飛切りおしゃれで美しく、父は実業家、“軟派の中の女王”と目され、クレオパトラ(略してクレオ)というニックネームで呼ばれる相庭陽子。そんな彼女の対極の存在である、硬派の大将は佐伯一枝。その真面目さからロボットというニックネームを持つ彼女は、父はすでに亡く、未亡人の母と幼い弟・光夫と妹・雪江と共に倹しく暮らしている。
そして、個人主義で、無口で風変わりな少女・弓削牧子。某大学の教授の理学博士の父を持ち、病身な母・喜久子と幼い弟・亙と暮らしている。……そんな3人は同じ女学校に通うクラスメイト。
4月の末。それまであまり関わることのなかった陽子から、突然、5月1日の彼女の誕生日パーティに誘われた牧子。実は陽子は牧子に御執心なのだ。
特に親しい訳でもなく、乗り気ではなかった牧子だが、野心家の父は自分の理化学研究所設立の為、陽子の父である相庭氏から莫大な寄付金を約束してもらっているからと、行くように言われる。
当惑しつつも出かけた牧子は、そこで陽子と話している最中に、通りかかった一枝と出会う。
その後牧子は、持って行き忘れた陽子への誕生日プレゼントと、風邪で休んだ折、一枝へのノートを借りた礼として、それぞれ銀製のキャンデー入れとインクスタンドを買うが、陽子は一枝へと買ったインクスタンドの方を取ってしまい、代わりにキャンデー入れを貰うことになった一枝は不思議に思うのだった。
やがて、夏休みに。自分の別荘へと牧子を誘う陽子。しかし母の身体の具合が思わしくない牧子は、それを断り、学校の水泳宿舎での合宿に参加。牧子と一緒に過ごしたい陽子も参加するが、そこへ牧子の家から連絡が入る……
わがままなお嬢様・陽子が同級生の少女・牧子に好意を寄せ、猛アピール。いろいろあって、心が弱くなった牧子はついフラフラとしちゃうけど…というお話。
割と最後の方が唐突な感じがするような…;
野ばら氏の注釈がかなり詳細ですが、何で微妙にギャク路線…(笑)。
<09/2/10>