黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『天神のとなり』五條瑛(光文社)

2008-10-10 | 読了本(小説、エッセイ等)
暴力団・天藤会の若頭で、系列会社・ガルーダの社長・白樺満寿夫。そんな彼に借りがあり、日々こき使われている元大学准教授の鏑木。
ある日、亀戸天神近くの繁華街で男が射殺された。天藤会の身内の身内で、島川の事務所に出入りしていた松重良文という男で、亀戸のヘルス“マイガール”のマネージャーだった。彼が何故殺されたのかを調べるように言い渡された鏑木は、プールバーでアルバイトをしている青年・清水京二の手を借りつつ、調査を開始するが……第一章 天神のとなり、
旧墨田連合の春木義則の通夜に行くようにいわれた鏑木。ひと月ほど前、入院中に腹を刺され、それが原因でなくなったらしい。その犯人を捜す為、春木の妻・賀代子の元に聞き込みに行く鏑木。彼女は彼が好きだった椿を飾るという……第二章 椿が落ちる、
1月も終わりに近づいた頃。新幹線でやってくる客を迎えにいくように言われた鏑木。郭行博という在日台湾人らしいが、写真も渡されず、顔もわからないことから結局会えずじまい。彼は、8年前に飲食店への強盗放火をした4人組のひとりで、天藤会の子会社の三浦が服役中に世話になった人物らしい。彼の行方を捜す為、その事件の際に一緒に捕まった仲間の元に聞き込みに行くが……第三章 紅白名残雪、
季節は冬から春に。突然西日本に本部を置く暴力団・光西部連合の組員がうろつき出し、地元の組とのあいだに諍いが起きているという。白樺から言われ、光西部連合が何をしに東京に来ているのかを調べることに。
一方、マイガールの風俗嬢・エイコから相談を受ける鏑木。最近彼女を贔屓にしてくれる客が、家を教えてほしいとうるさいらしい。その男は高知からやってきた内村と名乗る人物。そんな彼に、兄と名乗り対応するが、その後、町で出会い、エイコにある物を渡して欲しいと預かった。ところがその直後、彼は何者かに殺害され……第四章 西から東に、風が吹く、
街中で白昼堂々、車中から道路に放り出された死体が見つかった。それは旧墨田連合のひとつで、先代の娘婿が取り仕切っている新生墨田連合に世話になっている台湾人のチンピラで、紹一芳という男らしい。その事件について調べることになった鏑木。一方で、山村の残した海図の謎についても、調査を進め……第五章 桜の下を収録。

ある事情から暴力団の世話になる身になってしまった鏑木が、白樺(腹黒さからクロカバと呼ばれる)に振り回されつつ、事件を調査することになるお話。
鏑木が白樺を微妙におちょくりつつ展開するかけ合いが、ちょっと楽しいです(笑)。

<08/10/10>