アンナ・ヤンソンの『消えた少年』を読みました。
スウエーデンの夏の観光地として有名なゴッドランド島に暮らすアンドレアスは、近所で付き合いのある友人一家の一人息子の誕生日パーティに招かれました。陶芸家の友人の息子オスカルとその友人のベッテルは、少し年下でちょっと風変わりな所のあるアンドレアスを部屋から閉め出しました。アンドレアスは手持ち無沙汰で陶芸工房に入り込み、誤って作品を割ってしまいました。
アンドレアスは、焦って家を飛び出して海の方へ走り出しました。すると家を少し離れた茂みに誰かがいました。アンドレアスは身をかがめて茂みの中を伺うと、オスカルの父親とベッテルの母親が抱き合っていたのです。アンドレアスは
驚いてその場を立ち去りました。そしてそのまま姿が見つからなくなってしまいました。警察に通報し、捜索隊が組織されましたが、見つかりません。
3組の家族を中心に、捜査官のマリアと周辺の人々も描かれて行きます。ミステリーとしては、いささか唐突な展開にも思ましたが、夏至祭の時期のスウエーデンの小説を久しぶりに読んで楽しめました。