黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『話虫干』小路幸也(筑摩書房)

2012-07-05 | 読了本(小説、エッセイ等)
馬場横町市立図書館に勤務する青年・糸井馨は、物語に入り込み、話の内容を勝手に変えてしまうという<話虫>を駆除し、筋を正しい方向に軌道修正するという<話虫干>という役目を負うことに。
今回被害が確認されたのは夏目漱石の『こゝろ』。同じく職員である榛美智子とともに、その世界に入り込んだ糸井は、<先生>こと圖中和生と、<K>こと桑島芳蔵の友人となり、榛は糸井の叔母で、<お嬢さん>こと静のお花の先生という役どころ。
本来の筋では登場しない桑島の腹違いの妹・京子が突然上京、彼と一緒に暮らすことになったことから、兄妹とも圖中と同じ妹尾家で下宿で暮らしはじめ、おまけに作者である夏目漱石まで登場。突然来日した外国人の美少女・エリーズや、怪談作家・小泉八雲ことラフカディオ・ハーンや、シャーロック・ホームズまで現われて、『こゝろ』の中は大混乱……

図書館の司書のヒトたちが、<話虫>によって変えられてしまった物語の内容を軌道修正するというお話で、彼らは入り込んだのが『こゝろ』。
そこに出てくる何者が<話虫>なのかはわからず、おまけにホームズまで出てきて一体どうなる!?と気になる展開。
さらに糸井くんは、話を本筋に戻さなくっちゃと思いつつも、仲良くなった圖中と桑島が今後選ばざるをえない未来を考えて、悩んだり…。
残りページ数を気にしながら、どうなるのかな~と思ってたのですが……若干、唐突;
せっかく(?)だから、イレギュラーなヒトたちに何か暴れて欲しかった感じが(笑)。

<12/7/4,5>