2008年は、2年に一度のワイン業界向け展示会であるVinitechがボルドーで開催される年。というわけで、12月1日から世界的なワイン銘醸地の一つ、フランス・ボルドーに来ております。
同様な展示会としてはイタリア・ミラノで開催されるSIMEIがありますが、規模はこちらのほうが大きく、世界中から業界関係者が集まります。もちろんフランス語が中心ですが、スペイン語、イタリア語、英語など、多言語が飛び交うまさしくインターナショナルな展示会です。

<DIEMME社のブースの様子>
今年の話題の中心は、「選果の自動化」が一番に挙げられると思います。高品質のワイン醸造のために選果を行うことはもはや当たり前の感がありますが、人海戦術的な選果作業は現場の負担(および経営的な負担)が大きく、その自動化が大きく期待されている状況です。2年前のVinitechでもその初期の機器が展示されていましたが、今回はすでにある程度の実績を踏まえて改良された機器や、新しい技術を導入した新製品が多く展示されていました。
技術賞を受賞したカメラによるシステムや、ブドウ果の比重を利用したものなど、有力メーカーは新しい自動選果システムを紹介しています。中でも日本のワイン醸造の現場を念頭に置いたときには、選果コンベアの前に置くことで梗や茎を効率的に除去できる、このシステムが適当ではないかと感じました。

<SOCMA社の自動選果システム>
小規模向けであると共に、樹脂パーツを上手に使っているので初期コストが抑えられメンテナンスも容易です。有名シャトーを含む多くの実績があり、6~8人でやっていた選果作業を2~3人程度まで減らすことができるそうです。選果はしたいけど人手不足で無理だ、とあきらめておられたワイナリーの皆様には有力な選択肢になると思います。
「嫌気的ワイン醸造」はホットなトピックスですが、Vinitechでもそれを反映した製品が目立っています。手前味噌ではありますが、当社が日本へ紹介しておりますDIEMME社では、「不活性ガス雰囲気のメンブランプレス」のほか、世界で初めて「不活性ガス雰囲気の除梗破砕機 」をリリースしました。

<第二世代の不活性ガス雰囲気メンブランプレス 「Neutral2」シリーズ>
<世界初!不活性ガス雰囲気の除梗破砕機、「Kappa15 Neutral」>
日本でも特に山梨では、甲州や欧州系白ブドウの仕込時に液化炭酸ガスを利用した方法が一部行われていますが、このKappa15 Neutralでは酸素濃度計を利用した数値管理を行い、より確実で再現性のある手法となるよう工夫がなされています。
フランス・イタリアを中心に、特にソービニオンブランやリースリング、ゲビュルツトラミネールといった香りに特徴がありかつ付加価値の高いワインとなるブドウに関して、このような不活性環境下で除梗破砕を行う方法が注目されています。
逆に、「酸素を有効に利用する方法」の研究も進んでいます。様々な側面はありますが、マイクロオキシネジェーションが注目されている技術であるということは確かです。当社ではすでにオーク樽内で使用する「バレルメート」をご紹介していますが、ステンレスタンク内でマイクロオキシジェネーションを行う機器についてもリサーチを行っています。まもなく何らかの形でご紹介する予定ですので、乞うご期待!

<ストーンから微小な酸素の泡を放出する様子>

ボルドーではワインはもちろんですが、生ガキやキノコの一種であるセップも名物(というか私の好物)で、食生活も満たされております。もちろん仕事もしっかりやっておりますので、新しいワイン業界の情報等、あらためてご報告いたします。それではこのあたりで、Au revoir!
企画開発グループ 渡邊 拓也
同様な展示会としてはイタリア・ミラノで開催されるSIMEIがありますが、規模はこちらのほうが大きく、世界中から業界関係者が集まります。もちろんフランス語が中心ですが、スペイン語、イタリア語、英語など、多言語が飛び交うまさしくインターナショナルな展示会です。

<DIEMME社のブースの様子>
今年の話題の中心は、「選果の自動化」が一番に挙げられると思います。高品質のワイン醸造のために選果を行うことはもはや当たり前の感がありますが、人海戦術的な選果作業は現場の負担(および経営的な負担)が大きく、その自動化が大きく期待されている状況です。2年前のVinitechでもその初期の機器が展示されていましたが、今回はすでにある程度の実績を踏まえて改良された機器や、新しい技術を導入した新製品が多く展示されていました。
技術賞を受賞したカメラによるシステムや、ブドウ果の比重を利用したものなど、有力メーカーは新しい自動選果システムを紹介しています。中でも日本のワイン醸造の現場を念頭に置いたときには、選果コンベアの前に置くことで梗や茎を効率的に除去できる、このシステムが適当ではないかと感じました。

<SOCMA社の自動選果システム>
小規模向けであると共に、樹脂パーツを上手に使っているので初期コストが抑えられメンテナンスも容易です。有名シャトーを含む多くの実績があり、6~8人でやっていた選果作業を2~3人程度まで減らすことができるそうです。選果はしたいけど人手不足で無理だ、とあきらめておられたワイナリーの皆様には有力な選択肢になると思います。
「嫌気的ワイン醸造」はホットなトピックスですが、Vinitechでもそれを反映した製品が目立っています。手前味噌ではありますが、当社が日本へ紹介しておりますDIEMME社では、「不活性ガス雰囲気のメンブランプレス」のほか、世界で初めて「不活性ガス雰囲気の除梗破砕機 」をリリースしました。

<第二世代の不活性ガス雰囲気メンブランプレス 「Neutral2」シリーズ>

<世界初!不活性ガス雰囲気の除梗破砕機、「Kappa15 Neutral」>
日本でも特に山梨では、甲州や欧州系白ブドウの仕込時に液化炭酸ガスを利用した方法が一部行われていますが、このKappa15 Neutralでは酸素濃度計を利用した数値管理を行い、より確実で再現性のある手法となるよう工夫がなされています。
フランス・イタリアを中心に、特にソービニオンブランやリースリング、ゲビュルツトラミネールといった香りに特徴がありかつ付加価値の高いワインとなるブドウに関して、このような不活性環境下で除梗破砕を行う方法が注目されています。
逆に、「酸素を有効に利用する方法」の研究も進んでいます。様々な側面はありますが、マイクロオキシネジェーションが注目されている技術であるということは確かです。当社ではすでにオーク樽内で使用する「バレルメート」をご紹介していますが、ステンレスタンク内でマイクロオキシジェネーションを行う機器についてもリサーチを行っています。まもなく何らかの形でご紹介する予定ですので、乞うご期待!

<ストーンから微小な酸素の泡を放出する様子>

ボルドーではワインはもちろんですが、生ガキやキノコの一種であるセップも名物(というか私の好物)で、食生活も満たされております。もちろん仕事もしっかりやっておりますので、新しいワイン業界の情報等、あらためてご報告いたします。それではこのあたりで、Au revoir!
企画開発グループ 渡邊 拓也