黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『らいほうさんの場所』東直子(文藝春秋)

2010-07-14 | 読了本(小説、エッセイ等)
インターネットの人気占い“シスリー姉さんの生まれ月別運勢占い”で生計を立てている占い師の長女・志津、市民センターにつとめる出戻りの次女・真奈美、知り合い・稲森の紹介で肉体労働の仕事をしている末弟・俊の八木三姉弟は、両親の遺したマンションに一緒に暮らしている。
そのマンションには、彼ら専用の庭があり、その片隅を“らいほうさんの場所”と呼び、聖域のように、絶えずその場所を気にしていた…殊に、志津が。
俊は身体は大人に成長しても、中身は小さな子供のままのような不安定さを抱えており、志津はそんな弟を甘やかし、真奈美はそんな態度に不満を抱えている。
そんなある日、スーパーに買物に出かけた志津は、以前彼女が街角で占っていた折の客だったという若い女に出会う。
やがて女は志津の家をつきとめて、押しかけてきた。さらに自分の三歳の娘・うららを置いて、突然姿をくらませたりと不穏な動きをする女の存在に心を乱される志津。それをきっかけとして、彼らの生活に綻びができ始め……

“らいほうさんの場所”という場所を大切にする、マンションに暮らす三人の姉弟たちのお話。
“らいほうさんの場所”とは何か?何が隠されているのか?という謎が、ずっと漂っていて、どこか不穏な感じが不気味さをかもし出しています。ある意味ちょっとホラーっぽい(笑)。

<10/7/13,14>