VINITECH展示会にあわせて訪れたシャトーについて、喜多郁森(ふみもり)よりご紹介させて頂きます。今回は「左岸編」で、なんと「5大シャトー」のうち、3つを訪問しました。
「シャトー・オー・ブリオン」
ボルドー市街から車を走らせること約10分で到着。都市部からの近さゆえに、他地区の畑よりも1~2度平均気温が高く、ボルドーで最も早くブドウの収穫を行うシャトーの一つだそうです。シャトーの入り口にて、当社社員4人と、今回ご一緒したお得意先様3人です。
ボルドー最古のシャトー、オー・ブリオンは、ボルドーで最も早く1970年代から「ステンレスタンク」を採用したそうです。当時は批判的な意見が大勢を占め、「一級格付けを見直すべき」という声もあったようですが、今ではステンレスタンクがボルドーでも主流。オー・ブリオンではいまもそのタンクが使われています。
タンクの構造に関する質問など、私たちの質問があまりに専門的でガイドさんが即答できず、シャトー内の詳しい人に携帯電話で聞いてから答えて頂く、という場面もしばしばありました。
見学を終え、いよいよ試飲! 2007年ビンテージのオー・ブリオン(右)とラ・ミッション・オー・ブリオン(左)。後者は向かいにある醸造所のワインで、現在は同じスタッフが同じ方法で仕込んでいるとのことです。オー・ブリオンはご存知の通り、典型的なボルドータイプの壜ではなく、独特のなで肩壜を採用していますが、1958年ビンテージからだそうです。
打栓後10年経過しているのに、コルクはこんなにきれいです。コルク栓の価格も、ガイドさんが即答できなかった我々の質問の一つ。電話で担当者に聞いてくれたのですが、なんと1個1.5~2ユーロ(190~250円!)だそうです。
「シャトー・マルゴー」
5大シャトーの中では日本で最も人気が高く、有名なのではないでしょうか。シャトーに続く専用の並木道の先にある正門は高さ5メートル程。いかにも格式が高い。
最近、新しく醸造所を増設しています。これはその入り口。中は小型のステンレスタンクが並んでいましたが、マンホールの位置が高いなど、構造が一般的なものと違いました。
こちらは古い醸造所内。やはり目を引くのは、タンクです。葡萄の出来具合や畑の収穫量に対し、最適な対応がとれるよう様々な容量の木製とステンレス製のタンクを備えています。この種類豊富なタンクによって商品数を増やすことができ、16年からはサードラベルまで造ることが可能になったようです。
印象的だったのは、「樽工房」の存在。オー・ブリオンにも樽工房がある(今回は見学できず)そうですが、そちらは樽会社スガモロの出張アトリエ。マルゴーは社内に樽職人を抱えているそうです。
20万本のシャトー・マルゴーをビンテージごとにストックしている地下貯蔵室も近年つくられたもの。試飲室から見ることができるようになっているのですが、ここに眠っているワインの価値は総額いくらになるのでしょうか・・・。
試飲したのは2004年のマルゴー(右)と、2009年のセカンドラベル(左)です。私、喜多郁森(ワイン勉強中)も、日常ではとても手が出せないマルゴーを存分に堪能させて頂きました。
「シャトー・ラフィット・ロートシルト」
筒は、ラフィットの畑の地面を縦方向に縮小した断面模型。土壌の説明からスタートしたことが印象的でした。ポイヤック村の中でも最も北に位置しており、石灰質を基盤とする砂利質の土壌は、メドック地区の中でも最上位と言われています。
タンクはステンレス製のほか、コンクリート製のものも備えられていました。コンクリートタンクは、温度緩衝性や酸素透過性のほか、四角さゆえスペース効率が良い、という利点が挙げられます。
地下の貯蔵庫では、円を描くように樽が保管されていました。長方形のスペースに並べて保管をするよりも、ラッキングや澱引きでの移動距離を約30%削減できるとのこと。とても神秘的な雰囲気で、年2回クラシックコンサートも行われるそうです。
試飲もこの地下貯蔵庫で行いました。今回試飲をしたのは、2007年ビンテージのラフィット・ロートシルト。
初めてのボルドー訪問で、5大シャトーの3つを見学出来るという幸運に恵まれました。いずれのシャトーも固有の歴史、特徴、こだわりがあり、妥協がないまさにトップシャトーだと感じました。「ボルドーでシャトー見学(右岸編)」に続きます。
東京営業部 喜多郁森
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