黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『残される者たちへ』小路幸也(小学館)

2009-02-27 | 読了本(小説、エッセイ等)
東京のデザイン事務所で働く川方準一の元に、かつて通った方葉野小学校の同窓会開催を知らせるはがきが届いた。
その小学校に通っていたのは、方葉野団地に通っていた子供たちばかりだったが、彼自身は途中で転校していた。
そんな準一は、会場で、幹事である押田明人に声をかけられるが、彼の存在を思い出すことができない……周囲の人々の話では、向かいの部屋に住んでおり、準一の親友だったというのに。
悩む準一は、今では精神科医となっている、当時同じ団地に住んでいた年下の幼馴染・藤間未香に相談。
一方、未香は、団地に住む中学生・芳野みつきの診療を受け持っていた。みつきは祖父母と母と共に交通事故に遭い、母に庇われて九死に一生を得たのだが、その際亡くなった母自身の記憶が、たびたび浮かんでくるのだという。
あるはずの記憶がない準一と、ないはずの記憶を持つみつき……全く逆の状態の2人に共通しているのは、団地。
何等かの関係があるのではないかと感じた準一と未香は、団地を調べることに……

ミステリ、というよりはSF。ちょっと西澤さん系?
スリル感や漂う切なさは良い感じなんですが、ちょっといろいろ力技なところが目立って、すっきりしない後味は残るかも。

<09/02/27>