【岩崎俊夫BLOG】社会統計学論文ARCHIVES

社会統計学分野の旧い論文の要約が日課です。

時々、読書、旅、散策、映画・音楽等の鑑賞、料理とお酒で一息つきます。

森崎東監督「ペコロスの母に会いに行く」(2013年、113分)於:埼玉会館(浦和市)小ホール

2014-04-02 21:04:40 | 映画

             

 「ペコロスの母に会いに行く」を観ました。認知症の母みつえとバツイチ・ハゲ親父ゆういちが繰り広げる切ない介護生活がテーマですが、ユーモアがあるストーリーで、人間的な温かさを感じさせる作品になっています。


 原作は長崎在住の漫画家である岡野雄一さんの同名のエッセイ漫画です。ペコロスというのは、小さな玉ねぎのことで、岡野さんの禿頭の象徴です。

 ストーリーは、ゆういちの母みつえに、夫のさとるの死後あたりから、認知症の症状があらわれ、日常生活に支障があらわれてきます。悪徳業者にだまされたり、駐車場であやうく轢かれそうになったり、箪笥の引き出しから大量の汚れた下着が出てきたり。ゆういちは仕方なくケア・マエージャーと相談のうえ、みつえを介護施設に入所させることにします。孫のまさきもつそいで協力します。
 
 みつえは10人兄弟(妹)の長女として育ちました。畑仕事に精をだし、弟や妹の服を繕うことが日課でした。親しい女友達ちえことの交遊がわずかの楽しみでしたが、その彼女とも別れ別れになります。結婚後も幸せとはいえず、夫のさとるは給料日になると、それを全部、酒に使ってしまうような人で、苦労の連続でした。

 現実のゆういちの介護生活と、みつえの過去の生活とが往還し、映画は人間味あふれる内容になっています。上記ポスターの絵で、みつえ役の赤木さんが、ペコロスことゆういちの岩松さんのハゲ頭をなでているところは、みつえが、ゆういちに会っても自分の息子と認識できなくなっていたので、ハゲあたまをなでさせて、わからせよう(実際にわかるのですが)としているシーンです。

 ペコロスことゆういち役に岩松了さん、みつえ役に赤木春恵さん、若いころのみつえ役に原田貴和子さん、夫のさとる役に加瀬亮さん、まさき役に大和田健介さん、です。赤木さんは89歳で、初めての主役ということで話題になっています。他に、竹中直人さん、宇崎竜童さん、原田知世さんなど、個性的な名優が登場するのも楽しめるところです。作家の志茂田景樹さんも出ていてびっくりしました。

 


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