このCDではエレーヌ・グリモーがラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を弾いています。共演はアシュケナージ指揮のフィルハーモニア管弦楽団。
ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番は、昔から好きな曲のひとつです。グリモーにとって、この曲は黒、あらゆる陰影を包含する黒だそうです。グリモーは「これは黒歌鳥[ツグミの一種]の羽根のように輝き、きらめくのです」、そして第2楽章については「鍛冶屋が白熱にまで熱し、やがて冷却して暗褐色になる金属のよう」と言っています。
色彩を聞くことができる、譜面を見ることのできるピアニスト、エレーヌ・グリモーならではの演奏です。収録曲は以下のとおりです。
・ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 作品18
第1楽章:Moderato
第2楽章:Andagio sostenuto
第3楽章:Allegro scherzando
・前奏曲 嬰ト短調 作品32の12
・練習曲集 ≪音の絵≫ 作品33
第1番 ヘ短調
第2番 ハ長調
第9番 嬰ハ短調
・コレルリの主題による変奏曲 作品42
エレーヌ・グリーモーを少しばかり紹介します。彼女は、1969年11月、フランスのエクサンプロヴァンスの生まれです。この地の音楽院に9歳のときに入学、J・クルティエに師事。その後、マルセイユでバルビゼに師事しました。1982年、13歳でパリ国立高等音楽院に入学しました。
録音デビューは1984年。1985年ラフマニノフの《ピアノソナタ第2番》の録音で、モントルーのディスク大賞を受賞。同年、パリ音楽院研究科に進みます。1987年頃からプロのソリストとしてパリで活動をスタートさせ、ダニエル・バレンボイム指揮のパリ管弦楽団と共演。以後、欧米の著名な管弦楽団に客演し、演奏活動を続けています。
フランス人ですが、フランス近代音楽より、ドイツ・ロマン派音楽に関心をもっているようです。ラフマニノフ以外のレパートリーは、ベートーヴェン、シューマン、ブラームス、ラヴェルを得意としています。
両親は共に大学教授。本人は大学で動物生態学を学びました。現在はニューヨークで生活していますが、オオカミの生態を研究し、その養育を続けているという変わり種です。
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