『ぼくは落ち着きがない』長嶋有（光文社）

桜ヶ丘高校に通う3年生・中山望美が、所属しているのは“図書部”……クラスから1名ずつ選抜される図書委員ではなく、自発的に図書室の管理運営を執り行う部活だ。
図書室の中を薄い合板で仕切った細長い空間を部室にし、出入りする部員たちは、2年生なのにナス先輩、大きな弁当箱を持参する頼子、爪を磨くのに熱心な健太郎、某漫画の脇役似の尾ノ上、カシオ製品を持ち歩く樫尾、綾や登美子、部長、等々。
図書室便りに載せる学内の美少女のインタビュー記事に張り切ったり、何故か望美だけが見逃している、6冊借りて6冊返す転校生・片岡哲生の謎に盛り上がったり、文芸部との対立があったり、文化祭展示に張り切ったり……。
図書館を中心にして、彼らの日々は過ぎてゆくのだが……

図書部に所属する高校生の学校生活を描いたお話。
体育会系のお話みたいにどーんと大きな大会があったりする訳ではないので、ある意味ゆるーい雰囲気だったりもするのですが、まぁ文系らしくて良いかと（笑）。わたしも高校時代は、部活ではないけれど、委員で（というか委員長/笑）図書館に入り浸っていたクチなので、ちょっと懐かしい気持ちになりました。
でも、前半で盛り上がっていた片岡くん話が、後半あまり出てこなくて残念かなぁ……と思っていたら、意外な場面で突然出てきてちょっと不意打ちだったり。
……あ、図書館で借りたので、ちらっと（背表紙上部だけ。望美が…/笑）しか確認できませんでしたが、表紙裏に登場人物たちのその後が書かれているようですね～。本屋さんで確認してこなくては！

<08/10/1>