黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『誘う森』吉永南央(東京創元社)

2008-10-30 | 読了本(小説、エッセイ等)
1年前に、何の前触れもなく突然自殺した妻・香映。実家である老舗の造り酒屋・屋尾酒造を手伝いながら、根口の森と呼ばれる自殺の名所にやってくる自殺者たちの相談ボランティアもしていたというのに、彼女が自殺に使った青酸カリは、自殺を止めた自殺者の男性から取り上げたもので、その男性もまたその後に死んだという。
彼女の死を引き摺り、不眠症を患った福山洋介は、上司の配慮により会社を長期休暇を取っていた。思い出の残る家を出、食堂の2階に部屋借りた彼は、自らの両親を亡くした時の経験から、ただ歩く回り、身体を疲れさせることで、それを解決しようと試みていた。
そんな中、元警官である徘徊老人・角谷の証言から、妻の他殺説を考え始めた洋介は、妻の妹・瑛子の行動に不審を抱き、それまで知ることのなかった妻の秘密に迫っていく……

『紅雲町~』とは打って変わった作風で、どこか陰鬱な雰囲気が漂うミステリ。
洋介のパートの他に、過去である香映のパートがところどころ挿入されるのですが、もうちょっと明確に章分けとかをしてくれると読みやすかったかも。

<08/10/30>