黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『空へ向かう花』小路幸也(講談社)

2008-10-21 | 読了本(小説、エッセイ等)
祖父と共に、かつて文房具店を営んでいた古いビルで暮らす小学6年生の少女・カホ(花歩)は、ある日、ビルの屋上に佇んでいた少年の姿を目撃。彼が自殺しようと考えていると察知した彼女は、手にした鏡で光を当て、それを食い止めた。
少年は、カホとは違う小学校に通う、同じ6年生のハル(春之)。“人を殺した”という彼だが、その相手は、カホの親友・由希菜だった。
それは故意によるものではなく、むしろ不幸な偶然による事故の類であったが、由希菜の両親はハルの両親を訴え、疲弊した家族はバラバラに。そんな彼は、毎日家に届く謎のカードに追い詰められ、死に場所を求めた末、この町に辿りついたのだという。
カホは、ハルに、由希菜がどんな少女であったかを語り、彼女が望んでいたという、カホが住むビルの屋上に庭園を作る計画を持ちかける。
そんな子どもたちを陰ながら支える、花屋でアルバイトをする大学生・桔平と、何かワケありの中年男性・イザさん(伊崎原)だったが……

心に傷を持つ少年少女たちの、再生に向かう為の物語。
ご都合主義的な部分もありますが、殺伐としたこの世の中にこそ、こんなお話が必要な気がしますね。

<08/10/21>