黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『探梅ノ家 居眠り磐音 江戸双紙』佐伯泰英(双葉社)

2010-07-22 | 読了本(小説、エッセイ等)
師走に入り、寒気が増したある日。棒手振りの銀平が売りに来た秋刀魚を安く買い、長屋中で焼く中、今津屋の宮松が坂崎磐音を呼びにきた。老分の由蔵が麹町の御用に供をして欲しいという。しかしすっかり秋刀魚臭くなってしまった彼は、先に横山町の湯屋加賀大湯へ。そこで吉祥天の彫り物を背負った白髪の老人に出会う。
その後由蔵から向かう船の中で、数日中に鎌倉まで旅をして欲しいと告げられる。もうすぐ三回忌を迎えるお艶を弔うべく、今津屋吉右衛門の代参で鎌倉の建長寺に行くための供をして欲しいというのだった。
御用を終え、今津屋で夕餉を馳走になった磐音は、今晩は雪も降ったということで泊まることにし、鎌倉へは明々後日の早朝発つことに。
幸せな気分でで眠りについた磐音だったが、半鐘の音で目が覚める。幸い今津屋には被害がなさそうだったが、火元付近を調べる為に出かけた磐音は、南町の笹塚孫一たちに出会う。火事は何とか治まりそうだったが、定廻り同心・木下一郎太が元大坂町の衣装屋で押し込みがあったと告げる。そこには“黒頭巾参上”という文字が残されており、先に板橋宿、内藤新宿で起きた黒頭巾ではないかと疑うが、手口がかなり違う。唯一残った奉公人の少女・おはま曰く、賊は「吉祥天の親方より稼ぎがいい」と言っていたというのだが……“第一章 吉祥天の親方”、
朝七つ、鎌倉へ向け、出発した磐音と由蔵。建長寺での代参としての役目を終えると、寺の外に宿を取っているという由蔵は、お艶の兄・赤木儀左衛門と待ち合わせをしていると告げた。さらに小田原城下の脇本陣の主、小清水屋右七とその二人の娘・お香奈とお佐紀も一緒である。三回忌を終えるまでは後添えを貰わないといっていた吉右衛門だったが、由蔵と儀左衛門は気を揉んでおり、密かにお香奈を後添え候補として選んでいたのだが、先に磐音に品定めさせる為に同行させたのだった。
ところが翌朝、お香奈が失踪。どうやら彼女は、藩改革派に属している近習・大塚左門が会合の場所として小清水屋を使っていたことから知り合い、恋仲になっていたらしい。
彼らを追って大塚所縁の寺に出かけた磐音たちだったが、あいにく出立してしまった後だった。そしてそんな大塚たちを追う藩士たちもやって来たというのだが……“第二章 水仙坂の姉妹”、
お香奈の件で、お佐紀と共に行動していた磐音は、むしろ彼女の方こそ今津屋の後添えに相応しいのでは、と由蔵たちに提案。お佐紀自身からも見合いする了承も得て、江戸へ帰ってきた磐音と由蔵。
あとは吉右衛門に話をどう切り出すべきか、と悩んでいると、すでにおこんの口から露見した後で、無事見合いの席を設ける運びとなった。
その後、鎌倉の土産を持って品川柳次郎の家を訪ねた磐音は、母・幾代からこの三日ばかり家に戻っていないと告げられる。上方からの船の荷下ろしの仕事を請け負っていたらしいのだが、何かの騒動に巻き込まれているのではないかと、竹村武左衛門と共に捜索に乗り出すことに……“第三章 師走の騒ぎ”、
大晦日を明後日に控えた佐々木道場にやってきた磐音。
そこには新たに門弟に加わったばかりの若い二人…土佐高知藩山内家の家臣・重富利次郎と旗本松平喜内の次男・松平辰平が火花を散らしていた。住み込み師範の本多鐘四郎曰く、まるで軍鶏の喧嘩。しかも辰平は無謀にも磐音に挑み、叩きのめされる始末。
そんな辰平には池内大吾をはじめとする悪い仲間がおり、そんな奴等が道場までやってきて辰平を誘い出そうとするものの、鐘四郎と磐音に叩き出された。
明けて、安政五年。
おこんと共に湯島天神に初詣に行った磐音は、娘と一緒にいる辰平を見るが、四日の朝、辰平は道場に姿を現さなかった。仲間の旗本・三浦光次郎に訊くと、甘酒屋ふじくらの娘・おうめだという……“第四章 二羽の軍鶏”、
正月九日。先の約束で御殿医・桂川国瑞の、白梅屋敷と呼ばれる別宅に招かれた、磐音と織田桜子と中川淳庵。
料理人の親吉は、国瑞とともに長崎にいたこともあり南蛮料理を覚えていて、面々は彼の作る天ぷらに舌鼓を打つ。
ところがその帰り、黒衣の七福神の面をかぶった一団が、彼らの前に立ちふさがった。事なきを得るも、誰を狙った襲撃だったのかは謎。
翌日、馳走になった南蛮料理について語る磐音の言葉に釣られ、興味を持ったおこんと由蔵は、見合いの席でお佐紀をもてなす料理として天ぷらを出せないかと、親吉の手を借りるべく、磐音とともに桂川家に赴いた。
そこで、国瑞から朝、“七福神参りご用心”と書かれた御籤のような紙が置かれていた話を聞かされる。七福神参りとは
桂川家初代が始めた恒例行事で、正月十一日に桂川家の後継が七福神を祀る場所を回るのだという。
その供をする磐音に、おこんも一緒に行くと言い出して……“第五章 白梅屋敷のお姫様”を収録。

シリーズ第十二弾。吉右衛門さんに後添えを迎えよう大作戦が主?…というか全体的に恋愛話が多めでした(笑)。
おこんにも密かに縁談話が持ち上がっているようなので、気になるところ。

<10/7/22>