使命感は、勇気を奮い立たせる。

2012年10月13日 | 勇気について

5-5-4.使命感は、勇気を奮い立たせる。
 各自の勇気への周囲からの支えや応援は、各自のうちに内在化することもある。使命感をいだく場合、その使命を与えるものに実際に激励されることもあるが、それ以上に、自身のうちで、使命だからと自覚して、命がけでやらねばと自身で鼓舞することになる。
 使命は、自身の帰属する全体や支配者(国家とか神仏あるいは人など)から与えられる高級な課題・役割りであり、誇らしい「使」い、「命」令である。成員のなかから、その困難な課題を遂行できる優秀な者を選んで、使命は与えられる。その使命を実行することは、その帰属の全体に頼られ求められたものをもって、全体に自身が一体化することである。使命は、自身を全体に結びつける絆である。自身に社会的存在としての意味を与えるものとして、使命は、おのれの誇らしい本分となり、生き甲斐となる。全体が求める使命は、全体に資するものであると同時に、使命を担う者の自己実現でもある。
 困難な使命のもとに生じる危険に挑戦することは、選らばれた自分にしかできないことである。自分が逃げなければ、帰属する全体が救われ、自身の自己実現にも資する。そう思えば、猛勇も奮い起こそうとの気になる。使命感においては、ひとは、ノブレス・オブリージュ(noblesse oblige高貴は強いる)を抱き、おのれの限りを尽くすようにと自身のうちから鼓舞される。