繁栄と平和を謳歌するコンスル帝国の皇帝テューブレンのもとに、ある日献上された幸運のお守り<暗樹>。黒い円筒で、これさえあれば栄耀栄華思いのままになるという。
その鑑定を依頼された、皇帝の甥で皇位継承者であるガウザスづきの魔道師・レイサンダーは、その禍々しさを察知。確かに望むものは手に入るが、結果としては最悪の破滅をもたらす存在、悪意そのものであるとその真の姿を見抜くも、<暗樹>は、レイサンダーを脅し、決断に迫られた彼は出奔する。
一方、大切な少女の悲惨な死を防げず、おのれの無力さと喪失感にうちのめされていた、書物の魔道師・キアルスは、自暴自棄となり、吟遊詩人の詩歌集「タージの歌謡集」を燃やす。そんな彼は、緑の目と黒髪であったことからレイサンダーと勘違いされ、捕らえてしまう。誤解はすぐに解け、イラネス神殿で祐筆として働くことになった、キアルスは、管理官カーランからタージの歌謡集はこの世に一冊しかないと聞かされ、自分の行いを後悔。記憶を辿ってそれを復元をすることを心に決める。そんなキアルスはひょんなことから、タペストリに編み込まれた、四百年前、闇と戦った青年・テイバドールの運命を知ることに……
前作『夜の写本師』同様、正統派の本格ファンタジー。同じ世界観のお話で、時代的にはもっと前。
壮大な内容を、ぎゅっと濃縮したオレンジジュースのような印象(?)。
<12/7/23,24>
その鑑定を依頼された、皇帝の甥で皇位継承者であるガウザスづきの魔道師・レイサンダーは、その禍々しさを察知。確かに望むものは手に入るが、結果としては最悪の破滅をもたらす存在、悪意そのものであるとその真の姿を見抜くも、<暗樹>は、レイサンダーを脅し、決断に迫られた彼は出奔する。
一方、大切な少女の悲惨な死を防げず、おのれの無力さと喪失感にうちのめされていた、書物の魔道師・キアルスは、自暴自棄となり、吟遊詩人の詩歌集「タージの歌謡集」を燃やす。そんな彼は、緑の目と黒髪であったことからレイサンダーと勘違いされ、捕らえてしまう。誤解はすぐに解け、イラネス神殿で祐筆として働くことになった、キアルスは、管理官カーランからタージの歌謡集はこの世に一冊しかないと聞かされ、自分の行いを後悔。記憶を辿ってそれを復元をすることを心に決める。そんなキアルスはひょんなことから、タペストリに編み込まれた、四百年前、闇と戦った青年・テイバドールの運命を知ることに……
前作『夜の写本師』同様、正統派の本格ファンタジー。同じ世界観のお話で、時代的にはもっと前。
壮大な内容を、ぎゅっと濃縮したオレンジジュースのような印象(?)。
<12/7/23,24>