北の大地の不思議ワールド。「歴史一般編」「幕末維新編」「新撰組編」「人物編」「文学編」「社会・文化・生活編」「宗教編」「自然編」から成る。
わたしは40年ほど札幌市とその近郊で生活していたが、この本に書かれていることのディテールは知らないことばかりである。たとえば、新撰組の土方歳三が幕軍のひとりとして戦い、戦死したことは知っているが、その彼を殺した人などは知らない。幸田露伴が余市電信局で働いていたことなどは知らない。「ラーメン」の生みの親は? 月光仮面の像がどうして函館にある?要するにこの類の逸話が、最初から最後まで続くのである。
それを知っていてどうする、という話題かもしれないが、それが面白く書かれている。かと言って読んで頭に残るかと言えば、残りにくく、それを知っていて何になると思うから、ますます記憶にとどまりにくい。座右において、時々、ひもとくという本だろうか。
多くの書き手が分担しているが、相当調べているので、その点、敬意を表する。そして、ほとんどが北海道出身者だとのことである。