【岩崎俊夫BLOG】社会統計学論文ARCHIVES

社会統計学分野の旧い論文の要約が日課です。

時々、読書、旅、散策、映画・音楽等の鑑賞、料理とお酒で一息つきます。

東日本大震災(ブログ通報⑧)

2011-04-13 00:11:20 | その他

 余震が相変わらず続いています。福島の浜通り、中浜通りは、震度6弱なり、震度5,4の余震が頻発しているようで、気の毒です。1日も早い収束を期待しているのですが、長期化が懸念されます。
 義援金の第一次配分基準が決まり(8日)、仮設住宅建設も少しづつ進み、一条の光がみえてはいるものの、被災地に暮らす方々の生活上の苦労はいかばかりかと察します。
 復興計画の話が徐々にでてきていますが、依然として不明者、避難所での生活を余儀なくされている方が15万人を超えているというのが現状で、事態は改善されていません。

 そんななか、原子力安全・保安院は、福島原発事故の国際原子力事故評価尺度(INES)の評価を、あのチェルノブイリ原発事故(炉心溶融[メルトダウン]の後爆発)と同じ水準のレベル7にひきあげると発表しました。根拠は3月11日から4月5日までに原子炉から大気中に放出された放射量が63万テラベクトルに達したからです。その大部分は3月15日から16日にかけて2号機から出たものと言われています。テラというのは1兆の1万倍です。しかもこの数字には、大気中にでた放射能物質の量だけから生まれた値で、海水への放水に含まれている分、地面や地下水に及んだと思われる分は含まれていません。
 ちなみに、今から15年前の1986年4月に、チェルノブイリ原発事故では、10日間で520万テラベクトルでした。

 これまでレベル5だったものが、レベル7にあがれば、当然、世界からの福島原発事故への評価は厳しくなることが予想されます。評価レベルの変更が、遅すぎるという批判もでています。NYダウ平均株価は、現在、その値をさげていますが、これは福島原発被害がレベル7にあがったことを一部織り込んでのことでしょう。

 チェルノブイリ原発事故と福島原発事故の違いは、しかしいろいろあります。今のところ、後者から大気中に放出された放射能は前者の1割程度です。とはいえチェルノブイリ原発事故は、放射能放出が10日間ほどでとまりましたが、福島原発は現在進行形で、収束の方向が見えていません。
 今日漸く、6万トンの高濃度汚染水の2号機トレンチから復水器への移出が始まりました。それが遂行されたとしても(40時間)、冷却器がうまく再生し、循環系がが回復するかどうかは未知数です。以前として「悪い状態で安定している」という状況は変わらず、予断は許されません。今後の処理の難しさがひかえています。

 福島原発災害はいまや人類史上前例のない国際的な問題です。世界の英知を集めて、この災害を終息させる必要があります。アメリカは合同調査委員会をスタートさせました。ロシアはチレルノブイリ事故とかかわるいろいろな実践上のノウハウをもっているはずです。国際的協力をもとめることは、いまや喫緊の課題です。

 後遺症はまだまだ続きます。問題解決の方向が見えないところが、ストレスのたまる原因です。