量となる。
運動での減量は、節食の持続と運動の持続をもってなるが、運動を続けても節食をさぼるひとは減量できない。運動はさぼっても節食を続けておれば減量はなる。
5-3-4-9. 永続できる節制の方法を始めからとるべきかも
減量は、過激で異常な方法でも達成可能である。だが、バナナダイエットで、いつまでもバナナだけというわけにはいかない。そのあとは、リバウンドしないように、その理想の体重維持のための永続可能な節制の方法がとられるべきことになる。ということであれば、最初から、粗食などで、持続可能な死ぬまで続けられる方法をとる方がよさそうである(減量の達成までは若干強化したやり方が必要だろうが)。運動での減量は困難だが、永続性を考えたら、運動も生涯必要なことだから、節制対策の最初からこれも組み入れておく方がいいのかも知れない。